| |
この本を読むと、今でははやらなくなった「エリート」という言葉を思い出します。中国の若い秀才たちの学習ぶりはすさまじく、学部生段階でアメリカの大学から「ウチに(留学に)きてほしい」と声がかかるとも。日本の学生たちはこの点でまるで眼中にないとの指摘は正直耳が痛い。「だから北大生もがんばれ」というまえに、自分の研究・教育レベルをどうしたら上げられるかと考えてしまった。
ただし、この本に書かれているのは巨大な中国社会の一面に過ぎません。中国の大学(すべて国立、約1000校)にも(著者によると)「ピンからキリ」まであり、中には大学とは呼べないようなところもあるとのこと。さらに大学予算の半分(!)を精華大学だけで独占する政策をとる一方、全国レベルでは教育の機会均等がいまだに実現していないのも現状です。
読んでいる最中は驚きの連続、読んだ後はいろいろなことを考えさせてくれる本です。 |