「本は脳を育てる」について
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本は脳を育てる ~北大教員による新入生への推薦図書~ 

心や思考の仕組みを探る

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  1. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    「教養」は実践するものである。 
    人生を面白くする本物の教養 / 出口治明. - 幻冬舎 , 2015     北大ではどこにある?
    この本の推薦文は、僕の体験したエピソードの紹介を以てこれに替えたいと思う。

    大学時代に読んだ本の中に、イギリス人は初対面の相手にまず政治の話題を振って、相手がその話題についてこられなかったら「こいつは付き合う価値のない奴だ」と見切りをつける、という趣旨のことが書いてあった。いくら何でもそれは決めつけすぎだろうと思ったものの、そのことを忘れて十年ほどが経過し、機会を得てエジプトに赴任することになった。そして、彼の地でイギリス人のカップルと知り合い、ある日彼らの家に夕食に招待された。席についてまずワインで乾杯となったのだが、...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-05-02     ぜひ読んでみてほしい

  2. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    よりよい働き方をどう実現するか 
    個人を幸福にしない日本の組織 / 太田肇. - 新潮社 , 2016     北大ではどこにある?
    この本は、標題だけを見るとかつてのカレル・ヴァン・ウォルフレンの『人間を幸福にしない日本というシステム』の二番煎じのように見えてしまうが、内容は組織論あるいは経営制度論の観点から見た日本人の働き方/働かせ方の批判的考察である。これを読むと、企業も学校も芸能界も自治体も町内会も、およそ人が集まって作られる目的集団がいかに機能不全を起こしやすいかがよく分かる。筆者はその点について、かなり大胆な処方箋を提示してくれているが、欲を言えばもう少し突っ込んで対策を書いてくれるとより面白くなったと思う。自分の将来の仕事のあり方として会社勤め...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-03-14     HOT TOPIC!(時事的なもの)

  3. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    ことばはどのように情報を伝えるのか? 
    文法と談話の接点-日本語の談話における主題展開機能の研究- / 砂川有里子. - くろしお出版 , 2005     北大ではどこにある?
    この本は、本格的な専門書であるが、丹念に読んでいけばきちんと分かるように書かれた本であり、日本語の働き方について新しい知見を与えてくれるものである。専門的に言えば、談話文法を機能言語学的に考察したものであるが、その内容を噛み砕いて言うならば、日本語の中でどのように情報が情報として現れそれが伝えられていくか、そのメカニズムを明らかにしたものである。将来日本語について研究してみたいと考えている人や、既に談話文法に関心のある人に広く一読を勧めたい。

    登録日 : 2016-03-12     ぜひ読んでみてほしい

  4. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    多文化社会とは? 
    多文化教育の研究ーひと、ことば、つながりー / 朝倉征夫. - 学文社 , 2003     北大ではどこにある?
    「多文化社会」や「異文化(間)コミュニケーション」というのは今や大学教育に於ける”流行語”と言ってもいいと思うのだが、他でもないこの北大で「多文化交流科目」を担当していると、学生の殆どが(場合によっては教員も)「多文化」あるいは「異文化」ということを”外国人(非日本人)との交流”だと思い込んでいる実情が見られ、そのたびになんとかしなければ、と思ってしまう。

    この本は三部から成るが、第一部の総論を除くと、半分を占める第二部は外国(人)に関する「多文化」状況ではなく、この日本国内に於いて文化的背景を異にする人々に関する考察で...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-03-12     学習に最適

  5. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    西洋哲学の基本の「き」 
    方法序説 / ルネ・デカルト. - 岩波書店 , 1997     北大ではどこにある?
    「われ考える、ゆえにわれあり」や「明晰判明」、あるいは”方法的懐疑”といったことばであまりにも有名な、西洋(近世)哲学の始まりを飾る書である。哲学書というと初めから難しいものと考えて敬遠してしまう向きもあるかもしれない-そのような書物があることを否定はしない-が、この本は、きちんと読んでいけばそれなりに分かるように書かれているものである、同時にまた、西洋近世~近現代の哲学が多くの考えるべき課題をそこからくみ取っていった、西洋の知の基本をなす書物でもある。そのようなものを読んでおくことは、洋の東西を問わず学問を研究しようとするも...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-03-12     基本書

  6. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    もう一つの日本の理論物理学形成史 
    科学ジャーナリズムの先駆者 評伝 石原純 / 西尾成子. - 岩波書店 , 2011     北大ではどこにある?
    石原純という名前を初めて見たのは、大学時代に西田幾多郎の哲学を勉強していたときであった。西田の弟子であった下村寅太郎の文章中に、日本に於ける相対性理論の紹介者といった形で名前が出ていたのを覚えている。この本では、物理学者、相対性理論の研究者・紹介者という面だけでなく、科学ジャーナリストとしての石原に光を当てて多くのページを割いている。昨今、自然科学研究の世界では研究の確実性やその情報の透明性を揺るがすような事案がいくつか起こった。(勿論、人文社会科学でも同様のことはあったし、今後もあり得る。) このような時代に、科学研究の内実...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-03-12     ぜひ読んでみてほしい

  7. 推薦者 : 河合剛  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    敵を知り己を知れば、のうち後者 
    The Inner Game of Tennis: The Classic Guide to the Mental Side of Peak Performance / W. Timothy Gallwey. - Random House Trade Paperbacks , 1997     北大ではどこにある?
    題名の「テニス」を無視していただきたい。
    いまふうに言えば「メンタルを鍛える」のが本書の目的。
    己を知り、己を信ずる。運動はもとより、楽器演奏、学会発表、そのほか、練習を重ねて、いざ本番、力を出し切るための精神一到。その手段が、ときに神秘的に、ときに論理的に記されている。
    一般に、日本のコーチングは禁止命令が多い。「やめたら負けだ」「そんな態度じゃダメだ」「また間違えた」「何度いったらわかるんだ」
    アメリカも臭い精神論がちゃんとあるのだが、一般に見かけはポジティブ。「あそこが理想だ。ここが現在地だ。勝つまで続けるぞ...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-02-21     学習に最適

  8. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    「分からなさ」を味わい、楽しむ 
    哲学とは何か / ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ. - 河出書房新社 , 1997     北大ではどこにある?
    この推薦文は、「本は脳を育てる」の趣旨には反するが、たまにはこういった推薦もあっていいのではないかと思い、ここに挙げることにした。

    哲学の本を数多く読んできたが、これほど分からない本を読んだことはない。普通は分からなければなんとか分かろうと努力し、それなりに考えながら読むものであるが、この本は読んでも読んでも分からず、そのうちにその「分からなさ」が心地よく思えてきさえする。読んでいる自分が「分からなさ」という感覚に身をゆだね、それを楽しむ境地(?)に至った気分になってくるのである。それは著者両名の巧妙な仕掛けにあり、著者たち...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-01-28     ぜひ読んでみてほしい

  9. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    留学したい人は必読! 
    バイカルチャルになれる人・なれない人-アメリカで変わる日本人- / 本田正文. - 丸善 , 1999     北大ではどこにある?
    この本は、大きく分けると著者である本田氏がアメリカ留学の中で体験した異文化適応の過程の紹介と、専門とする第二言語習得理論(から見たバイリンガリズム)の概説をバイカルチャルという観点で融合させていこうとしたものである。こう書くとなにやら難しそうな本のようであるが、そのようなことはない。むしろ、本田氏が実際にアメリカで何に苦労しそこからどのような「智慧」を見いだして異文化での生活を成り立たせていったかが、時にユーモアを交えながら成長段階を追って書かれている。

    これから海外留学を目指す人には色々な希望と不安があると思うが、留学...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-01-11     基本書

  10. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    世界の見方を深めるために 
    現象学という思考-<自明なもの>の知へ- / 田口茂. - 筑摩書房 , 2014     北大ではどこにある?
    一昨年度から「多文化交流科目」という授業を始め、一貫して異文化理解、あるいは異文化交流の問題を扱ってきた。難しいのは、異文化理解に関わる理論と異文化交流の実践を教室の内外でどうつなぐかということであり、このことにずっと悩んできた。今年になってからふと「現象学」の考え方からこの問題にアプローチしてはどうだろうかと思ってこの本を読んでみたら、まさに第四章・第五章を中心として示唆に富む記述が満ちていてありがたい思いがした。こうしたアプローチは、僕の曖昧な記憶では確かクラウス・ヘルトが手をつけ、日本では小川侃先生(元京都大学)が触れて...  [続きを読む]

    登録日 : 2015-09-07     基本書

  11. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    「思想劇」としての般若心経 
    真釈般若心経 / 宮坂宥洪. - 角川書店 , 2004     北大ではどこにある?
    この本の表題は書き間違いではない。「新釈」ではなく「真釈」、つまり著者は「俺の解釈こそ本物だ!」と宣言しているわけである。もの凄い自信である。仏教学が専門ではない僕には、その「真」の度合いは測れないが、内容は確かに説得力に富む。それはひとえに、サンスクリット原典を文法的に厳密にたどりながら漢訳般若心経の問題点を的確に指摘し「四階の建物の比喩」という説明の枠組みを駆使して読み解いていく著者の態度からもたらされるものである。それだけに「あとがき」に書かれた、従来の般若心経解説書やそれらの執筆者に対する批判は秋霜烈日を極める。著者は...  [続きを読む]

    登録日 : 2015-07-18     基本書

  12. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    日本語教育史研究の金字塔、ついに成る! 
    戦時期における日本語・日本語教育論の諸相-日本言語文化政策論序説- / 田中寛. - ひつじ書房 , 2015     北大ではどこにある?
    長年にわたって、日本語教育史、日本語教育政策の研究に携わってこられた著者の業績の集大成とも言える大著である。副題に「序説」とあるが、決して「序説」ではなく、日本語教育の過去の歴史を批判的に受け止め、これと対決しながら日本語教育のあるべき姿を真摯に問うたその解答と言うべき著作である。今後の日本語教育史研究、日本語教育政策研究は、本書と、これに先行した関正昭『日本語教育史研究序説』(スリーエーネットワーク)を不可欠の必読書として出発しなければならない。まさに今、日本語教育史研究の“新しい”歴史が始まる。本書はその幕開けとなるものと...  [続きを読む]

    登録日 : 2015-07-14     基本書

  13. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    「まとも」な議論をするために 
    反論の技術-その意義と訓練方法- / 香西秀信. - 明治書院 , 1995     北大ではどこにある?
    この本は実は一時期僕の日本語の授業のタネ本であった。どのようにしたら留学生に、与えた課題とかみ合う文章(議論)を書けるように指導できるのか困っていたときにこの本に出会って、その説得力ある書きぶりと豊富な実例に蒙を啓かれる思いがしたものである。(ただ、正直、この本の助けを借りて行った授業実践に対する留学生の反応は賛否真っ二つであった。)
    書名に「技術」と書いてあるが、所謂ハウツー本の域を超えて「反論する」ということが学問にとっていかに重要な知的営為かを詳しく説いており、読み物としてもおもしろい。この本に書いてある「訓練方法」を...  [続きを読む]

    登録日 : 2015-02-20     学習に最適

  14. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    ちょっと残念な、しかし面白い対談 
    対論 言語学が輝いていた時代 / 鈴木孝夫・田中克彦. - 岩波書店 , 2008     北大ではどこにある?
    鈴木孝夫と田中克彦のお二人は、特に日本語に於ける漢字の使用を巡ってそれぞれの著書の中でまったく反対の立場を表明してきた。この本ではそのあたりを巡って激論が交わされるのかと思いきや、お二人とも妙におとなしくなってしまっていて(よく言えば紳士的なのかもしれないが)日頃の舌鋒の鋭さはどこへやら、落としどころをうまく見つけて話が進んでしまっている。これはちょっと読者の期待を裏切りすぎるんじゃないのかなぁ、と思う。日本語教師の僕としては、日本語教育に好意的な鈴木氏と、(今の)日本語教育に批判的な田中氏の論争も期待したのだが、それはタイトルが...  [続きを読む]

    登録日 : 2015-02-04     学習に最適

  15. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    日本の未来を考える視点はどこにあるのか 
    日本 / 姜尚中・中島岳志. - 河出書房新社 , 2011     北大ではどこにある?
    著者二人の対談であるこの本は、僕なりの理解でまとめると「国家権力に絡め取られない自分のあり方をどう構築するか」という問題意識で貫かれており、それを、過去の歴史的文脈も振り返りながら徹底して論じようとしたものである。その基盤をなす発想は「パトリ」(故郷、郷土、あるいは根拠地といったもの)であり、熊本出身の在日韓国人二世である姜氏と大阪出身の中島先生がそれぞれの「パトリ」を意識しつつ、国家権力、あるいはその表象としての「東京」を挟撃するといった展開となっている。読者はそれぞれの「パトリ」に応じてこの対談にさまざまな共感や反発を感じ...  [続きを読む]

    登録日 : 2015-01-19     ぜひ読んでみてほしい

  16. 推薦者 : 寺沢重法  所属 : 文学研究科  身分 : 

    日本人の幸福感・運命主義・根性主義 
    日本人の心理 / 南博. - 岩波書店 , 1956     北大ではどこにある?
    社会心理学者・南博先生による日本人の心理的特性を扱った本。初版は1953年と結構昔のものであるが、個人的には今でも十分読み応えのあるものだと感じた。江戸時代の各種養生書・処世書などをベースとしつつ、出版の処世書(今でいう自己啓発本か?)などからも引用をし、日本人の心理を整理している。日本人論の初期作品と言っていいかもしれない。もっとも日本人論と言っても、出版された当時の社会状況を反映してか、多くの日本人論に見られるような日本の素晴らしさを唱導する論調は見られない。むしろ軍隊や戦争、日本の権威主義的人間関係などを鋭く批判するというスタン...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-12-26     名著

  17. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    サンデルとの対話は成功したのか? 
    日本生まれの「正義論」-サンデル「正義論」に欠けているもの- / 川本兼. - 明石書店 , 2011     北大ではどこにある?
    著者は、サンデルの正義論が結局はアメリカの「力」の論理によるものではないかという疑問を呈するところから始めて、サンデルの正義論に対する対抗思想としての正義論を生み出そうとした。その懸命な思索の成果がこの本である。著者の思想的格闘が成功したかどうかは、読者それぞれが判定されたい。その中で読者自身が自分なりに正義について考えることをきっと始めているだろう。
    ネタバレになるかもしれないが、僕の読後感としては著者は正面からサンデルの思想に切り込もうとしているがところどころで自分に不都合な証拠を-忘れているのか意図的にかは分からないが...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-12-26     学習に最適

  18. 推薦者 : 寺沢重法  所属 : 文学研究科  身分 : 

    倫理観を高めれば世の中は良くなるのか? 
    心でっかちな日本人 / 山岸俊男. - ちくま書房 , 2010     北大ではどこにある?
    著名な社会学者・社会心理学者の山岸俊男先生の著作。
    「いじめが起こるのは、子供たちの心が荒んでいるからだ。だから道徳心や倫理観を育むのが大切だ」といったタイプの、社会問題の発生要因を人びとの心理に同定し、その心理を変容させることが社会問題の抑止につながるのは、本当なのか?という問題設定から始まる。おおよその結論をまとめてしまうと、「人々はそうしたいからそうしているのではなく、そうせざるを得ない状況があるからそうしているのである。そうせざるを得ない状況を変えれば人々の行動は変わるのではないか?」というところである。このような著...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-12-17     ぜひ読んでみてほしい

  19. 推薦者 : 寺沢重法  所属 : 文学研究科  身分 : 

    人は「自分の力で考えること」はできるか?人は「意識して行動」できるのか? 
    「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 / 下條信輔. - 講談社 , 1999     北大ではどこにある?
    認知心理学者・神経心理学者の下條信輔先生による概説書。非常に高度な内容であるが、分かりやすく説明されていると思われる。
    本書のツボを私なりに一言でまとめてしまうと、「人は、自らの意識によって主体的に行動していると実感するが、必ずしも主体的に行っているわけではない。意識して行っていると思った行動が実は無意識のうちに始まっていたり、いろいろな錯誤や認知エラーが含まれていたりする」といったとこになるだろうか。こうしたことが、様々な生理学的・脳科学的実験の知見を踏まえながら説明されている。「主体性」「自由意思」「自分の考えで」といっ...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-12-17     ぜひ読んでみてほしい

  20. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    「近代」は人をいかに突き動かしたか 
    日本近代思想の相貌-近代的「知」を問いただす- / 綱澤満昭. - 晃洋書房 , 2001     北大ではどこにある?
    この本の表題には「日本近代思想」とあるけれども、おなじみの人々、例えば福沢諭吉や内村鑑三、新渡戸稲造、そして西田幾多郎や田邊元や和辻哲郎などはまったく主題化されていない(叙述の一部に僅かながら登場することはあるが)。著者は9人の人物を取り上げ、それらの人々の姿を描き出すことで「近代」という時代を捉え返しさらにそれらの捉え返しが「現代」、あるいは戦後日本に何をもたらし得るか、ということを問題にする。9人の人物は、宮沢賢治と長谷川如是閑を除けば今日のアカデミックな思想史研究では殆ど顧みられることがない人々ではあるが、それだけに日本の「...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-12-12     ぜひ読んでみてほしい

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