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推薦者 : 羽部 朝男 (理学研究科)
宇宙は面白い
宇宙を顕微鏡で見る / 佐藤文隆. - 岩波書店, 2001
北大ではどこにある?
夜空を見上げて宇宙の神秘を感ずることは、都会では難しい。しかし,夏のキャンプで運が良ければ満天の星の美しさに息をのみ、宇宙はどうなっているんだろうと考えたくなる。
2006年のノーベル物理学賞は、宇宙の神秘に最も科学的に迫った「宇宙マイクロ波背景放射の観測」に関するものだった。この年は、プラハで行なわれた国際天文学連合総会(実はぼくも参加していた。テレビには映らなかったが)で、冥王星が惑星ではないことを決議したことがマスコミに連日報道された年である。冥王星は身近だし教科書に影響するからと熱く報道されるのは理解できるが、学問的... [続きを読む] -
推薦者 : 羽部 朝男 (理学研究科)
物理学は敷居が高いと思っている君に
物理学者はマルがお好き (文庫) / ローレンス・M・クラウス著 ; 青木薫訳. - 早川書房, 2004
北大ではどこにある?
物理学は現代科学の基礎になっています。ところが、物理学は数式を使うので、敷居が高くむずかしいとよく言われます。また、高校で物理を勉強して来た人でも,受験の影響もあってか、「公式を覚えて、問題に応じて適用するので、面白くない」という声を良く聞きます。本当は、物理学は,一見複雑に見える自然の物体の運動の背後にひそむ法則性を明らかにしたとても面白いものなのです。大学に入って、ぜひ、そうした物理学に触れてほしいと思います。
さて、この本は、こうした物理学の面白さを紹介しています。話しは「物理学者は夜道でカギを落としたら明るい街灯の下... [続きを読む] -
推薦者 : 羽部 朝男 (理学研究科)
宇宙について知ろう
宇宙 起源をめぐる140億年の旅 / ニール・ドグラース・タイソン, ドナルド・ゴールドスミス著 ; 水谷淳訳. - 早川書房, 2005
北大ではどこにある?
最近,宇宙についての理解が大いに進んだ。にもかかわらず、高校で宇宙のことを勉強する機会がほとんどないのが現状だろう。NHKで時々取り上げられるが,系統的な解説を行なうには番組の時間が短すぎるため、尻切れとんぼの感が否めない。この本は、最近の宇宙の研究がどこまで進んでいるのかを分かりやすく書いてある。しかも,著者は宇宙の観測による一流の研究者であるので、観測事実に即しながら話しを展開してるので分かりやすい。宇宙の科学に興味ある方はぜひ読んでほしい。 -
推薦者 : 羽部 朝男 (理学研究科)
デカルトはおもしろい
哲学原理 / デカルト著 ; 桂寿一訳. - 岩波書店, 1964.4
北大ではどこにある?
デカルトは高校時代に哲学者として勉強したことがあると思う。哲学は難しいというイメージがある。まして、物理の先生が,哲学の本を薦めるのはなぜかといぶかしく思うかもしれない。デカルトは、座標を思いついた人で物理学と関係が深い。物理学ではxyz座標をデカルト座標と呼び座標が無くては,物理学の発展は無かったと言ってもいいだろう。この本を読んでみると、デカルトの合理的なものの考え方が当時の限られた自然科学の知識を使って、よく説明されており、わかりやすくとても面白い。ぜひ、読んでほしい。 -
推薦者 : 羽部 朝男 (理学研究科)
トンデモ話に惑わされない知性を
人はなぜエセ科学に騙されるのか / カール・セーガン [著] ; 青木薫訳. - 新潮社, 2000.11
北大ではどこにある?
カール・セーガンは、火星着陸に成功したアメリカの衛星計画を進めた有名な惑星物理学者である。この本は、これだけ科学技術が発展しているにもかかわらずエセ科学がはびこっているアメリカ社会の世相を嘆いて、次の世代を担う若い人たちにエセ科学の問題を語っている。火星の人面石や宇宙人、UFOの話を取り上げ、なぜ人間がこういう話しに興味を引かれ、騙されやすいのかを語っている。そこには、騙されやすい人間の脳の特質の話しもありとても興味深い。自分は、トンデモ話に惑わされないと思っている君にぜひ読んでほしい。 -
推薦者 : 羽部 朝男 (理学研究科)
大学で知性をみがこう
海馬 : 脳は疲れない / 池谷裕二, 糸井重里著. - 朝日出版社, 2002.6
北大ではどこにある?
受験勉強から解放されて、大学で学問をしようと考えている君に推薦します。専門に関係した本を読むのと同時に、自分の脳のしくみを知って、知性のみがき方を理解するのも大切だと思います。この本は、脳の働きについて、この本が書かれた時点での理解を対談形式で分かりやすく書かれています。勉強で行き詰まった時、どうやってそれを打開するのかにヒントを与えてくれると思います。