小川 泰寛 推薦リスト
現在、3件登録されています。
  1. 推薦者 : 小川 泰寛   (メディア・コミュニケーション研究院)

    狩りの観点からなされた西欧文明批判の書

    人はなぜ殺すか : 狩猟仮説と動物観の文明史 / マット・カートミル著 ; 内田亮子訳. - 新曜社, 1995   北大ではどこにある?

     狩りの観点からなされた西欧文明批判の書。
     西欧文明において、動物は征服されるべき自然の一環とみなされた。受難は必至だった。これが著者の論点。創見ではないにもせよ、独自の説得力がある。というのも、本書では犠牲になる動物に目線が置かれているからである。
     本書で展開されているのはしかし、本質的には人間論である。端的に言えば、人はなぜ何の罪もない動物を慰みに狩るのか。邦題に謳われているように、そもそも「人はなぜ殺すか」。この重い問いが終始省察されている。
     生物人類学と解剖学が著者の専門。ただ、本書には西洋古典学、神学、精神分析学...   [続きを読む]

    登録日 : 2008-08-25

  2. 推薦者 : 小川 泰寛   (メディア・コミュニケーション研究院)

    ニュルンベルク裁判の記録映像

    ニュルンベルク裁判 : 裁かれたナチス戦争犯罪の真実 (DVD) / . - 丸善, 2006   北大ではどこにある?

     1945年から1946年にかけ敗戦国ドイツで行われた国際軍事法廷の記録映像。被告のナチス戦犯には四つの罪が帰せられた。そのうち刮目すべきは、「人道に対する罪」。主として、ナチスがヨーロッパ・ユダヤ人に対し犯した凶悪な犯罪行為が念頭に置かれていた。本ドキュメンタリーは取分け、この罪が裁かれる模様を伝えている。
     史上類を見ないナチズムの悪行が見過ごされ、繰り返されるようなことになれば文明は滅ぶ。米主席検察官による冒頭の論告には、説得力がある。ニュルンベルク裁判では勝者が敗者を裁いた。「人道に対する罪」にしても、新たに案出されたものである。...   [続きを読む]

    登録日 : 2007-12-21

  3. 推薦者 : 小川 泰寛   (メディア・コミュニケーション研究院)

    シェイクスピア劇全37作のテレビ映画!

    シェークスピア全集 DVD 全37巻 (DVD) / BBC. - Telesis International, 2007   北大ではどこにある?

     英国の主要なメディアBBCはシェイクスピア劇全37作をテレビ映画として制作した。着手は1978年。完結したのは1985年。文化的に意義深い試みとして、好意的に評価されたように記憶している。わが国では、NHKで放送され、ビデオが市販されもした。ただ、ビデオはもはやあまりに古く、映像の劣化が甚だしい。ほぼすべてのタイトルが閲覧に堪えない、というのが現実である。死に体同然と言って過言でない。
     そのような中、DVD化を通し本企画が蘇生したのは朗報である。
     BBCシェイクスピア、全タイトル粒ぞろいの逸品とは、言い難い。困ったことに、主要なシェイクスピア劇で完成度...   [続きを読む]

    登録日 : 2007-12-19

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