下澤 楯夫 推薦リスト
現在、7件登録されています。
  1. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    技術者によるアイヌ語地名の解読の大著

    アイヌ語地名の研究 : 山田秀三著作集 / 山田秀三著. - 草風館, 1982   北大ではどこにある?

     アイヌ語など聴いたこともない著者が、新設の化成工場長として登別へ赴任して以来、アイヌ語地名の研究でそれまでの誰よりも大きな足跡を残す。化学技術者としての基本、すなわち実証主義に徹していたからである。
     気になるアイヌ語地名があると、現地へ足を運び、必ず地形を観察しスケッチに残し、現地の人々から地名の生活上での使われ方を学び、似た地名と比較し、共通点と差異を洗い出す。自分の調べた結果を持って、金田一春彦や知里真志保といった大家を、大学者とも知らずに訪ねる。
     失われたと思われていることでも、意外なところにカケラは残っている。科学...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-02-23

  2. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    邪悪と勇気

    平気でうそをつく人たち : 虚偽と邪悪の心理学 / M・スコット・ペック著 ; 森英明訳. - 草思社, 1996.12   北大ではどこにある?

     人間は一人では生きられず、言葉と行動を通して多くの他個体と相互作用し、社会構造をつくり出し、その中で生きる生物である。その中では、弱い人間を助ける作用も重要な性質(心)として保存される。しかし、作り出された社会構造や機能にただ乗りして生きる邪悪な個体も必ず現れる。
     邪悪なずるい個体は、弱いフリをし、弱者を助ける傾向を持った善良な個体を、虚偽と邪悪で満ちた心の闇に引きずり込む。このような「平気で嘘をつくひと」に出会ったとき、「神の慈悲」にすがるだけではなく、自らの力で虚偽と邪悪を切り捨てる勇気だけが自分を救う。

    登録日 : 2006-02-23

  3. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    特命全権大使米欧回覧実記 / 久米邦武編著 ; 水澤周訳注. - 岩波書店, 1997.9   北大ではどこにある?

    140年前、日本の青年リーダー達は世界に何を見たか。

    登録日 : 2006-02-22

  4. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    日本の歴史をよみなおす / 網野善彦著. - 筑摩書房, 2005.7   北大ではどこにある?

     高校の歴史教科書とは全く異なる視点で、様々な職能集団(庶民)の生活と意識の変遷を見る。独自性や独創性は、独りよがりのことではない。異なる視点からの知見に裏付けられたてこそ、多様な価値観を認め合うことができることを教えてくれる。

    登録日 : 2006-02-22

  5. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    数の大航海 : 対数の誕生と広がり / 志賀浩二著. - 日本評論社, 1999.7   北大ではどこにある?

     対数とは何か、なぜ発明されたのか。何が潜んでいたのか。自然界にはありえない遊びの積りが、とんでもない大発明で、とんでもない大発見だった数学の話。

    登録日 : 2006-02-22

  6. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    物理学は魔術と決別しているか

    磁力と重力の発見 / 山本義隆 [著]. - みすず書房, 2003.5   北大ではどこにある?

     現代物理学では、重力や磁力といった遠隔力も、場や力線の概念を用いて当然の如く説明されている。しかし、12世紀から18世紀の人々にとっては、極めてやっかいな現象で、神や魔術といった超自然の力にすがるしか納得する統べはなかった。ニュートンによる万有引力の発見に代表されるように、近代物理学は「磁力と重力」という目に見えない力の謎を克服する努力から派生したのである。いま物理学と呼ばれている思考体系が、如何にして魔術や神と決別したのか? 本当に、決別しているのか?
     よくもこんな調べたものだという博覧強記の根拠に支えられた自然科学概論となっ...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-02-22

  7. 推薦者 : 下澤 楯夫   (電子科学研究所)

    なぜ侵略されなければならないのか?

    銃・病原菌・鉄 : 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 / ジャレド・ダイアモンド著 ; 倉骨彰訳. - 草思社, 2000.10   北大ではどこにある?

     なぜ東南アジアは侵略されねばならないのか?なぜヨーロッパ人がアフリカや南北アメリカを侵略し、その逆は起こらなかったのか?文明の衝突というのなら、逆が起こっても良いではないか?
     鳥類生態学の調査途上で出会った素朴な疑問に対する答えも、極めて単純なことだった。優越人種などいない。どの民族も、同じ能力を発揮できる。違いは単に「何処に住んでいたか」だけだったのだ。地球上の異なる大陸に住んでいた人種が出会ったとき、どちらが優位かは既に決まっていた。

    登録日 : 2006-02-22

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