「本は脳を育てる」について
(教職員の皆様へ)推薦文受付中です!
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本は脳を育てる ~北大教職員による新入生への推薦図書~ 

この企画は、北大の教職員(※プロフィールは当時のものです)が、学生の皆様に読んでほしい本を選んで、 紹介文を執筆くださっているものです。推薦されている本はすべて北図書館で借りることができますので、 ぜひ気に入った本を読んでみてください。
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Faculty members have recommended these books for student, along with their introductory essays.
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  1. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    文系の学生、院生の必読書 
    大学生の論文執筆法 / 石原千秋. - 筑摩新書 , 2006     北大ではどこにある?
    漱石の研究家である著者が大学の教育の中で、痛感した学生のレポートや論文の書き方の不備、欠点を指摘し、如何に書くか、また書く準備として書く心構えから、資料の扱い方、何が資料とはならないかなど詳しく指摘したもの。ネットで集めた知識は評価されないことなど教員には分り切ったことだが、学生はちゃんと知らない人もいることが書かれていて、こういうことを大学院生になってもいい加減な人もいるので、必読書である。この程度のことは先刻承知だという人は大変結構です。論文の推敲例もあるので、参考になります。

    登録日 : 2007-10-25     学習に最適

  2. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    初潮という切札 : 「少女」批評・序説 / 横川寿美子著. - JICC出版局 , 1991.3     北大ではどこにある?
     少女の分析に関してリボン、フリルなどのひらひらするもの(参考:本田和子)や少女の性で初潮に注目して論じた書物。

    登録日 : 2006-02-21     基本書

  3. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    乱歩と東京 / 松山巌著. - 筑摩書房 , 1994.7     北大ではどこにある?
    乱歩の小説を通して東京を論じる都市論の名著。小説によって都市を論じる書物の優れた基本図書。まさに探偵小説が都市文学であることが分かる。ロサンジェルスはレイモンド・チャンドラー、東京はまさに江戸川乱歩である。都市論の必読書。

    登録日 : 2006-02-22     名著

  4. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    コメディへの理解の方へ 
    ちはやふる奥の細道 / 小林信彦著. - 新潮社 , 1988.11     北大ではどこにある?
    異文化理解を風刺した偽書(外人が書いた松尾芭蕉の伝記の訳書という体裁)。注にまでギャグがある。ドリフターズ以後しか知らない世代にとっては喜劇やミステリー、映画などについての小林信彦の本は格好の入門書である。映画や喜劇についてはその歴史も知らなければ論じることはできない。基礎知識を得るのに必読の著作家である。

    登録日 : 2006-02-22     ぜひ読んでみてほしい

  5. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    ニッポンマンガ論 : 日本マンガにはまったアメリカ人の熱血マンガ論 / フレデリック L.ショット著 ; 樋口あやこ訳. - マール社 , 1998.3     北大ではどこにある?
    外国人が書いた日本マンガ論は良いものが多い。日本人によるものはしばしば趣味的か作家へのオマージュやラブレターになっている。いまやアニメ論にしても外国の研究者の仕事は無視できない。マンガ論についての基本書の一つ。

    登録日 : 2006-02-22     基本書

  6. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    基本的知識の必要 
    パリの女は産んでいる / 中島さおり. - ポプラ社 , 2005     北大ではどこにある?
     ある元首相が結婚しない、子供を産まない女性に年金を与えるのはとんでもないという暴言を公言した。それに比べてフランスでは出産率は維持されている。それは政策として女性をサポートする体制があるという事実を紹介する書物。外国崇拝ではなく、わが国の社会保障と福祉の欺瞞(介護保険の改正などや自己責任、個人情報保護を口実にする隠蔽化)を考える資料になる。

    登録日 : 2006-08-17     学習に最適

  7. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    東大オタク学講座 / 岡田斗司夫著. - 講談社 , 1997.9     北大ではどこにある?
     東大教養学部で行なった講義記録。まんが、特撮映画、アニメなどのどこに注目したらより理解が深まるかを教えてくれる、示唆に富む基本書。

    登録日 : 2006-02-21     基本書

  8. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    コミックメディア : 柔らかい情報装置としてのマンガ / 香山リカ[ほか著]. - NTT出版 , 1992.12     北大ではどこにある?
     多数の論者によるコミック論。少女マンガ、都市論、表象システム論などを扱う。

    登録日 : 2006-02-21     基本書

  9. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    映像文化論関係 
    鏡の迷路 : 映画分類学序説 / 加藤幹郎 [著]. - みすず書房 , 1993.6     北大ではどこにある?
     映像分析の基本を教えてくれる名著。特にフレーム(映像がうつされる枠)についてしっかり学ぶことができる。映像関係の授業をとる人の必読書。

    登録日 : 2006-02-21     名著

  10. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    前田愛対話集成 / 前田愛 [ほか談]. - みすず書房 , 2005.12     北大ではどこにある?
    都市と文学」の2冊。知的刺激をもたらす書物。

    登録日 : 2006-02-22     基本書

  11. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    アラーキーを理解する 
    東京人生 since 1962 / 荒木経惟. - バジリコ株式会社 , 2006     北大ではどこにある?
    写真家荒木経惟が彼の大量の著作と作品から自ら選んだ写真を集め、自らコメントをつけた本。写真集を一冊見ても写真家は分らない。有名な彼のヌード写真も作品の一部(大きなテーマだが)にすぎない。荒木の写真の恰好の入門書。

    登録日 : 2007-01-31     基本書

  12. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    ザ・ヌード : 裸体芸術論 : 理想的形態の研究 / ケネス・クラーク著 ; 高階秀爾,佐々木英也訳. - 筑摩書房 , 2004.6     北大ではどこにある?
    美術史の裸体画に関する名著にして基本文献。これで基礎を知った後、肉体論などに進むべきである。

    登録日 : 2006-02-21     名著

  13. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    映像文化論関係 
    天皇の肖像 / 多木浩二著. - 岩波書店 , 1988.7     北大ではどこにある?
     優れた写真論であり、映像をいかに分析すれば良いかを教えてくれる名著。

    登録日 : 2006-02-21     名著

  14. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    マンガが入り口になる 
    虹色のトロッキー(全8巻) / 安彦良和. - 中央公論新社(文庫) , 2000     北大ではどこにある?
     初めてマンガを推薦するが、今「ガンダム・ザ・オリジン」を連載中の作者による満州を舞台にした現代史ものである。私たちが知らないでいた太平洋戦争時代の一面がここにある。五族協和とは何か。その実現のためにあった満州建国大学。そこに学ぶ蒙古人青年を主人公に、歴史上の人物が多数登場する。たとえば、これからの世界はアジアの盟主たる日本と白人の盟主となるアメリカの最終戦争になると主張した石原莞爾、合気道の創始者植芝盛平、現首相が尊敬するその祖父、岸信介...トロッキーの説明はしない、読んで知ってください。そして中国の八路軍ではなく抗日聯軍...た...  [続きを読む]

    登録日 : 2007-03-27     ぜひ読んでみてほしい

  15. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    映像文化論関係 
    ヌードの理論 / ジェイン・ケリー編 ; 高橋則英訳. - 青土社 , 1994.12     北大ではどこにある?
     有名な写真家たちが自作を語り。ヌード写真をどう撮るかを明らかにしている。ヌード写真をまじめにとらえ考える契機となる書物。

    登録日 : 2006-02-21     基本書

  16. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    国際地域文化論関係 
    少女領域 / 高原英理著. - 国書刊行会 , 1999.10     北大ではどこにある?
     日本文学における少女像の分析。少女論はオタク的分析だけではなく、きちんと分析されることが必要である。その基本的な文献。

    登録日 : 2006-02-21     基本書

  17. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    国際地域文化論関係 
    戦争の世紀を超えて : その場所で語られるべき戦争の記憶がある / 森達也, 姜尚中著. - 講談社 , 2004.11     北大ではどこにある?
     国家、戦争、歴史、文化を考えるとき非常に示唆に富む書物。世界的な事件があった地を訪ねた二人の対話。戦争をTVモニターや映画やアニメやマンガのなかにしか感じられぬ人への、他者への想像力を促す書物。

    登録日 : 2006-02-21     ぜひ読んでみてほしい

  18. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    知らないことはいくらでもある 
    メンデ奴隷にされた少女 / メンデ・ナゼール. - ソニーマガジンズ , 2004     北大ではどこにある?
     今の世界にも奴隷は存在する。しかも政府の黙認において。スーダンで家族から拉致された子供たちは売られている。その地域はまさに伝説のマサイ族の地域だ。私たちは何事も知ったつもりになってはいけない。短いワンフレーズのコメントに棹差せば流される。

    登録日 : 2006-08-17     ぜひ読んでみてほしい

  19. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論1 
    J-POP進化論 : 「ヨサホイ節」から「Automatic」へ / 佐藤良明著. - 平凡社 , 1999.5     北大ではどこにある?
     日本のうたに関する優れた音楽論の入門書。映像やうたは趣味だけではない。東大の先生にこんな人がいるのは羨ましい。

    登録日 : 2006-02-21     名著

  20. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    国際地域文化論関係 
    クレオール主義 : the heterology of culture / 今福龍太著. - 青土社 , 2001.9     北大ではどこにある?
    気鋭の人類学者による文化論の名著。異文化に対する考え方を学ぶ基礎的書物。

    登録日 : 2006-02-21     名著

  21. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    知らない歴史もある 
    ひめゆり忠臣蔵 増補新版 / 吉田司. - 太田出版 , 2000     北大ではどこにある?
    沖縄の「ひめゆり部隊」は知られている。しかし沖縄戦は沖縄の悲劇であり、沖縄の人々は軍国主義日本の被害者とだけ言って良いのだろうか。戦後占領し統治したアメリカに対して、復帰運動の中心になった教職員組合は戦前戦中はなにをしたのか(戦後アメリカの援助でアメリカ留学した人もいる)。そしてひめゆりはただ犠牲になった無辜の乙女たちだったのか。著者は人が隠し見たくないこと、忘れてしまいたいことを暴き出す。その主張に賛成できなくとも、歴史は一方からだけでなく、複眼で見なければならないことを痛感させられる。広島、長崎の原爆もなぜそこが選ばれたの...  [続きを読む]

    登録日 : 2007-02-13     ぜひ読んでみてほしい

  22. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    本屋は好きですか 
    書店繁盛記 / 田口久美子. - ポプラ社 , 2006     北大ではどこにある?
    私たちは本を見に書店に行く。買わなくても立ち読みや何が出ているかを見る。でもたいていは書店員を見ている人はいない。私たちがよく知らない新刊書店の世界を見せてくれる本。本屋の一日、どう品揃えして、棚をどう作るか。著者は池袋西武のリブロに勤め、その後ジュンク堂に勤めるヴェテラン書店員(現副店長)。本屋の好きな人はもちろん、そうでない人も読んで皆本屋を好きになろう。そして本を愛する書店員を。
    前作のデパートにできた書店がユニークな棚で有名になるリブロ時代の「[続きを読む]

    登録日 : 2007-02-13     ぜひ読んでみてほしい

  23. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    教育学部以外の学生諸君もぜひ 
    子どもが見ている背中 : 良心と抵抗の教育 / 野田正彰. - 岩波書店 , 2006     北大ではどこにある?
     北大医学部出身の精神医学者が、教育、特に国旗・国歌の強制から教育基本法の改定にいたる動きを論じた本。広島県の二人の校長が自殺に追い込まれ、それを利用して国旗国歌法が制定されたこと(自殺は一方的に反対した教師たちのせいではない事実)、教育現場への締め付けを告発している。この問題に関する著者の主張に賛成、反対は別にして、いろいろな事実や背景を知った上で自分の意見を決めねば、指導者の言うことやメディアの論調に流されてしまう。それは広告と同じで、イメージ戦略にのってしまうことである。同じ問題を扱った旧著[続きを読む]

    登録日 : 2007-01-31     ぜひ読んでみてほしい

  24. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    映像と都市を巡る優れた書 
    映画と写真は都市をどう描いたか / 高橋世織(編著). - ウェッジ選書 , 2007     北大ではどこにある?
    気鋭の評論家である高橋世織氏編著の映像都市論の登場。論者は蓮實重彦、港千尋、黒沢清、篠田正浩など錚々たるメンバーである。フォーラムでの講演を元にしたものもあり読みやすいと思う。文化論の研究をする学生諸君には大変参考になるであろうヒントに満ちている。

    登録日 : 2007-06-01     学習に最適

  25. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    メディアとは 2 
    戦争報道 / 武田徹. - ちくま新書 , 2003     北大ではどこにある?
     ジャーナリズムは戦争の悲惨さを伝える一方、9.11以後のアメリカのように戦争を煽る愛国報道になる。第二次世界大戦からアフガン戦争まで戦争と報道の問題を論じる。そして戦時においては中立の報道どころか広告(プロパガンダ)に加担する姿を示す。これで基礎知識を得てから、他の戦争とメディア論に進むと良いと思う。

    登録日 : 2007-01-11     基本書

  26. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    メディアとは 1 
    国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて / 佐藤優. - 新潮社 , 2005     北大ではどこにある?
     あなたは鈴木宗男議員を知っているだろうか。マスメディアでは汚い政治家の代表とされ、北方領土関係などで癒着を指弾され、疑惑の総合商社と言われ、逮捕・起訴された政治家である。彼と共に歩み、外務省を毒したとされた外交官が著者である。彼も逮捕・起訴された。私たちはそのようなイメージを自明のものと受け取ってきた。しかし彼らの言い分をちゃんと聞いたことがあったろうか。この本を読むと政治の裏の複雑さと権力抗争のすざまじさを知ることができる。国益を巡る立場の違いを知ると、一面的に著者を弾劾することはためらわれる。鈴木議員に関しても同じである...  [続きを読む]

    登録日 : 2007-01-06     ぜひ読んでみてほしい

  27. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    南米文化を知ろう 
    ボサ・ノーヴァ詩大全 / 坂尾英矩. - 中央アート出版 , 2006     北大ではどこにある?
     音楽が好きな人、特にポップスが好きな人はボサノバ(旧来表記)を知っているだろう。「イパネマの娘」や「おいしい水」ぐらいは。しかしボサノバだけでなくフォークローレやその他の音楽もある。アルゼンチンタンゴもある。中南米は音楽の宝庫だ。また格闘技の好きな人はブラジルのカポエラやブラジリアン柔術も知っているはずだ。しかしカポエラが手を鎖で縛られた奴隷の護身術から発生したことは知っているだろうか(だから足技です)。文化を学ぶとはこういうことなのです。ジェローム・レ・バンナはフランス読みするとジェローム・ル・バネールです。これは日本にお...  [続きを読む]

    登録日 : 2006-08-17     基本書

  28. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    映像文化論関係 
    ドキュメンタリーは嘘をつく / 森達也著. - 草思社 , 2005.3     北大ではどこにある?
     現在もっとも注目すべきドキュメンタリー作家の本。ドキュメンタリーは事実でも真実でもない。ライブ映像を信じてしまう人たちに。

    DVD付き版も出版されています。
    #(北図書館2009-05-13)

    登録日 : 2009-05-13     ぜひ読んでみてほしい

  29. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    芸術を論じる 
    マネの絵画 / ミッシェル・フーコー. - 筑摩書房 , 2006     北大ではどこにある?
     画家マネを巡って、フーコーの講演と、それに関するシンポジウム参加者の論考をまとめる。印象派の中で日本人にはモネほどの人気はないかも知れないが、マネは重要な画家だと思う。論考でも触れられているバタイユのマネ論、「沈黙の絵画 : マネ論」(二見書房)も非常に面白い。思想家による美術論は良いものが多い。フーコーに興味が持てたら、「性の歴史」などへ進んでください。

    登録日 : 2007-03-18     学習に最適

  30. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    どこでも勉強はできる 
    獄中記 / 佐藤優. - 岩波書店 , 2006     北大ではどこにある?
     著者が512日間東京拘置所に勾留された日々の記録。鈴木宗男氏と共に逮捕、起訴され、公判に臨んだ著者は、拘置所の中で何をしていたのか。公判について弁護士と手紙のやりとりはあたりまえだが、興味深いのは、大量の本を読み、ノートに思索を記録し、ラテン語やドイツ語を勉強する姿である。神学の研究者でもある著者の旺盛な勉学欲には驚かされる。国策捜査の標的になり、自由を奪われても、勉強を続ける姿に若い人は何かを感じてほしい。

    登録日 : 2007-03-18     ぜひ読んでみてほしい

  31. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    いつの時代も青春は 
    青が散る (宮本輝全集 第3巻) / 宮本輝. - 新潮社 , 1992     北大ではどこにある?
    青春小説の傑作。「世界の中心で...」も「電車男」もあるが、珍しく小説を推薦するのは、この作品がいかに心を打つかということである。まあ読んでみてほしい。痛切な結末に至るこの小説には、いつの時代にもある若者の悩みが描かれている。本物の小説とはこれである。同じ作者の短編「泥の河」、「[続きを読む]

    登録日 : 2007-02-20     ぜひ読んでみてほしい

  32. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    人気の秘密 
    セレブの現代史 / 海野弘. - 文春新書 ,      北大ではどこにある?
     どうして有名人は影響力があるのか。教養の感じられない政治家がもてはやされるのか、この疑問の一つの答である。不倫のプリンセス、ワンフレーズの権力者、XX姉妹(XXには適当な文字を、解答複数)、なぜ彼らに人気があるのか。しかし少し怖い状況である。明日の世界はどうなる?

    登録日 : 2006-08-17     基本書

  33. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    恋の花詞集 : 歌謡曲が輝いていた時 / 橋本治著. - 筑摩書房 , 2000.4     北大ではどこにある?
    日本の歌謡曲とその時代背景を論じた優れた書物。橋本治の評論の論理は見かけとは違って、非常に正統派で独創的でもある。彼のマンガ論や文化論は示唆に富むものが多い。文化論に興味を持つ者にとって必読の著作家である。

    登録日 : 2006-02-22     名著

  34. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    「演歌」のススメ / 藍川由美 [著]. - 文芸春秋 , 2002.10     北大ではどこにある?
    日本のうたの歴史を扱った基本書。西洋音楽の輸入以来見下されてきた日本のうたを評価する試みの書物である。うたを論じるときおさえておくべき文献。

    登録日 : 2006-02-22     基本書

  35. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    表象文化論関係 
    感覚のモダン : 朔太郎・潤一郎・賢治・乱歩 / 高橋世織著. - せりか書房 , 2003.12     北大ではどこにある?
    元北大文学部教員(国文学)による極めて独創的かつ刺激的なモダン文学論の書物。朔太郎、谷崎、乱歩、賢治を独自の視点(写真、映画など)から論じている。文学だけでなくイメージ論や映像論に興味を持つ者にとって大変参考になる書物。現在の文化論研究のレヴェルを知るには最適な書物でもある。

    登録日 : 2006-02-22     ぜひ読んでみてほしい

  36. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    占領を知らない世代へ 
    占領下パリの思想家たち / 桜井哲夫. - 平凡社新書 , 2007     北大ではどこにある?
     ナチスドイツ占領下のパリで、知識人たちはどう生きていたか。サルトル、カミュ、バタイユ、フーコー、レヴィ=ストロース、サン=テグジュペリ...沖縄だけでなく、日本全土がアメリカに占領(進駐軍と言い換えていたが)された日々はついこの前である。戦争も占領も知らなければ、せめて本や映像で知ろうとしてほしい。フランスの現代史を知るには、海原峻「フランス現代史」(平凡社、名著)がおすすめ。それを読んで、この本の前段の桜井「[続きを読む]

    登録日 : 2007-02-20     基本書

  37. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    少年一人大地を行く 
    たった独りの引き揚げ隊 / 石村博子. - 角川書店 , 2009     北大ではどこにある?
    第2次大戦が終わった翌年、満州に残った民間の日本人はやっと引き揚げることになった。日本人とロシア人の混血の少年(日本国籍)は一人で日本に渡ろうとする。ところが彼はロシア人だと大人の引揚者に荷物を奪われ、引揚げ列車から叩き出され、置き去りにされる。まだ10歳の少年は荷物もなくただ一人満州の荒野を縦断して1000キロ彼方の集合地へと歩き始める。ナイフ1本で彼は2カ月の旅を生き抜く。彼は母方のコサックの血を引いており、生き抜く意志を捨てない。彼は後に格闘技サンボのチャンピオンになり、世界に有名なサンボマスターとなる。この勇者の物語の裏に、他の民...  [続きを読む]

    登録日 : 2010-07-02     ぜひ読んでみてほしい

  38. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    写真を考える 
    <パリ写真>の世紀 / 今橋映子. - 白水社 , 2003     北大ではどこにある?
    写真論を考える人にとっての必読書である。他に言う事は無い。まず読むべし。

    登録日 : 2007-06-01     基本書

  39. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    ヒットした映画にご用心 
    パレスチナ・ナウ / 四方田犬彦. - 作品社 , 2006     北大ではどこにある?
     世界で戦争を起こす大統領の同盟国、日本のメディアでは、反対する全ての抵抗や攻撃はテロとされる。それは当然と言えばそうだが、映画の世界でもプロパガンダは進む。観客は「シンドラーのリスト」や「ミュンヘン」を楽しむが、その映像がいかなる問題を持っているかを指摘した書物。後者がイスラエルとパレスチナを公平に描いているというのは、間違いだと主張する(私はこういうことは言いたくないが、監督はユダヤ人であるの...  [続きを読む]

    登録日 : 2007-05-31     基本書

  40. 推薦者 : 西昌樹  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    怒りか誇りか、何をこめて振り返るのか 
    日本国憲法 / 森達也. - 太田出版 , 2007     北大ではどこにある?
     平和を守れという憲法論議ではない。監督森達也が憲法についての考えを自分の言葉で書いた本。ただ他の本と違うのは、分る人は分るが雑誌Quick Japanの連載に加筆したものであることだ。改憲でも護憲でもいいが、それは自分がちゃんと考えた上の思想だろうか。また『映画日本国憲法』(DVD)も見てほしい(北分館にあり)。まじめだが、非常に面白い映像である。

    登録日 : 2007-05-31     ぜひ読んでみてほしい



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