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推薦者 : 山下 正兼 (理学研究科)
生殖細胞 : 形態から分子へ / 岡田益吉, 長濱嘉孝編著. - 共立出版, 1996.4
北大ではどこにある?
我々ヒトも含め、多くの多細胞生物の一生は卵と精子が合体(受精)することから始まる。卵や精子は生殖細胞と呼ばれる。生物を形づくる多くの細胞(体細胞)が、個体そのものを維持するために働くのに対し、生殖細胞は生 命を次世代に受け渡すために働く。卵や精子は高度に特殊化(分化)した細胞だが、ある意味では未分化なままで止まっている(あらゆる種類の細胞になりうる能力を持つ )細胞でもある。
このように、生殖細胞は「分化した未分化細胞」という一見矛盾する性質をもつ不思議な存在であるが、このおかげで生物は限られた個 体の寿命を越え、種を存続さ... [続きを読む]登録日 : 2005-08-02
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推薦者 : 山下 正兼 (理学研究科)
発生生物学 : 分子から形態進化まで / スコット F.ギルバート著 ; 塩川光一郎〔ほか〕訳. - トッパン, 1991.1-3
北大ではどこにある?
近年における生物学の発展はめざましいものがある。急速に発達した分子生物学的手法により、生命現象を分子の相互作用として捉え、その根本原理を物理・化学反応の言葉で明らかにする ことが可能になった。 特に最近は、生物の発生や脳の機能といった複雑な系でも分子レベルの解析が進められており、発生生物学や神経生物学は今、最も脚光を浴びている自然科学分野の一つである。
本書は現代の発生生物学におけるバイブルと呼べるもので、発生生物学を志す学生には必読の書である。また、それ以外の自然科学を志す学生にとっても本書から得るものは多いと思われる。
... [続きを読む]登録日 : 2005-08-02