おすすめポイント [HOT TOPIC!(時事的なもの)] 推薦リスト
現在、30件登録されています。
  1. 推薦者 : 笠井 亮秀   (水産科学研究院・教員)

    自分の身近な場所ではどのような気象災害が起きるのか?

    47都道府県 知っておきたい気象・気象災害がわかる事典 / 三隅良平. - ベレ出版, 2020   北大ではどこにある?

     自分の住んでいる町,地元,ゆかりの場所ではどのような条件下にあり,どのような気象災害が起きるのか?また,これまでに起きたのかがわかる本。
    いざという時のために一度読んでみましょう。

    登録日 : 2021-01-14

  2. 推薦者 : 河合 剛   (外国語教育センター・教員)

    国策教育の破綻

    検証 迷走する英語入試――スピーキング導入と民間委託 / 南風原 朝和. - 岩波書店, 2018   北大ではどこにある?

     本書は大学入試における英語科目について述べているけれども、論理はさまざまな選考に適用できるので、諸君が将来人選するときに参考になろう。

     英語を読む・書く・聞く・話す能力(4技能)を高校で教えさせるため、大学入試に出題せよと文部科学省が命じた。試験の問題を作ったり、試験を実施したりするのは試験をなりわいとするプロにまかせろとの命令である。

     試験とは能力を測る道具。どのような能力を身につけるのが望ましいのだろうか。

     使える・通じる能力を求めるならば(自動車の運転免許のように)能力の閾値を上回れば合格(もしかすると全員入学...   [続きを読む]

    登録日 : 2019-03-04

  3. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター・教員)

    不愉快な、しかし有益な本

    介護する息子たち : 男性性の死角とケアのジェンダー分析 / 平山亮. - 勁草書房, 2017   北大ではどこにある?

     これを書いている僕は3月31日付けで北海道大学を退職する。理由は介護離職、つまりこの本の標題にもなっている「介護する息子」になるわけだ。この本は、そのような「介護する息子」になる前に参考とするべき点を調べようと思って読んだのだが、内容は全く違っていて、所謂ジェンダー社会学の立場から「介護する息子」たちが一見親の介護で苦労しているように見えながら、その背後には女性(配偶者や姉妹)からの支援や女性に対する差別やジェンダー的不均衡があるという可視性の低い問題点をこれでもかとばかりに暴き出す研究書だった。

     考えてみれば著者の平山氏は...   [続きを読む]

    登録日 : 2018-03-27

  4. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター・教員)

    やっぱり大学の未来は心配だ。

    Fランク化する大学 / 音真司著. - 小学館, 2016   北大ではどこにある?

    この本を「本は脳を育てる」に推薦することに対して旧帝国大学である“天下の北海道大学”の真面目な先生や優秀な学生から異論や批判が巻き起こるかもしれない。筆者自身も、この本に書いてあることは100%そのままであるとは思いたくないし、著者がやや大げさに書いている=「話を盛っている」面もあるかもしれないと思っている。しかし、他大学につとめる友人知人の現場の声を聞くと、ここに書いてあることを頭ごなしに否定することもできないと思う。そして、筆者自身が何より恐れるのは、―ここまでひどくないとしても―これらに近似する状況がここ数年の間に静かに北海道...   [続きを読む]

    登録日 : 2017-08-07

  5. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター・教員)

    それでも君はボランティアをするか?!

    ボランティアという病 / 丸山千夏著. - 宝島社, 2016   北大ではどこにある?

    ボランティアはいいことだと思っている人、実際にやってみたことはないが関わってみたいという潜在的な魅力を感じている人は少なくないと思われる。しかし、ボランティアが全て手放しで賞賛されるべきものかというとそうでもない。この本は、「ヤバい」ボランティア、あるいはボランティアの「ヤバさ」についていろいろと教えてくれる。内容には賛否両論あるだろうが、「善意」が無条件にもてはやされることに疑問を感じるなら、折角のボランティア参加が心ならずも不本意な結果に終わらないよう一度目を通しておいてもいいと思う。

    登録日 : 2017-08-04

  6. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター・教員)

    ネット空間で被害者にも加害者にもならないようにするために。

    ネット炎上の研究 : 誰があおり、どう対処するのか / 田中辰雄, 山口真一著. - 勁草書房, 2016   北大ではどこにある?

    この本は、インターネット上で発生するいわゆる「炎上」という現象を分析し、その実態と歴史(!)と対応策を分かりやすく述べている。特に最後の「付録 炎上リテラシー教育のひな型」では、高校生を対象として想定し、「炎上」の仕組みとそれに巻き込まれそうになったらどうするべきかを丁寧に説いてくれている。インターネットがこれだけ広範囲に利用されるようになった社会で安全に生活し、かつ自分が加害者にならないためにも読んでおくべき1冊である。

    登録日 : 2017-02-24

  7. 推薦者 : 駒川 智子   (教育学研究院・教員)

    企業はブラックだけじゃない!

    ホワイト企業 : 女性が本当に安心して働ける会社 / 経済産業省監修. - 文藝春秋, 2013   北大ではどこにある?

    女性の活躍に向けた取り組みを本気で進めている企業があります。女性が働きやすく活躍できる企業は、男性にとっても私生活を大切にできる企業です。進路を考える前に読んでみてください。

    登録日 : 2016-11-23

  8. 推薦者 : 敷田 麻実   (高等教育推進機構・教員)

    この難しい時代のグローバル化政策を学ぶ

    「文化」を捉え直す : カルチュラル・セキュリティの発想 / 渡辺靖. - 岩波書店, 2015   北大ではどこにある?

    グローバリゼーションは、国際社会とは関係がない私たちの日常にも影響する。こちらの都合や好き嫌いにかかわらず、勝手に影響してくるのがグローバル化であって、自治体が意図して進めていく国際化とは大きな差がある。大学の近くの保育園には、異なる国々の子供たちが通う保育園をよく見かけるが、地域が好んでインターナショナルスクールを誘致したのではない。立地する大学の教職員、留学生の影響で結果的にそうなったのだ。

     このようにグローバル化の中では、新しい文化が遠慮なく地域に入ってくる。しかしその一方で、固有の伝統文化の維持は難しくなってきてい...   [続きを読む]

    登録日 : 2016-11-20

  9. 推薦者 : 敷田 麻実   (高等教育推進機構・教員)

    君は、「面白い研究」をつまらなくプレゼンできないはずだ

    勝率2割の仕事論 : ヒットは「臆病」から生まれる / 岡康道. - 光文社, 2016   北大ではどこにある?

    岡はクリエイティブディレクターであり、またコマーシャルを作成するプランナーの肩書きを持つ。大手の広告代理店に勤めた後、仲間と独立し「TUGBOAT(タグボート)」(広告代理店)の代表を努めている。その岡が本書で強調するのは、「仕事の勝率は2割でよい」ということではない。岡が、クライアントの要求を超えて、彼らが気づいていない隠れた意図を提案したり、メッセージ性の強い仕事をしていると、結果的に勝率は2割になってしまうということだ。

     彼の仕事と研究者の仕事の共通点は、「人の金」を使って仕事をしていることである。彼らはクライアントの資金を使い...   [続きを読む]

    登録日 : 2016-11-20

  10. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター)

    この難しい時代をどう生きるか

    感情で釣られる人々 : なぜ理性は負け続けるのか / 堀内進之介. - 集英社, 2016   北大ではどこにある?

    去年から書店の本棚に“反知性主義”ということばを含む表題の本が並ぶようになってきた。国内・国外にわたって難しい問題が山積し、それらに対する処方箋がなかなか見つからない中で人びとのある種のいらだちのようなものが確かに感じられるし、それが時としてこれまでの価値観に対する破れかぶれの破壊衝動のように見える場合もあって、そのようなことばが現代社会の懸念すべき問題として本の表題になることは理解できる。しかし、その一方で、問題のあり方が様々に複雑化・多様化している世界の状況を“反知性主義”という術語で語ろうとするのもある種の“メタ・反知性...   [続きを読む]

    登録日 : 2016-08-20

  11. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター)

    「男対女」の構図をいかに乗り越えるか

    男子問題の時代?-錯綜するジェンダーと教育のポリティクス- / 多賀太. - 学文社, 2016   北大ではどこにある?

    ジェンダー、あるいは男女平等/差別の問題が語られるときにほぼお決まりになっているパターンとして「男は支配する側、女は支配される側」あるいは「男は加害者、女は被害者」という言説がある。日本の社会のかなりの部分でそれは当てはまるのかもしれないが、僕はこの見方には強烈な反発を持っている。それは、“日本語教師”という「女性8割、男性2割」の業界で働いてきた経験から、女性が多数者側になれば「女性は加害者、男性は被害者」という事態も容易に出現することを知っているからである。そのような意味で日本のジェンダー研究はまだ色々なことを考え直さなければ...   [続きを読む]

    登録日 : 2016-08-15

  12. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター)

    巧妙化・複雑化する戦争ビジネスを知る

    民営化される戦争-21世紀の民族紛争と企業- / 本山美彦. - ナカニシヤ出版, 2004   北大ではどこにある?

    戦争に関わる企業と聞くと、兵器・武器の製造売買を行う-古いことばで言えば-「死の商人」が思い浮かぶ。それはそれとして現在もあることに変わりはないが、この本を読むと、思いがけないところで思いがけない企業が、国家(この本で主題的に取り上げられるのはアメリカだが)の中枢部と結託して戦争の後方支援活動などに食い込み利益を上げていることが分かる。さらには、こうした企業が、アフリカなどの資源を保有する後進国で資源ビジネスに目を付けてに内戦=民族対立や紛争を煽っている構図までもが明らかにされる。民族紛争の解決と貧困の撲滅は間違いなく21世紀の世...   [続きを読む]

    登録日 : 2016-04-11

  13. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター)

    よりよい働き方をどう実現するか

    個人を幸福にしない日本の組織 / 太田肇. - 新潮社, 2016   北大ではどこにある?

    この本は、標題だけを見るとかつてのカレル・ヴァン・ウォルフレンの『人間を幸福にしない日本というシステム』の二番煎じのように見えてしまうが、内容は組織論あるいは経営制度論の観点から見た日本人の働き方/働かせ方の批判的考察である。これを読むと、企業も学校も芸能界も自治体も町内会も、およそ人が集まって作られる目的集団がいかに機能不全を起こしやすいかがよく分かる。筆者はその点について、かなり大胆な処方箋を提示してくれているが、欲を言えばもう少し突っ込んで対策を書いてくれるとより面白くなったと思う。自分の将来の仕事のあり方として会社勤め...   [続きを読む]

    登録日 : 2016-03-14

  14. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター)

    何もそこまで言わなくても…

    日本の大学に入ると、なぜ人生を間違うのか / 吉田良治. - PHP研究所, 2015   北大ではどこにある?

    日本の大学で教職に就いている人間から見ると神経を逆なでされるような表題であるが、それなりの面白さと説得力はある本である。著者は、アメリカの大学の「ライフスキル・プログラム」に足場を置いて、国際通用性に乏しいに日本の大学教育を容赦なく批判していく。この著者の議論は、見方によってはアメリカの大学に留学してアメリカかぶれになった人間の一面的な判断ということもできるが、とりあえず日本の大学教育が抱える問題を概観するには便利な書物であるのは間違いない。あとは読んだ人がそれなりにどう考え、実行するかである。

    登録日 : 2015-07-14

  15. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター)

    とりあえず元気になりたい人に。

    燃える闘魂 / 稲盛和夫. - 毎日新聞社, 2013   北大ではどこにある?

    正直に言えばこの本を「本は脳を育てる」に推薦するのは躊躇いがあった。こう書いている今も、図書館のA係長の困り切った表情が目に浮かんでくるようだ。それはそれで分かる。所謂典型的な日本の経営者のビジネス精神論だからだ。ビジネスは研究の対象になるが、精神論(或いは根性論)は研究の対象にはなり得ない。それでもなぜ推薦したかというと、最近の僕の周りの人間は教員も事務職員も学生も元気がない人たちが多いからだ。そういうときには”空元気”でいいから、とにかくテンションが上がる本を読みたい。そういうわけでここに推薦してしまった。

    ちなみに僕も...   [続きを読む]

    登録日 : 2015-07-14

  16. 推薦者 : 石橋 道大   (メディア・コミュニケーション研究院)

    「米軍基地の島」沖縄? 真実をまっすぐに見つめる

    沖縄の不都合な真実 (新潮新書601) / 大久保 潤 / 篠原 章. - 新潮社, 2015   北大ではどこにある?

    沖縄の米軍基地は長年住民を苦しめてきたといわれる。おどろおどろしい姿の軍用機が轟音をたてて飛び交う様がテレビで報道されている。しかし実際には基地周辺以外の地域や島では、軍用機の轟音を耳にすることは意外と少ない。市街地に近いため危険な普天間基地を辺野古という田舎に移転する政府の計画に対して、拳を天に突き上げて反対を絶叫する人々の姿がテレビで放送されている。ところが辺野古の住民の8割は移転を受け入れている。では反対を叫ぶ人々は、どこの人たちなのだろうか。テレビは反対を叫ぶ人々の姿は報道するが、辺野古の人々のことは報道しない。日本にあ...   [続きを読む]

    登録日 : 2015-05-11

  17. 推薦者 : 山崎 健一   (地球環境科学研究院)

    遺伝子デザイナーを目指す君に

    遺伝子デザイン学入門I / 山崎健一、伊藤健史. - 北海道大学出版会, 2012   北大ではどこにある?

    著者は2010年,北大の学部生チームを編成し,iGEM(生物ロボットコンテスト)2010(於:米国マサチューセッツ工科大学)への参加に挑戦し始めました。この国際大会への各国からの参加チームが標準として用いている遺伝子作製技術が,工学原理に基づいて構築されており,これに用いる遺伝子部品が質的にも量的にもすぐれていることに気付いた著者は,北大理系の新入生を対象として開講されている一般教育演習(フレッシュマンセミナー)の一メニューとして「遺伝子デザイン学入門」を開講し,そのテキストとしてこの本を使用しています。
    本書は高校で生物学をちゃんと勉強した学生なら理...   [続きを読む]

    登録日 : 2013-02-20

  18. 推薦者 : 河合 剛   (メディア・コミュニケーション研究院)

    think hard, act decisively

    カラー図解 ストップ原発〈1〉大震災と原発事故 (全4巻) / 新美景子. - 大月書店, 2011   北大ではどこにある?

    Japan lacks investigative journalism. Scientific journalism is almost as scarce. Read this series of 4 illustrated books for children. Familiarize yourself with the theory, history, objectives, advantages, and costs of nuclear energy. You may wonder why you knew so little before picking up these books.

    I vehemently oppose nuclear power plants. You may agree or disagree with me. Either way, you owe it to yourself and the world to learn all about the issue, particularly the aspects that the government and industry strive to hide.

    登録日 : 2012-01-11

  19. 推薦者 : 岸本 晶孝   (理学研究科)

    日本社会の病い

    まやかしの安全の国 / 田辺文也. - 角川SSC新書137, 2011   北大ではどこにある?

    去る3月11日の地震・津波による福島第一原発の事故は様々な疑問を投げかけます。事故の発生という事実に直面してからでは遅いといわれそうですが、原子力に携わる人々や事故に対処する政府関係者や事故の直接の当事者などの個人的資質にも疑念を呈したくなりますし、それを許容する社会の制度にも不信を抱かざるをえません。この本はそういう疑問に答えてくれそうですし、考えるきっかけを与えてくれそうです。以下、著者のあとがきより引用します。

    ・・・・・原子力のような巨大システムの安全確保に不可欠なのは、設備の運転や保守に携わる人のシステムに対する深い...   [続きを読む]

    登録日 : 2012-01-06

  20. 推薦者 : 中村 重穂   (国際連携機構国際教育研究センター)

    「大学」の行く末を考えたい人に

    学問の下流化 / 竹内洋. - 中央公論新社, 2008   北大ではどこにある?

    竹内洋の著書を既に何冊か読んでいる人が、その社会学的分析によって表題の「学問の下流化」という現象を理論的に解明し、その処方箋を論じたものであると期待して読むとやや肩すかしを喰います。これは別段否定的に評価しようというわけではなく、書評や短い評論の集成という書き方のスタイルに起因するもので、内容は広い意味での学問論や大学論を幅広く取り上げ、そのある種の病理的状況を竹内氏独特の切り口と語り口で捌いていくものになっています。「学問の下流化」そのものが全体的な主題とは言い難い面があるので、読み方によっては不満が残る面もあるかもしれませ...   [続きを読む]

    登録日 : 2009-06-23

  21. 推薦者 : 高井 潔司   (メディア・コミュニケーション研究院)

    研究や他者を批判することの厳しさを知る

    激辛書評で知る中国の政治・経済の虚実 / 矢吹晋. - 日経BP社, 2007   北大ではどこにある?

     本書は、中国関係図書に対する書評を通して、中国の政治・経済の実相を知るスタイルを取っている。台頭する中国をめぐってはさまざまな著作が出版されているが、ベストセラーとなっている本の中にも、偏見や憎しみに基づいて編集され、事実からかけ離れたものがある。著者は、生半可な書評ではなく、該博な知識と厳密な調査に基づいて、ベストセラーになった中国関係図書を解剖し、辛らつな批判を行っている。中国を理解するだけでなく、研究の厳しさ、他者を批判することの厳しさを教えてくれる。

    登録日 : 2007-07-28

  22. 推薦者 : 高井 潔司   (メディア・コミュニケーション研究院)

    全うな現代中国論

    臨界点の中国 / 藤野 彰. - 中国書店, 2007年   北大ではどこにある?

     巷にあふれている現代中国論、現実の中国から出発せず、中国脅威論や崩壊論、あるいはそれらとは対極の中国待望論がほとんどである。著者は、10年を超える中国特派員の経験と知識を活用し、中国全土を歩き回り、様々なレベルの中国人の声を集め、それを基礎に穏当な中国論を展開してている。地に足の着いた中国論である。好きであれ、嫌いであれ、日本の将来にとって、対中関係のあり方はますます重要になっている。そのためには、まず中国の実像をしっかり抑えておく必要がある。本書は極めて有用な視点と知識を提供してくれよう。

    登録日 : 2007-07-27

  23. 推薦者 : 岡田 敦美   (メディア・コミュニケーション研究院)

    グローバリゼーション研究の一人者による入門書

    グローバリゼーションとは何か―液状化する世界を読み解く / 伊豫谷登士翁. - 平凡社新書, 2002   北大ではどこにある?

    「グローバリゼーション」というとき、それは「国際化」とどう違うのか、そしてグローバリゼーション研究が、いかなる問題意識に立脚して、どのような現象を分析対象としてきたのかを知るうえで、最良の一冊です。
     キーワードは、たとえば国民国家の相対化、世界秩序、南北問題、多国籍企業、メディア、移民、労働市場・・・。アクチュアルな現象に関心がある人、開発援助に関心がある人は、是非読んでみましょう。

    第一章:グローバリゼーションの課題は何か、 第二章:時代としてのグローバリゼーション、 第三章:グローバリゼーションをマッピングする、 第四章...   [続きを読む]

    登録日 : 2007-06-25

  24. 推薦者 : 煎本 孝   (文学研究科)

    地域研究から人間性の探究へ。

    現代文化人類学の課題―北方研究からみる― / 煎本孝、山岸俊男(編著). - 世界思想社, 2007   北大ではどこにある?

    地球規模で進行する急激な変動の時代、北方文化を語ることは、単なる地域研究の枠を超えて、人類学が抱えている普遍的課題に立ち向かうことである。「人間とは何か」というテーマのもと、現代の文化人類学が直面する喫緊の問題を鋭くえぐり出す。

    詰論的展開 第1章 北方研究の展開/第2章 心の文化・生態学的基盤
    狂Φ罎亮匆馘役割 第3章 研究論理と先住民族アイヌの人権/第4章 北海道大学におけるアイヌ・北方文化研究とアイヌ新法の制定 
    恵狼經超問題と開発 第5章 人類の生態と地球環境問題―ポスト社会主義下におけるクジラの利用と保護/第6章 北方...   [続きを読む]

    登録日 : 2007-05-31

  25. 推薦者 : 煎本 孝   (文学研究科)

    心理学と人類学のコラボレーション

    集団生活の論理と実践―互恵性を巡る心理学と人類学的検討 / 煎本孝、高橋伸幸、山岸俊男(編著). - 北海道大学出版会, 2007年   北大ではどこにある?

    「心」とは何か。社会心理学による実験的アプローチと文化人類学によるフィールドワークによるアプローチ。人間の心の社会性の解明への挑戦。

    登録日 : 2007-03-27

  26. 推薦者 : 川島 真   (公共政策大学院)

    東アジアの歴史認識問題と対処案を知る一書

    国境を越える歴史認識 / 三谷博・劉傑・楊大慶編著. - 東京大学出版会, 2006年   北大ではどこにある?

    東アジアの歴史認識問題が大きな課題となっていますが、情緒的に結論を出すのではなく、なぜこれほどまでに歴史認識が異なるのか、そして具体的にどのように異なるのか、さらにではどうしていくべきなのか、ということについて記された一書。

    登録日 : 2006-08-30

  27. 推薦者 : 寺田 龍男   (メディア・コミュニケーション研究院)

    中国の超一流大学を紹介してくれる本

    中国の頭脳・精華大学と北京大学 / 紺野大介. - 朝日新聞社, 2006年   北大ではどこにある?

     この本を読むと、今でははやらなくなった「エリート」という言葉を思い出します。中国の若い秀才たちの学習ぶりはすさまじく、学部生段階でアメリカの大学から「ウチに(留学に)きてほしい」と声がかかるとも。日本の学生たちはこの点でまるで眼中にないとの指摘は正直耳が痛い。「だから北大生もがんばれ」というまえに、自分の研究・教育レベルをどうしたら上げられるかと考えてしまった。
     ただし、この本に書かれているのは巨大な中国社会の一面に過ぎません。中国の大学(すべて国立、約1000校)にも(著者によると)「ピンからキリ」まであり、中には大学とは呼べ...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-08-01

  28. 推薦者 : 隅田 明洋   (低温科学研究所)

    生態系や地球環境が維持されるシステムの理論科学を数式を使わずに概説

    持続不可能性 : 環境保全のための複雑系理論入門 / サイモン・レヴィン著 ; 重定南奈子, 高須夫悟訳. - 文一総合出版, 2003.10   北大ではどこにある?

     地球環境が今後どのように変化していくのかについては様々な情報が利用可能である。しかし、なぜそう考えられるのか、を知るための科学的な基礎知識は、専門家以外には得られにくい。その科学的な基礎知識のひとつは、「複雑系」に対する理解である。
     本書は、人間を含む多くの生物とそれをとりまく物理環境とで構成される「複雑系」がどのように成り立ち、関係しあい、維持されるか、について解説し、複雑系への理解が地球環境問題の解決に不可欠であることを教えてくれる一般書である。おそらく高校までの学習では得られない新たな科学的思考をインスパイアしてくれる...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-02-10

  29. 推薦者 : 隅田 明洋   (低温科学研究所)

    地球環境問題を題材にしたスリラー小説

    State of fear / Michael Crichton. - HarperCollins, 2004   北大ではどこにある?

     もしあなたが地球環境問題をとりまく科学と政治的問題について興味があるなら、しかし専門書を読むほどパワーがあるわけではないなら、そしてついでに英語の勉強もしたいなら、この本を推薦する。著者はジュラシックパークやTVシリーズERで有名なマイケルクライトンである。素人目で見るといかにも書かれてあることが本当らしく見えるが内容はもちろんフィクションである。しかし、小説中に引用されている、科学専門誌恐怖の存在』も出ています。(北分館2008/03/07) 

    登録日 : 2006-02-09

  30. 推薦者 : 河野 敬一   (理学研究科)

    君の未来は全てDNAによって決まっていると思いますか?

    遺伝子と運命 : 夢と悪夢の分岐点 / ピーター・リトル著 ; 美宅成樹訳. - 講談社, 2004.12   北大ではどこにある?

     人のゲノムの全配列が決まりました。クローン人間を作ることも技術的には可能です。病気になりやすさを決める遺伝子、性格を決める遺伝子、いろいろなものが次々発見されています。君という人間はDNAで全て決まっているのでしょうか?努力しても無駄なのでしょうか?この本では、分子遺伝学者である著者が難解な専門用語を使わず、これらの疑問に答えてくれます。未来における架空の二人の女性の全く異なる運命をSF調に描くことから始まり、私たちの遺伝子と運命の関係を科学的に解き明かしてくれる異色の読み物です。

    目次
    1.夢と悪夢
    2.なぜヒトはみな違って...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-01-20

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