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推薦者 : 佐藤 淳二 (文学研究科)
ロマン主義の怒濤をいかにして21世紀のうちに始末できるのか?
Oeuvres complètes de Victor Hugo / Victor Hugo. - Robert Laffont,
北大ではどこにある?
(Théâtre 1&2, Romans 1,2,3, Politique, Critique, Histoire , Voyages, Poésie 1,2,3, Océan, Chantiers, Correspondance familiale et écrits intimes 1&2 計15冊)
フランスの19世紀の国民詩人と言えばユゴーだ。幅広い人気をいまだに保ち、フランス文化の土台の一つになっている。「ブカン」叢書の15冊は、現代人に接近しやすく、古い大全集のいかめしさに比べるとぐっと身近だろう。といってもフランス語だから、日本では読者も限られている。しかし、敢えて推薦したい。フランス語をいくらかでもやったら、これほどまでに激しい才能の迸り、ほとんど怒濤とも咆哮ともいえる天才の活躍にすこしでも触れたいものである、... [続きを読む] -
推薦者 : 佐藤 淳二 (文学研究科)
21世紀の人間は、ポスト・マラルメ主義者とならねばならない!
詩・イジチュール / マラルメ. - 筑摩書房, 2010
北大ではどこにある?
ポスト・マラルメ主義とは何か? それは「従って」を切断する戦いの行動原則であり、革命理論である。しかし、その理論はまだその全容を現してはいない。若い世代がそれを実現していくことを期待されているのだ。
その来るべき理論は、原因理由を表す接続詞で繋がる連鎖を革命的に断ち切り、世界を原因結果の連鎖、必然性の連関から解放する文化的政治的運動原理とならねばならない。それがポスト・マラルメ主義の根幹でなくてはならない!
「従って」は、われわれのあらゆる認識、文化、ひいては科学を形成する根幹の装置であるが、ここに爆薬を仕掛けた危険きわまりない... [続きを読む] -
推薦者 : 佐藤 淳二 (文学研究科)
モーツァルトを思考しよう!
モーツァルト22 DVDボックス / . - ドイツグラモフォン,
北大ではどこにある?
モーツアルトは、「感覚」で聴ける代表的な「天才音楽家」として受け取られてきたし、現に、「心で感じればいいんです、モーツァルトの音楽は!」というたぐいの、愚かな言葉たちによって、モーツァルトの思考は踏みにじられ続けている。植物さえもモーツァルトを流していれば生育がいいように、われわれの「脳」モーツァルトによって育つという虫のいい話が、まことしやかに流通している。
そうではない! モーツァルトの残したオペラを見るならば、そこに疑いもなく、鋭利な人間観察と皮肉な知性、そして何よりも深い無意識的とも言える世界への探求が、見ようと思う者... [続きを読む] -
推薦者 : 佐藤 淳二 (文学研究科)
21世紀はドゥルーズの時代だ そしてもはや我々は21世紀に生きている
差異と反復 / ジル・ドゥルーズ〔著〕 ; 財津理訳. - 河出書房新社, 1992.11
北大ではどこにある?
この時代を生きるのに欠かせない地図が何枚かある。
たとえばデリダの『エクリチュールと差異』やドゥルーズの『差異と反復』はそのような地図であり、またドゥルーズとガタリが組んだ『カフカ』『アンチ・オイディプス』『