鍋島 孝子 推薦リスト
現在、4件登録されています。
  1. 推薦者 : 鍋島 孝子   (メディア・コミュニケーション研究院)

    市民が作る国際政治

    地球時代の国際政治 / 坂本義和. - 岩波書店, 1990年   北大ではどこにある?

     国際政治とは、強い国家が国益のためにやりたい放題する状態だと思っていませんか。確かにそういった面は否定できません。しかし、著者は世界が核兵器の脅威に直面している中、市民の力で国際政治の構造が変動する可能性を示唆しています。
     決して安易な理想主義ではなく、市民と国家、国際社会の在り方について冷徹に検証しています。

    登録日 : 2007-05-31

  2. 推薦者 : 鍋島 孝子   (メディア・コミュニケーション研究院)

    人種差別の狂気と現実

    ビーコウ、アパルトヘイトとの限りなき戦い / ドナルド・ウッズ. - 岩波書店, 1990年   北大ではどこにある?

     スティーヴ・ビーコウは南アフリカの反アパルトヘイト黒人活動家。逮捕され、拷問の後、虐殺死してしまいました。白人ジャーナリスト、ドナルド・ウッズはビーコウと友情を育んだため、黒人協力者として当局から狙われ、家族とイギリスに亡命を余儀なくされました。
     亡命後、ビーコウの自由を求める情熱、揺るきない思想、正義感、人懐っこい性格などを全世界の人々に伝えるために発表したのが同書です。1987年、リチャード・アッテンボロー監督の「遠い夜明け」の原作でもあります。
     閉塞感あふ...   [続きを読む]

    登録日 : 2007-03-19

  3. 推薦者 : 鍋島 孝子   (メディア・コミュニケーション研究院)

    シングルマザーの人類愛

    魅せられたる魂 全5巻 / ロマン・ロラン. - 岩波文庫, 1954-1956, 1989年   北大ではどこにある?

     ロマン・ロランは20世紀のフランス人作家で、平和活動家。現在ではほとんど読まれなくなってしまいましたが、かつてはそのヒューマニズムに感激した読者が世界中にいました。
     「魅せられたる魂」とは人を愛することに魅了され、愛し抜く人間のこと。主人公は裕福なフランス人女性でしたが、未婚の母となり、社会の様々な局面を生きることになります。
     「大河小説」とはロランの造語。社会の偏見や戦争、イデオロギーの対立の中で個人の精神性が成長していく様を鮮やかに描いています。特に、傷ついた敵の兵士をかばって民衆に立ちはだかる姿は圧巻です。
     そんな国境...   [続きを読む]

    登録日 : 2007-02-24

  4. 推薦者 : 鍋島 孝子   (メディア・コミュニケーション研究院)

    自分も虐殺に荷担してしまうかもしれない

    イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告 / ハンナ・アーレント. - みすず書房, 1969年   北大ではどこにある?

     アドルフ・オットー・アイヒマンはナチス・ドイツの元親衛隊中佐。強制収容所にユダヤ人を組織的、且つ大量に送り込みました。戦後、逃亡の末、捕らえられ、イスラエルで人道に反する罪に問われて裁判を受けました。
     著者ハンナ・アーレントはユダヤ系の思想家。アイヒマンの裁判を通じて、平凡な人が国家の命令に従い、いかに蛮行に至ったかを論じています。読者は個人のモラルとは、組織とは、国家の統制とは何かと考えさせられるでしょう。
     皆さんは将来、御自分が所属する社会に押しつぶされそうになったとき、どうしますか。良心から反対できますか。それとも流...   [続きを読む]

    登録日 : 2007-02-24

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