宗教 一つ上のジャンルへ
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- 推薦者 : 橋本雄 所属 : 文学研究科(日本史学講座) 身分 : 教員
仏教って、こんなに素晴らしいものなんだ。
仏教発見! / 西山厚著. - 講談社 , 2004
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本書は、仏教関連の一般書である。ご自身断っておられるように、本書は純粋に正統的な仏教書ではない、かもしれない。だが、長年、奈良国立博物館で研鑽を積んでこられた氏の、仏教やモノへの愛がギュッと詰まった〈啓蒙の書〉である。
ある日、私はこの本を電車のなかで読み始め、終盤近くでとうとう泣き出してしまった。新書を読んで泣いたり笑ったりなどという経験は、初めてのことである。読者に直接繙いて貰いたいので、ここに詳しくは書かないが、西山氏の手がけた「東大寺のすべて」展(奈良博・二〇〇二年)を、東大寺附属の幼稚園児たちに展示解説するくだり(... [続きを読む] |
登録日 : 2018-03-12
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
宗教を信じつつ宗教を超える
はじめて読む聖書 / 田川建三ほか著. - 新潮社 , 2014
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この本を推薦するのは、僕がキリスト教徒であるからでもなく、『聖書』にありがたみを感じているからでもない。どのような本にせよ、読み手の体験を通してその内面と響き合うものでなければそもそも本を読む意味はないということをこの本の中の第Ⅳ章「レヴィナスを通して読む『旧約聖書』」(内田樹)が慄然たる厳しさを持って教えてくれるからである。この本を手にした人は全部読まなくても良い(読めば読んだでそれなりに得るものはあろうけれども)が、上記の箇所だけはじっくりと読んで欲しい。その上で、関心があればレヴィナスの本に向かうこともお勧めする。わかり... [続きを読む] |
登録日 : 2018-01-04
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
イスラム教を「信じる」とはどのようなことか
日本の中でイスラム教を信じる / 佐藤兼永. - 文藝春秋社 , 2015
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日本社会の中ではイスラム教信者、中でも特に日本人の信者というのは姿が見えにくい存在である。この本は、日本社会の中でイスラム教信仰に生きる人びとの姿を描いたルポルタージュであり、イスラム世界というものが西アジア・中東・アフリカという遠いところにある(だけな)のではなく、我々のすぐそばにもあるものだということに気づかせてくれる。現在、多少緩和されたとはいえ、まだイスラム教に対する様々な偏見が社会の中に存在することは否定できない。著者の佐藤氏は、その偏見を我々も持つことを認めた上でそれを肯定的なものへと転換する契機を示してくれている... [続きを読む] |
登録日 : 2017-05-01
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 長堀紀子 所属 : 女性研究者支援室 身分 : 教員
関西弁のゾウの神様に教わる人生で大事なこと
登録日 : 2016-11-30
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
東北大震災以後の日本を世界史的規模で考える
3・11以後この絶望の国で : 死者の語りの地平から / 山形孝夫・西谷修. - ぷねうま舎 , 2014
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この本は、東北大震災で被災した宗教学者の山形孝夫氏と、現代思想のあり方を問い続けてきた哲学者の西谷修氏との対談である。表題を見ると、現代の日本を直接の対象としているようであるが、むしろ対談者のお二人の中心問題は、(制度的)キリスト教世界の成立とそれが世界に何をもたらしたかということにあり、その延長線上で、ある時点から道を踏み外し始めた世界と、「死者の口封じ」の道具と化してしまった宗教への危機感が語られる。東北大震災はその具体的な危機の露呈の現場として考察され、その危機的状況からのどのような救いの道があるかは、山形氏の”つぶやき... [続きを読む] |
登録日 : 2016-09-24
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「思想劇」としての般若心経
真釈般若心経 / 宮坂宥洪. - 角川書店 , 2004
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この本の表題は書き間違いではない。「新釈」ではなく「真釈」、つまり著者は「俺の解釈こそ本物だ!」と宣言しているわけである。もの凄い自信である。仏教学が専門ではない僕には、その「真」の度合いは測れないが、内容は確かに説得力に富む。それはひとえに、サンスクリット原典を文法的に厳密にたどりながら漢訳般若心経の問題点を的確に指摘し「四階の建物の比喩」という説明の枠組みを駆使して読み解いていく著者の態度からもたらされるものである。それだけに「あとがき」に書かれた、従来の般若心経解説書やそれらの執筆者に対する批判は秋霜烈日を極める。著者は... [続きを読む] |
登録日 : 2015-07-18
基本書
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
より学術的な台湾の入門書
登録日 : 2014-09-14
学習に最適
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
人びとの日常から台湾を学ぶ
登録日 : 2014-09-14
学習に最適
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
日本も案外、宗教的か?
登録日 : 2014-08-27
学習に最適
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
エビデンスに基づく宗教の国際比較研究
登録日 : 2014-08-27
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
タイの僧侶についての重厚な実証研究
東北タイの開発僧─宗教と社会貢献 / 櫻井義秀. - 梓出版 , 2008
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タイにおいて教育や地域開発、福祉事業などの各種開発を行ういわゆる「開発僧」と呼ばれる僧侶たちへの丹念な聞き取り調査に基づいた実証的な宗教研究・地域研究。「宗教と社会貢献」「タイ研究の動向」「南部タイの暴力」などの大きな議論を踏まえたうえで、僧侶の実証研究が紹介される。
実証研究の最大の目玉は、東北タイの三地点、約100名を超える僧侶の比較研究である。「開発僧」として著名な僧侶のみならず「一般的」な僧侶なども検討していくことで、地域社会における僧侶の役割、「開発僧」と「一般的」な僧侶の連続性、「開発僧」が「開発僧」たる上での政治的... [続きを読む] |
登録日 : 2014-08-27
名著
- 推薦者 : 寺沢重法 所属 : 文学研究科 身分 :
気軽に読める現代台湾の概説書
現代台湾を知るための60章(第2版) / 亜洲奈みづほ. - 明石書店 , 2012
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明石書店の地域研究シリーズの1冊。1章4~6ページの分量で、政治・経済・教育・文化・宗教・日台関係など様々なトピックを60章で紹介しています。内容も現代台湾に関する読み切り型のエッセイ・ルポルタージュ風のものが多いため、興味をもった箇所から気軽に読むことができます。現代台湾に興味をもったらまずは本書を手に取ってみると良いでしょう。 |
登録日 : 2014-08-27
学習に最適
- 推薦者 : 千葉惠 所属 : 文学研究科 身分 :
Japan’s Best
登録日 : 2013-11-25
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 戸田 聡 所属 : 文学研究科 身分 :
イエス・キリストってどんな人だったの?
イエスの影を追って / ゲルト・タイセン. - ヨルダン社 , 1989
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聖書やキリスト教の中心的テーマはやはり何と言ってもイエス・キリストであり、そのイエスがどういう人物だったのかという問いは、そういう研究の根底にある問題だと言えます。学問的にイエスの生涯を論じた書物は他にも数多くあり、その意味では別の本も薦められますが(例えばE・P・サンダース『イエス』)、読み物としてはタイセンのこの本がお薦めです。
実は、イエスの生涯を物語風に書いた本も既に数多く世に出ており(例えばモーリヤック、遠藤周作、三浦綾子)、それらもそれぞれに一読の価値がありますが、このタイセンという著者は、もともと新約聖書を専門的... [続きを読む] |
登録日 : 2013-05-30
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
誤解の連続は新たな思想を生むか
仏教、本当の教え-インド、中国、日本の理解と誤解- / 植木雅俊. - 中央公論新社 , 2011
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大学で哲学を学んでいた時、先輩から「結局ドイツ観念論哲学というのは、フィヒテとシェリングとヘーゲルがカントをどのように“誤読”したかの歴史だ」と言われて、へえぇ、そんなもんなの、と思ったことがある。この本は、帯に書かれた「壮大な伝言ゲームの果てに。」という一句に惹かれて買ってしまったのだが、読んでみると結構面白かった。その面白さというのは、-著者には申し訳ないけれど-謂わば底意地の悪い面白さで、これまでの翻訳者(=謂わばその学問の世界ではお偉いさん)や、さらには道元や親鸞などの宗祖までもがどのように仏典を誤読してきたかが、宗教... [続きを読む] |
登録日 : 2012-05-01
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
『聖書』成立のドラマに迫る
聖書の起源 / 山形孝夫. - 筑摩書房 , 2010
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山形孝夫氏の本の中では、過去に『砂漠の修道院』をこの「本は脳を育てる」に推薦したことがある。あの本が砂漠の修道院に生きる修道士達の人間ドラマとして読めるとすれば、今回推薦する『聖書の起源』は、『聖書』という信仰の書が現実の一つの書物として成立していく過程に込められた(ナザレのイエスや福音書記者達の活動を含めた)様々な事象の展開としてのドラマと読めるだろう。要となるのは『聖書』を古代オリエント世界の神々との関係-ある意味ではパワーゲームと言い換えても良い-の中で形成されたものと... [続きを読む] |
登録日 : 2011-01-04
名著
- 推薦者 : 千葉惠 所属 : 文学研究科 身分 :
学際的研究の模範
光と視覚の科学―神話・哲学・芸術と現代科学の融合― / アーサー・ザイエンス. - 白掦社 , 1997
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本書は物理学者であるザイエンスによる、一切のものの基礎にある光についての哲学、宗教、芸術など人間の知力と想像力を駆使して解明にせまる、通史としての学際的研究の著しい成功例である。光の解明に取り組む物理学者、哲学者、数学者たちの知的営為が彼らの人間性を知らせる興味深いエピソードとともに、わかりやすく解説されている。「あらゆる物理系の振る舞いの背後、あらゆる物理法則の背後に何があるのか」という問いが本書を読むことにより道理あるものとして受け止められるのは、事物の一切に浸透する光という形而上学的な対象の故にであろう。アインシュタイン... [続きを読む] |
登録日 : 2009-07-03
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「自分」の深奥をのぞく
砂漠の修道院 / 山形孝夫. - 平凡社 , 1998
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ややもすれば抹香臭い表題ですが、エジプトの砂漠の修道院に引きつけられてきた人々の心の遍歴と葛藤、そのような心性を生み出すエジプトの社会と歴史が生き生きと描かれている、読み応えのある本です。特に修道士一人一人の聞き取り調査に基づくストーリーは、普段うかがい知ることが難しい「修道院」の生活と、そこに何かを求める魂のありようをキリスト教という枠組みを超えて明らかにしてくれます。キリスト者であってもなくてもここに描かれた修道士の誰かに、読者が共感できる人物を見つけることができると思います。「世間」と「自分」との葛藤をどう受け止めるかと... [続きを読む] |
登録日 : 2009-06-08
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 大平具彦 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
フランス人画家が描く日本古代神話の色彩曼陀羅の世界
日本神話 / マークエステル. - Xiang-Hap社(香港) , 2006
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このずっしりと重い大判の画集を開いてゆくと、驚きを禁じえない。日本の原点とされてきた『古事記』の世界が、われわれが何となく思い描いていたものとはまるで違う壮大な色彩宇宙として展開してゆくのだ。古事記の物語世界に肉迫してゆくそのイメージ力の雄渾さ。創世神話を彩って華麗に舞い上がるその色彩のド迫力。これまで誰がこのような途轍もないスペクトルでわれわれの神話世界を表現してきただろうか。
描いているのは、大の親日家であり――首相経験者から著名歌手にまで及ぶその交友の広さは驚くばかりである――、日本文化に非常に造詣の深い現代フラン... [続きを読む] |
登録日 : 2008-12-25
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 岸本晶孝 所属 : 理学研究科 身分 :
宗教と科学
The God Delusion / Richard Dawkins. - Bantam Press , 2006
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ドーキンス氏はこの書において、神が存在しないことがその存在することよりも圧倒的に確からしいことを、進化論的観点から示します。(ただし、ここでいう神とは、万物を創造し人間に賞罰を与える超自然的存在のことで、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神が想定されています。)しかし、有史以来、人類は宗教とともに歩んできたようです。宗教を信奉するひとが無宗教のひととの相克に勝ち抜き、自然淘汰の試練を潜り抜けてきたからには、少なくとも宗教に存在価値があるからではないかという疑問が起こります。著者は、それが危険に満ちた環境での人類の生存に適した心... [続きを読む] |
登録日 : 2007-01-30
ぜひ読んでみてほしい
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