推薦者: 佐藤 淳二
所属: 文学研究科

モーツァルトを思考しよう!

タイトル(書名):
モーツァルト22 DVDボックス
著者:
出版者:
ドイツグラモフォン
出版年:
ISBN:
北大所蔵:
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推薦コメント

モーツアルトは、「感覚」で聴ける代表的な「天才音楽家」として受け取られてきたし、現に、「心で感じればいいんです、モーツァルトの音楽は!」というたぐいの、愚かな言葉たちによって、モーツァルトの思考は踏みにじられ続けている。植物さえもモーツァルトを流していれば生育がいいように、われわれの「脳」モーツァルトによって育つという虫のいい話が、まことしやかに流通している。

そうではない! モーツァルトの残したオペラを見るならば、そこに疑いもなく、鋭利な人間観察と皮肉な知性、そして何よりも深い無意識的とも言える世界への探求が、見ようと思う者には見えてくる。
一例だけあげよう。
モーツァルトは「神の子」と呼ばれる早熟の天才だったが、あらゆる神童がそうであるように、教育に過剰に熱心な親(モーツァルトの場合、ステージパパたるレオポルド)の強大な影響力に圧迫されていた。だから、彼のオペラには「父たち」が姿を変えて何度も登場してくる。『モーツァルト:歌劇《皇帝ティートの慈悲》 (ザルツブルク音楽祭2003)
ティート…ミヒャエル・シャーデ/セスト…ヴェッセリーナ・カサロヴァ/ヴィテッリア…ドロテア・レッシュマン/アンニオ…エリーナ・ガランチャ/セルヴィリア…バーバラ・ボニー/プブリオ…ルカ・ピサローニ
アーノンクール指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 演出:マルティン・クシェイ

※推薦者のプロフィールは当時のものです。