寺田 龍男 推薦リスト
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  1. 推薦者 : 寺田 龍男   (メディア・コミュニケーション研究院)

    『太平記』が描く時代を見る

    太平記 : 完全版 (DVD) / 吉川英治原作 ; 池端俊策, 仲倉重郎脚本 ; 高橋康夫, 一柳邦久制作. - NHKエンタープライズ, 2008   北大ではどこにある?

     『太平記』が描く時代(14世紀前半)は、南北朝の分裂などもあり、日本社会の大きな転換期となりました。この時代ならではの現象が噴出し、戦後歴史学では進展が著しい一方で、今なお小説には書きにくい時代とも言われています。
    この作品は原著『太平記』を吉川英治が脚色し、さらにNHKが大河ドラマ化したものです。その点を理解しておく必要はありますが、佐藤進一『私本太平記

    登録日 : 2008-11-23

  2. 推薦者 : 寺田 龍男   (メディア・コミュニケーション研究院)

    命と平和について

    火垂るの墓 / 野坂昭如. - 新潮社, 1972/2001   北大ではどこにある?

    この本は学習とは直接関係がありません。ですが、命の尊さや家庭・平和の大切さを考えさせてくれます。高畑勲監督のアニメ(1988年)は海外でも、「もっとも強く心をゆさぶるアニメ作品」のひとつとして知られています。

    小説(野坂昭如著作) [単行本 文庫本]

    アニメ(高畑勲監督) [DVD

    登録日 : 2007-10-03

  3. 推薦者 : 寺田 龍男   (メディア・コミュニケーション研究院)

    中国の超一流大学を紹介してくれる本

    中国の頭脳・精華大学と北京大学 / 紺野大介. - 朝日新聞社, 2006年   北大ではどこにある?

     この本を読むと、今でははやらなくなった「エリート」という言葉を思い出します。中国の若い秀才たちの学習ぶりはすさまじく、学部生段階でアメリカの大学から「ウチに(留学に)きてほしい」と声がかかるとも。日本の学生たちはこの点でまるで眼中にないとの指摘は正直耳が痛い。「だから北大生もがんばれ」というまえに、自分の研究・教育レベルをどうしたら上げられるかと考えてしまった。
     ただし、この本に書かれているのは巨大な中国社会の一面に過ぎません。中国の大学(すべて国立、約1000校)にも(著者によると)「ピンからキリ」まであり、中には大学とは呼べ...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-08-01

  4. 推薦者 : 寺田 龍男   (メディア・コミュニケーション研究院)

    疲れた時、めげている時におすすめ

    何でも見てやろう / 小田実著. - 河出書房新社, 1969   北大ではどこにある?

     日本人がまだ自由に海外旅行をできなかった当時、英語が話せないにもかかわらずフルブライト奨学金の試験に合格して、米国をはじめ世界各地で体験したこと・考えたことをつづった名著。あふれんばかりのヴァイタリティで困難を乗り越え、さまざまな事象を鋭い観察眼で分析した著者に、今でも感心しています。
     初めて読んだのは高校一年の時、地理の先生に薦められたのが理由でしたが、当時は著者の年齢(まだ20代)に近かったにもかかわらずさっぱりわかりませんでした。私自身が50に近くなった今、ますます面白くなってきた不思議な本でもあります。

    登録日 : 2006-02-03

  5. 推薦者 : 寺田 龍男   (メディア・コミュニケーション研究院)

    日本社会にもこんな時代があったのかと驚かされました

    南北朝の動乱(日本の歴史 ; 9) / 佐藤進一著. - 中央公論新社, 2005.1   北大ではどこにある?

     「忠臣は二君に仕えず」という倫理観がよく知られていますが、そうした考え方が徳川時代に定着する以前は、いわゆる「去就の自由」があり、武士の間で離合集散が激しかったことを実証的に解明した名著です。初版は1965年ですが、歴史の先生方の間では今なお名著の誉れが高いそうです。私の専門はドイツ語教育と中世ドイツ文学研究ですが、昔のヨーロッパにも同様の現象があり、作品や記録文書を読む時、佐藤先生の記述がいつもインスピレーションを与えてくれます。こうした共通の現象がありながら、その後ヨーロッパでは「出世の階段を登るたびに勤務先を変える」ようにな...   [続きを読む]

    登録日 : 2006-02-03

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