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夜空を見上げて宇宙の神秘を感ずることは、都会では難しい。しかし,夏のキャンプで運が良ければ満天の星の美しさに息をのみ、宇宙はどうなっているんだろうと考えたくなる。
2006年のノーベル物理学賞は、宇宙の神秘に最も科学的に迫った「宇宙マイクロ波背景放射の観測」に関するものだった。この年は、プラハで行なわれた国際天文学連合総会(実はぼくも参加していた。テレビには映らなかったが)で、冥王星が惑星ではないことを決議したことがマスコミに連日報道された年である。冥王星は身近だし教科書に影響するからと熱く報道されるのは理解できるが、学問的には宇宙全体と関わるという重要なノーベル物理学賞受賞に関して、冷たい報道だったのは大変残念だった。
さて、この本は現代の宇宙論の読みやすい解説書である。特に、2006年のノーベル物理学賞の受賞理由の一つの、宇宙背景放射の温度揺らぎの発見がどういう意義を持つのかについて説明されている。この発見は、今夜空にきれいな多数の星が輝いているの理由と密接に関係している。宇宙で起きてきたダイナミックな変化を分かりやすく書いてあるので、興味ある方はぜひ読んでください。
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