狩りの観点からなされた西欧文明批判の書 |
タイトル(書名) | : |
人はなぜ殺すか : 狩猟仮説と動物観の文明史 |
著者 | : |
マット・カートミル著 ; 内田亮子訳 |
出版者 | : |
新曜社 |
出版年 | : |
1995 |
ISBN | : |
4788505371 |
北大所蔵 | : |
北大所蔵1 北大所蔵2 |
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推薦コメント |
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狩りの観点からなされた西欧文明批判の書。
西欧文明において、動物は征服されるべき自然の一環とみなされた。受難は必至だった。これが著者の論点。創見ではないにもせよ、独自の説得力がある。というのも、本書では犠牲になる動物に目線が置かれているからである。
本書で展開されているのはしかし、本質的には人間論である。端的に言えば、人はなぜ何の罪もない動物を慰みに狩るのか。邦題に謳われているように、そもそも「人はなぜ殺すか」。この重い問いが終始省察されている。
生物人類学と解剖学が著者の専門。ただ、本書には西洋古典学、神学、精神分析学、英米文学といった人文系の学問についての深い知識も随所にうかがわれる。紛れもなく、知の理想的なありようの一つがここにはある。
原典は英書。英語は明澄で典雅。参考までに挙げておきたい。
Matt Cartmill, “A View to a Death in the Morning : Hunting and Nature through History” (Cambridge, Mass. Harvard University Press, 1993)
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