シュミット文庫


シュミット文庫

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1891年ブランデンブルクのユータボークに生まれ、1977年にハイデルベルクで死去。19世紀末から20世紀初めのドイツの刑法学を代表したベルリン 大学教授フランツ・フォン・リストの下で、1914年学位を取得、1920年教授資格を取得した。1921年ブレスラウ大学教授に就任。その後、キール、 ハンブルク、ライプチヒ、ゲッチンゲン大学教授を歴任し、1948年からハイデルベルク大学に就任し、そこで停年を迎えた。
当初は、師のリストの『ドイツ刑法教科書』を改訂するなど刑法の業績が多いが、次第に刑事訴訟法の研究に移り、主著は、『ドイツ刑事司法史概説』 (1947年)『刑事訴訟法および裁判所構成法コメンタール』(1952-60年)。特に前者は、現在でもスタンダードワークとして評価が高い。もっと も、中世の糺問手続を拷問を中心とする過酷な手続だという見方は、最近批判を受けている。しかし、これは、単なる歴史叙述ではなく、ナチス時代のリンチの 横行する不法で過酷な刑事裁判に対する歴史研究を通じた、あるいはそのようにしてしか行えなかった批判・学問的抵抗の結実でもあって、歴史研究を超えて訴 えてくるものがある。
本文庫の蔵書は、こうした歴史研究を反映して、18世紀以前の書物も含まれている。また、フランスや、イタリア、イギリスの刑事法文献が数多くあるのも、一つの特色である。実証主義的にファクトを積み重ねてゆく教授の方法を反映する蔵書である。
Eberhard Schmidt
1891~1977