仕事紹介-利用支援課付医学部図書担当

利用支援課付医学部図書担当 川村 路代

【プロフィール】
  平成17年4月に採用。学術システム課目録担当、管理課図書受入担当を経て、利用支援課付医学部図書担当2年目(平成26年10月現在)

現在の仕事内容を教えてください

医学部図書館閲覧室

  私の仕事は主に医学部図書館のカウンター対応と文献の取り寄せ(ILL)です。

  熱心に勉強する学生のサポートをできることにとてもやりがいを感じます。医師国家試験への合格をバックアップするため、快適な「場としての図書館」をつくることは、医学部図書館の使命の一つです。そういった意味では本館・北図書館や他の学部の図書室よりもコンセプトがはっきりしていますね。

  教員は電子ジャーナルが充実してきたことにより、来館される方は多くありません。しかし北大で契約外の文献の入手依頼はとても多く、「サービスとしての図書館」はまだまだ必要とされていると実感しています。取り寄せた文献が、先生はもちろん、間接的には北大病院の患者さんの役に立っていると考えるとうれしく思いますね。

  医学部図書館のサービス対象は、学部生、大学院生、教員のほか、研修医や看護師、秘書、そして患者さんなど多岐に渡り、はじめは戸惑いました。が、これまでの部署と比べると利用者との距離が近く、何をすべきか見えてきやすいと感じています。

  例えば医学部の場合、文献複写を申し込むのは先生の代理である秘書のことがほとんどですが、文献の検索に苦労している方が多いようでした。そこで秘書さん向けの文献探索講習会を企画したところ、幸い好評をいただけ、「図書館の川村さん」と問い合わせをいただくことも増えてきました。これからもニーズやウォンツに応えた仕事をしていきたいですね。

ワーキング・グループ(WG)の仕事内容を教えてください

  北大図書館には若手・中堅職員を中心に課を横断したワーキンググループが存在します。私も現在3つのWGに参加しています。

留学経験のある学生へ
インタビューする様子

  そのうち新渡戸カレッジWGは、豊かな人間性・国際性を持った学生の育成を目的として北大でスタートした特別教育プログラム「新渡戸カレッジ」を、図書館でも支援するために組織されたものです。

  活動の中で私は留学経験者へのインタビューを行いました。留学を希望する在学生の参考になればと企画したインタビューでしたが、学生の話は職員の私にとっても「彼らのような学生のためにもっといい仕事がしたい!」と思わせるようなエネルギーにあふれていました。通常の業務では得がたい体験だったと思います。

  WG業務では、自分のアイディアが採用され形になることも多く、若手の職員にとって刺激になるのではないでしょうか。そのためにもこれから職員になる方には、自分の頭で考えるクセをつけ、それを他者に伝える技術を磨いてほしいですね。図書館の中で黙々と与えられた仕事をしている司書のイメージは、おそらくもう過去のものです。

  そして図書館職員である前に、北大の一職員であることも忘れてはいけません。大学全体の方針を理解する事や、学内の他部署と連携することもますます大切になってくると思います。

メッセージをお願いします

  図書館で働きたい理由は人により異なると思いますが、学習から研究まで幅広くサポートできるのが魅力の一つではないでしょうか?

  出張や研修も多く、意欲次第で学内・国内・海外で学ぶ機会が用意されています。大学や図書館を取り巻く状況が変化しつつある現在、就職後も学び続ける姿勢を持てるかどうかは重要だと考えます。全国の職員と知り合いになり志を同じくできるのも図書系の特徴と言えるかもしれません。

  結婚や出産を経ても生き生きと働き続ける先輩もたくさんいます。私も3歳児の母親として、周囲の理解をいただきながら育児と仕事を何とかこなす毎日です。

  最後に北大図書館を志望する方に申し上げたいのは、「図書館職員になって実現したいことを持っておいてください」ということです。長いキャリアの中では希望の部署に配属されないこともあると思います。それでも目の前の仕事に一生懸命取り組む傍らで、テーマについて学び続け、いつか時期を見極めて開花させることはできるはずです。仕事に対する意欲を維持し続けるためにも、ぜひ何か一つ芯と言えるような目標を自分の中で育ててください。そのうちどんな仕事をしていても自分のテーマに引きつけて物事を考えられるようになると思います。すると仕事がきっと楽しくなりますよ。

  学んだことはぜひ同僚とシェアしてください。勉強のための本や雑誌、データベースは豊富にあります。それも図書館のいいところですね!

  共に成長しながら楽しく働ける人をお待ちしています!

ある1週間の流れ

週明けは他大学から取り寄せた文献がたくさん届きます。到着処理をして秘書さんへお渡しします。
カウンターにて学生さんから「論文ってどうやって探すんですか?」と質問がありました。日本語の論文を探したいとのことだったので、医中誌Webを利用するよう案内し、本文入手や印刷の方法についてもケアします。
図書館の広報誌「楡蔭(ゆいん)」の編集WGがありました。学生に手にとってもらえる誌面づくりを目指して、メンバーでアイディアを出し合います。
事務室で「秘書さんのための文献探索講習会」を開催しました。「丁寧に教えてもらえてよかった」と感想をいただけて励みになります。
この日は午後から札幌医科大学で開催される日本医学図書館協会北海道地区の研修会へ参加します。このように医系図書館独自の研修もありますので、積極的に活用して学び続けたいと思っています。