東洋史 一つ上のジャンルへ
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- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
モンゴルの魅力に近づくために
草原の革命家たち : モンゴル独立への道 / 田中克彦著. - 中央公論社 , 1990
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この「本は脳を育てる」の過去の推薦文に何回か書いたことであるが、僕は1990年代にエジプトに赴任していた。だが、最初に赴任先候補地としてあげられたのは、実はモンゴルであった。それがどこかでどうにかこうにかなってエジプトに落ち着いた(?)のであるが、今でも時々、あのときモンゴルに行っていたらどうなっていただろうかと思うことがある。今は、モンゴルと言えば相撲の世界が思い浮かぶだろうが、多くの日本人の間でこの国の歴史と現在の姿は意外に知られていないと言ってよいだろう。この本は、モンゴルが中国、ソヴィエトという巨大な国に挟まれて―しかもここ... [続きを読む] |
登録日 : 2017-08-04
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
日本人はアジアとどう向き合ってきたか
日本とアジア / 竹内好著. - 筑摩書房 , 1993
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これは、竹内好という稀代の中国文学者の手になるすぐれた日本、及びアジア研究の書である。初版が刊行されてから50年以上が経過しているが、そこに示される分析(あるいは同時代思想批判の)の観点には今なお学ぶものが多くある。中国、アジアだけでなく、というよりむしろ欧米社会・文化に関心を持つ人にこそ読んでほしいと思う。特に「二つのアジア史観」、「方法としてのアジア」は人文社会科学を勉強する上で貴重な示唆を含んでいる。 |
登録日 : 2017-08-04
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
「東洋」と「西洋」とは何か、あらためて考える。
東洋意識 : 夢想と現実のあいだ1887-1953 / 稲賀繁美編著. - ミネルヴァ書房 , 2012
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学問―特に人文科学―の世界に於ける「東洋-西洋」という枠組み或いは二分法は、実は相当にうさんくさい。そのうさんくささを“学問的に”剔抉したのは言うまでもなくエドワード・サイードの『オリエンタリズム』だったが、そのとらえ方自体が西洋的な学問世界の中で一定の権威になってしまうという戯画的な状況が生まれ、相変わらず「東洋-西洋」という枠組みをめぐる思索は混迷している。今回推薦する本は、編著者の稲賀氏自身が書いているように「『東洋』と呼ばれる―あるいは時代遅れとな... [続きを読む] |
登録日 : 2017-02-17
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
台湾のエスニシティーを理解するために
族群:現代台湾のエスニック・イマジネーション / 王甫昌. - 東方書店 , 2014
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台湾の社会学者・王甫昌先生の著作の日本語訳。つい先日刊行されたもの。原題は王甫昌(2003)『當代台灣社會的族群想像』臺北:群學。台湾の高校生、大学1・2年生向けに行った授業をベースにして書かれたもので、非常にわかりやすい説明である。
族群(エスニシティー)概念の説明から、台湾の「四大族群」(閩南人/客家人/外省人/原住民(先住民))の説明、そして「四大族群」がどのようにして現在のような「四大族群」になったのかを解説している。族群が族群たる根拠・正当性といった、族群の内実を述べるのではなく、族群自体が歴史的・文化的・社会的条件によって可変的... [続きを読む] |
登録日 : 2015-02-20
学習に最適
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
日本の未来を考える視点はどこにあるのか
日本 / 姜尚中・中島岳志. - 河出書房新社 , 2011
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著者二人の対談であるこの本は、僕なりの理解でまとめると「国家権力に絡め取られない自分のあり方をどう構築するか」という問題意識で貫かれており、それを、過去の歴史的文脈も振り返りながら徹底して論じようとしたものである。その基盤をなす発想は「パトリ」(故郷、郷土、あるいは根拠地といったもの)であり、熊本出身の在日韓国人二世である姜氏と大阪出身の中島先生がそれぞれの「パトリ」を意識しつつ、国家権力、あるいはその表象としての「東京」を挟撃するといった展開となっている。読者はそれぞれの「パトリ」に応じてこの対談にさまざまな共感や反発を感じ... [続きを読む] |
登録日 : 2015-01-19
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
台湾における「日本語世代」「日本語人」の戦後の人生
台湾アイデンティティー (DVD) / 酒井充子. - マクザム , 2013
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同監督のドキュメンタリー『台湾人生』の姉妹編とも言うべきドキュメンタリー作品。『台湾人生』同様、戦前の台湾に生まれ戦前の教育を受けた「日本語世代」「日本語人」たちへのインタビュー記録。本作では特に戦後における「日本語世代」「日本語人」たちのライフコースが語られます。戦後日本に残った人、戦地ジャカルタに残った人、戦後台湾の白色テロを受けて監獄生活を送った人など、様々な人生が語られます。
※図書館注:『台湾人生』も所蔵しています。(ID:2001522597) |
登録日 : 2014-12-26
名著
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
残留日本兵の包括的な社会史
残留日本兵──アジアに生きた一万人の戦後── / 林英一. - 中央公論新社 , 2012
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台湾の日本統治時代関係の調べものをしている中で読んでみた作品。戦後アジア各地に残った日本兵たちのライフコースを、膨大な日記・ルポルタージュ・映像作品から網羅的に取り上げ、その全貌を描いた歴史モノグラフ。地域別に章立て、さらに章の中では出身階層別に分類するなど様々な工夫が凝らされている。残留日本兵という言葉からは横井庄一氏や小野田寛郎氏がイメージされるが、むしろそうした人々は本書からすれば例外的なのかもしれない。非常に興味深い作品であった。 |
登録日 : 2014-10-16
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
日本統治時代台湾の女性史
近代台湾女性史 : 日本の植民統治と「新女性」の誕生 / 洪郁如. - 勁草書房 , 2001
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日本統治時代の台湾の女性史の研究。著者の博士論文をまとめた本。纏足解放、女子教育、女性運動、「新女性」のライフスタイルなどが丹念に検討されている。個人的には女子教育を社会階層の視点から分析しているのがとても興味深かった。
たとえば、1920年代の新女性とその夫からなる核家族において、新女性は家事労働をさほど担わなかったというところが面白い。台湾の高等女学校では、近代的知識を伝授するとともに良妻賢母的な教育(料理・礼儀作法・伝統芸能)などを伝授されていたのだが、結婚後の日常生活において家事に関する技能はさほど生かされなかったよう... [続きを読む] |
登録日 : 2014-10-15
名著
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
台湾と沖縄(特に八重山諸島)の交流を知る
知られざる南の国境 : 八重山・台湾 (DVD) / 北海道大学グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」企画. - 北海道大学グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」 , 2011
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北海道大学グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」がHBCと協同で作成したドキュメンタリー作品。
戦前、さらにはそれ以前の時代において台湾と沖縄(特に石垣・与那国などの八重山諸島)は互いに密接な交流のある地域でした。たとえば戦前では八重山諸島出身者が進学する際には内地ではなく台湾の旧制中学・旧制高校・女学校・台北帝国大学などに進学することは決して珍しくありませんでした。また漁獲物を台湾の市場で売るということも行われました。台湾から八重山諸島に移住したり、逆に八重山諸島から台湾に移住するという人もいました。本作品は比較的高齢の人... [続きを読む] |
登録日 : 2014-10-15
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
台湾映画の名作
登録日 : 2014-10-13
名著
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
台湾の「日本語世代」「日本語人」の語り
台湾人生 (DVD) / 酒井充子. - 協映 , 2008
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戦前の日本統治時代に生まれ、日本統治時代の教育を受けたいわゆる「日本語世代」「日本語人」と言われる人々へのインタビューを収録したドキュメンタリー作品。「どのようなライフコースを歩んできたのか」「日本統治時代にどのような暮らしを送って何を考えてきたのか」「戦後どのような人生を歩んできたのか」など、興味深い話が収録されています。台湾、植民地経験に関心のある人のみならず、社会学・心理学・文化人類学などにおける質的研究・定性的研究に関心のある人にも大いに参考になる作品ではないかと思います。本作品をもとにしたルポルタージュも出版されてい... [続きを読む] |
登録日 : 2014-10-13
名著
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
より学術的な台湾の入門書
登録日 : 2014-09-14
学習に最適
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
人びとの日常から台湾を学ぶ
登録日 : 2014-09-14
学習に最適
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
気軽に読める現代台湾の概説書
現代台湾を知るための60章(第2版) / 亜洲奈みづほ. - 明石書店 , 2012
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明石書店の地域研究シリーズの1冊。1章4~6ページの分量で、政治・経済・教育・文化・宗教・日台関係など様々なトピックを60章で紹介しています。内容も現代台湾に関する読み切り型のエッセイ・ルポルタージュ風のものが多いため、興味をもった箇所から気軽に読むことができます。現代台湾に興味をもったらまずは本書を手に取ってみると良いでしょう。 |
登録日 : 2014-08-27
学習に最適
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
台湾における日本統治時代の経験・感情とは?
登録日 : 2014-08-17
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
台湾における植民地経験をフィールドワーク、史資料分析から重層的に読み解く!
台湾における<植民地>経験─日本認識の生成・変容・断絶 / 植野弘子・三尾裕子編. - 風響社 , 2011
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台日本統治時代を肯定的に評価するという意味でしばしば「親日的」という言葉で語られる台湾。本当にイメージ通りなのでしょうか?あるいは「親日的」だとすればそれはどのような意味で「親日的」なのでしょうか?本書は台湾における植民地経験、植民地時代への感情をフィールドワークや史資料を通じて多面的に論じています(姉妹編あり)。歴史社会学・文化人類学・歴史社会学・地域研究の重要書です。 |
登録日 : 2014-08-17
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
東ユーラシア世界に目を開く
「シベリアに独立を!」-諸民族の祖国(パトリ)をとりもどす- / 田中 克彦. - 岩波書店 , 2013
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推薦者の義父は戦後シベリアで抑留生活を送った。そのことについて推薦者には何も語らずに亡くなったが、そこでの苦労は並大抵のことばで語れるものではなかったようである。シベリア、と聞けば推薦者も含めてかなりの日本人は戦後のシベリア抑留のことを、あるいはまた天然ガスパイプラインを、さらには水野晴郎の映画『シベリア超特急』を思い浮かべるかと思うが、この本で描かれるのは、そうしたイメージとは異なる自然豊かなシベリアで独立運動を戦い抜いたポターニンという人物の生涯である。そのまわりには、ドストエフスキーやバクーニンをはじめ、アイヌ語研究で有... [続きを読む] |
登録日 : 2014-03-08
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 清水賢一郎 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
日中関係の近代美術における交流
登録日 : 2007-12-20
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 清水賢一郎 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
現代中国を代表する哲学者による回想録
登録日 : 2007-12-18
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 清水賢一郎 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
現代中国理解のために
近代中国の政治文化 : 民権・立憲・皇権 / 野村浩一. - 岩波書店 , 2007
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改革開放の進む中国では近年、魯迅と同時代に活躍した現代中国を代表する知識人・胡適の研究がますます盛んになっているが、日本では残念ながらあまり注目されていない。その胡適を中心に近代中国における「自由主義」の位置づけを試みた第三章は本書の圧巻で、現代中国理解のためにも一読に値する。 |
登録日 : 2007-12-06
ぜひ読んでみてほしい
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