歴史に分け入る/世界を知る «地理» 一つ上のジャンルへ
現在、3件登録されています。
  1. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    技術者によるアイヌ語地名の解読の大著

    アイヌ語地名の研究 : 山田秀三著作集 / 山田秀三著. - 草風館, 1982   北大ではどこにある?

     アイヌ語など聴いたこともない著者が、新設の化成工場長として登別へ赴任して以来、アイヌ語地名の研究でそれまでの誰よりも大きな足跡を残す。化学技術者としての基本、すなわち実証主義に徹していたからである。
     気になるアイヌ語地名があると、現地へ足を運び、必ず地形を観察しスケッチに残し、現地の人々から地名の生活上での使われ方を学び、似た地名と比較し、共通点と差異を洗い出す。自分の調べた結果を持って、金田一春彦や知里真志保といった大家を、大学者とも知らずに訪ねる。
     失われたと思われていることでも、意外なところにカケラは残っている。科学...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-02-23

  2. 推薦者 : 加藤 博文   (文学研究科)

    生きている自然に出会うための本

    イニュニック : 生命 : アラスカの原野を旅する / 星野道夫[著]. - 新潮社, 1993.12   北大ではどこにある?

     ヒトは、旅をすることに特徴をもつ動物「ホモ・モビリタス」であるという人がいる。確かに、見知らぬ土地を訪れて、これまで新たな出会いの中から未知のものに出会うことは大いに刺激的なことである。ヒトは自らが知らないということに気づくことに驚きとともに好奇心を刺激され、知りたいという新たな欲求を得るのである。
     大学も新たな出会いと未知の領域を教えてくれる場所であるが、それ以上に無尽蔵の可能性を秘めた空間がフィールドである。私たちを旅立たせてくれるきっかけとなる本と出会えることは、さらに素敵なことである。
     一冊の本を紹介したい。
     一...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-02-22

  3. 推薦者 : 寺田 龍男   (メディア・コミュニケーション研究院)

    疲れた時、めげている時におすすめ

    何でも見てやろう / 小田実著. - 河出書房新社, 1969   北大ではどこにある?

     日本人がまだ自由に海外旅行をできなかった当時、英語が話せないにもかかわらずフルブライト奨学金の試験に合格して、米国をはじめ世界各地で体験したこと・考えたことをつづった名著。あふれんばかりのヴァイタリティで困難を乗り越え、さまざまな事象を鋭い観察眼で分析した著者に、今でも感心しています。
     初めて読んだのは高校一年の時、地理の先生に薦められたのが理由でしたが、当時は著者の年齢(まだ20代)に近かったにもかかわらずさっぱりわかりませんでした。私自身が50に近くなった今、ますます面白くなってきた不思議な本でもあります。

    登録日 : 2006-02-03

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