library-news-2017
【2017年】
ソ連共産党国家文書の購入状況 [no.149(2017.6)より]
1995 年度に始まったチャドウィック・ヒーリー社から発売の、モスクワの3 つの文書館の文書を収録するマイクロフィルム«Archives of the Soviet Communist Party and Soviet State»の収集は、昨今の資料費の急減もあり、残念ながらこのごろは遅々として進みませんでしたが、最近、ある程度まとまった部分を購入できましたので、お知らせ申し上げます。
この春購入したのは、ロシア現代史文書保存研究センター(РЦХИДНИ, 1999 年にロシア政治・社会史国家文書館РГАСПИ に改組)のフォンド17 ソ連邦共産党中央委員会から、オーピシ2 中央委員会総会1918-1941 年分88 巻中の61 巻、同フォンド オーピシ86 書記局ビューロー1918-1934 年17 巻、同フォンド オーピシ109 国防関係文書集1917-1924 年24 巻、フォンド38 ロシア社会民主労働党第4 回党大会(1917 年)1 巻、フォンド58 ロシア共産党(ボ)第16 回党大会(1930 年)20 巻中の6 巻です。なお、フォンド58 については、すでに12 巻購入済みのため、残り1 巻となりました。
また、ロシア連邦国家文書館ГАРФ のフォンドr393 ロシア・ソヴィエト共和国内務省
1917-1931 年からは、オーピシ23A 中央民警局1920-1923 年の一部(88 巻中22 巻)と、同フォンド オーピシ43A 中央管理局秘密文書1921-1929 の一部(261 巻中13 巻)を購入しました。
このフォンド43A の最初のリールを開くと、朝鮮人団体関係の文書が集中しているようすで、よく調べると新しいことがいろいろ判るかも知れません。
これらのフィルムは、すでに整理を終えて、通常通り図書室で利用可能となっています。[兎内]
ジェームス・ギブソン教授より蔵書受贈 [no.151(2017.11)より]
本年、センター図書室は、カナダのヨーク大学名誉教授で、ロシア領アメリカの専門家と
して活躍された歴史地理学者ジェームズ・ギブソン氏から蔵書を寄贈いただくことになり、資料を詰めた段ボール50 箱が、8 月初めに到着しました。
ギブソン教授の蔵書は、1999 年度に北海道大学附属図書館の大型コレクションとして採択され、ロシア語、英語の基本文献から稀少資料までを含む2,544 冊が附属図書館に受入されたことがあります。
大型コレクションに採択されるしばらく前、シアトルで開かれた学会でお会いしたとき、
教授は大学を引退すると話していましたが、実は研究からは引退しておらず、2014 年に2 巻本の大きな史料集Russian California, 1806-1860 : A History in Documents をAshgate 社から刊行されたのには驚きました。推察するところ、今回寄贈いただいた資料はこの仕事のために使ったものと思われ、ロシア領アメリカに関する文献をかなり徹底的に収集されたことが明らかです。全部で1361 点におよぶ資料の中には、レメゾフのシベリア地図帖や、クルーゼンシュテルン世界周航記の付属図のそれぞれ精巧な復刻版、アメリカ国立公文書館の所蔵する露米会社文書のマイクロフィルム一式など、非常に高価なものまで含まれています。
かつて、教授は1981 ~ 82 年にスラブ研究センター外国人研究員として滞在され、当時の
スタッフと交流してたいへんよい思い出を残されているようで、18 年前に北大が蔵書を購入したことと併せて、今回の寄贈につながったものと思われます。
以上の経緯を踏まえ、図書室としてはギブソン教授の蔵書が将来的に最大限に活用される
ように作業を進めてまいります。[兎内]
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