言語学・語学 一つ上のジャンルへ
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- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
「新しい」学問の「古典」
言語と社会 / P.トラッドギル著 ; 土田滋訳. - 岩波書店 , 1975
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推薦文タイトルの”「新しい」学問の「古典」”という表現はそのまま読めば形容矛盾でしかない。しかし、この本は、社会言語学という1960年代から形成され始めた「新しい」学問の分野においては紛れもなく今や「古典」であり、タイトル通り「言語」と「社会」を見るための視点や研究の方法を手際よく整理して提示している。現在、社会言語学についての概論書、入門書は数多く出版されているし、その対象や方法も発展しているけれども、この本に盛り込まれた内容は今日でも(あるいは今日なお)有益であり学ぶことが多い。社会言語学という個別分野だけでなく、言語と社会の関... [続きを読む] |
登録日 : 2018-01-29
基本書
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
その日本語にはわけがある!
揺れ動くニホン語 : 問題なことばの生態 / 田中章夫. - 東京堂書店 , 2007
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「日本語の乱れ」ということが時々メディアを賑わせる。しかし、これは言ってみればジャーナリズムや素朴な庶民感覚レベルの言い方で、その背後には(どこかに)“正しい(あるいは美しい)”日本語のあるべき用い方がある(はずだ)という一種の思い込みが隠れている。言語研究の観点から言えばこれが「乱れ」ではなく「変化」や「揺れ」であることは専門家の間では周知のことである。この本は、多様な現れ方をする日本語の表現を歴史的・計量的に分析し、実は「乱れ」と見えたものもそれなりの背景や理由があることを分かりやすく説明している。言語現象に対する切り口も... [続きを読む] |
登録日 : 2017-06-09
学習に最適
- 推薦者 : 水本 秀明 所属 : 外国語教育センター 身分 : その他
日本初の本格的な日本語・フィンランド語辞典
登録日 : 2017-06-08
学習に最適
- 推薦者 : 小泉均 所属 : 工学研究院 身分 : 教員
英語に関する素朴な疑問について、英語の歴史に基づき答える本
はじめての英語史 : 英語の「なぜ?」に答える / 堀田隆一. - 研究社 , 2016
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英語に関する素朴な疑問について、英語の歴史に基づき答えている本である。なぜ母音で始まる単語の前の不定冠詞はanで子音で始まる単語の前はaなのか?(通常の英文法の解説とは逆で、oneの弱形のanがはじめにあり、子音で始まる単語では、子音が連続するためnが脱落した)、数詞oneに対して、なぜ1番目はfirstなのか?なぜ日本語では姓+名の順なのに、英語では名+姓の順なのかなど興味深い話題が多い。このような事を知らなくても、英語の習得には支障はないのかもしれない。しかし、そうなる理由がわかっている方が記憶に残るし、英語に対する興味が増す。英語の修得に、必ず... [続きを読む] |
登録日 : 2017-05-16
学習に最適
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
言語をめぐる思惟を広く捉えるために
ドイツ言語哲学の諸相 / 麻生建. - 東京大学出版会 , 1989
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以前奨めてくれる人があって、飯田隆『言語哲学大全Ⅰ~Ⅳ』(勁草書房)を読んでみたことがある。確かに現代の言語哲学、あるいは分析哲学をフレーゲからデヴィッドソンまで熱く語っている良書ではあるのだが、これをもって「大全」ということには大きな不満を覚える。その点は飯田氏も分かっているようで、第Ⅰ巻の冒頭で「『大全』というのは、さすがに私にしても調子に乗り過ぎという感がしないでもない」と書いている。この本を「大全」と言ってほしくないのは、対象がフレーゲとヴィトゲン... [続きを読む] |
登録日 : 2017-05-12
基本書
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
「日本語を教える」現場の熱気を伝える
世界の日本語教室から-日本を伝える30ヵ国の日本語教師レポート- / 国際交流基金. - アルク , 2009
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ここ何年か国際教育研究センターで(旧留学生センター時代から)全学教育科目に「外国人に日本語を教える」という「総合科目」を提供している。受講動機は様々であろうが日本語教育に関心を持ってくれる学生が一定数いるようで関係者としては有り難く思っている。この本は、そんな、日本語教育に関心を持っている学生がちょっとだけその―特に海外の―現場を覗いてみたいと思った時に気軽に読めるものとして紹介しておきたい。内容は、外務省の外郭団体である国際交流基金が世界各国に派遣した日本語教育専門家の手になる現地レポートである。日本語教育の現場の雰囲気を少しで... [続きを読む] |
登録日 : 2017-05-08
基本書
- 推薦者 : 小俣友輝 所属 : URAステーション 身分 : その他
言葉の違い、考え方の違いは面白い!
登録日 : 2016-12-26
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
おじさんも、若い人も語学を楽しむために
おじさん、語学する / 塩田勉. - 集英社 , 2001
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あるきっかけからフランス語を勉強することになったおじさんの奮闘記、という形をとって語学を身につけるための秘訣と、それだけでなく異文化との関わり方を気づかせてくれるユニークな本。語学大好きな人にも語学嫌いな人にもお薦めしたい。
ただ、悲しいかな外国語の先生は日本語はお得意ではないようで、この中にも日本語の間違いが一箇所ある。探してみてほしい。 |
登録日 : 2016-12-15
学習に最適
- 推薦者 : 橋本 努 所属 : 経済学研究科 身分 :
現代を代表する思想家のチャールズ・テイラーの最新書であり、英語の教材としても最適である。
登録日 : 2016-11-08
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「辞書にはドラマがある」
<辞書屋>列伝-言葉に憑かれた人びと- / 田澤耕. - 中央公論新社 , 2014
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以前の推薦文に、最近岩波新書(新赤版)がつまらなくなってきた、と書いたが、最近の新書(岩波に限らない)ときたら、もう池上彰、佐藤優、島田裕巳、内田樹ばかり目立つ(少し前ならこれに香山リカも入っていた)。商業的に売れる本を書きたいというのは出版社の本音だろうし、若者の読書離れなどということも言われる中で出版社の新書編集部も大変だろうなぁとは思うが、こうも顔ぶれが変わらないと彼らの熱烈なファンでない限り購買意欲が逆にそがれてしまう。それにしても、この四人はよくも新書の大量執筆ができるもので、その点はうらやましい限りである。
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登録日 : 2016-06-19
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
日本語研究の面白さに触れる
ヴァーチャル日本語役割語の謎 / 金水敏. - 岩波書店 , 2003
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最近は学問研究、あるいは学術研究の対象化のペースが極度に速くなっていて、ついこの間「オネエ言葉」という表現が使われ出したと思ったらもうオネエ言葉の研究書が出ている、といった具合である。この本は、様々な職業・性別・時代等々に応じて現れる固有の(と見える)表現を「役割語」という概念によって分析することで見えてくる日本語の姿を明らかにしたものであるが、古今東西の文学作品からマンガ、はては『スター・ウォーズ』から『ハリー・ポッター』まで題材にしてまさに縦横無尽に切りまくる、読み応えのある一冊となっている。日本語に興味はあるが難しそうで... [続きを読む] |
登録日 : 2016-05-02
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
ことばはどのように情報を伝えるのか?
文法と談話の接点-日本語の談話における主題展開機能の研究- / 砂川有里子. - くろしお出版 , 2005
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この本は、本格的な専門書であるが、丹念に読んでいけばきちんと分かるように書かれた本であり、日本語の働き方について新しい知見を与えてくれるものである。専門的に言えば、談話文法を機能言語学的に考察したものであるが、その内容を噛み砕いて言うならば、日本語の中でどのように情報が情報として現れそれが伝えられていくか、そのメカニズムを明らかにしたものである。将来日本語について研究してみたいと考えている人や、既に談話文法に関心のある人に広く一読を勧めたい。 |
登録日 : 2016-03-12
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
日本語教育史研究の金字塔、ついに成る!
戦時期における日本語・日本語教育論の諸相-日本言語文化政策論序説- / 田中寛. - ひつじ書房 , 2015
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長年にわたって、日本語教育史、日本語教育政策の研究に携わってこられた著者の業績の集大成とも言える大著である。副題に「序説」とあるが、決して「序説」ではなく、日本語教育の過去の歴史を批判的に受け止め、これと対決しながら日本語教育のあるべき姿を真摯に問うたその解答と言うべき著作である。今後の日本語教育史研究、日本語教育政策研究は、本書と、これに先行した関正昭『日本語教育史研究序説』(スリーエーネットワーク)を不可欠の必読書として出発しなければならない。まさに今、日本語教育史研究の“新しい”歴史が始まる。本書はその幕開けとなるものと... [続きを読む] |
登録日 : 2015-07-14
基本書
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「まとも」な議論をするために
反論の技術-その意義と訓練方法- / 香西秀信. - 明治書院 , 1995
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この本は実は一時期僕の日本語の授業のタネ本であった。どのようにしたら留学生に、与えた課題とかみ合う文章(議論)を書けるように指導できるのか困っていたときにこの本に出会って、その説得力ある書きぶりと豊富な実例に蒙を啓かれる思いがしたものである。(ただ、正直、この本の助けを借りて行った授業実践に対する留学生の反応は賛否真っ二つであった。)
書名に「技術」と書いてあるが、所謂ハウツー本の域を超えて「反論する」ということが学問にとっていかに重要な知的営為かを詳しく説いており、読み物としてもおもしろい。この本に書いてある「訓練方法」を... [続きを読む] |
登録日 : 2015-02-20
学習に最適
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
ちょっと残念な、しかし面白い対談
対論 言語学が輝いていた時代 / 鈴木孝夫・田中克彦. - 岩波書店 , 2008
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鈴木孝夫と田中克彦のお二人は、特に日本語に於ける漢字の使用を巡ってそれぞれの著書の中でまったく反対の立場を表明してきた。この本ではそのあたりを巡って激論が交わされるのかと思いきや、お二人とも妙におとなしくなってしまっていて(よく言えば紳士的なのかもしれないが)日頃の舌鋒の鋭さはどこへやら、落としどころをうまく見つけて話が進んでしまっている。これはちょっと読者の期待を裏切りすぎるんじゃないのかなぁ、と思う。日本語教師の僕としては、日本語教育に好意的な鈴木氏と、(今の)日本語教育に批判的な田中氏の論争も期待したのだが、それはタイトルが... [続きを読む] |
登録日 : 2015-02-04
学習に最適
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
日本語教育に関わりたい人に
日本のことばとこころ / 山下秀雄. - 講談社 , 1986
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日本語教師として30年近く働いてきてまだ人生を回顧するのは早すぎると思うけれども、この仕事を選んだ自分にとって「恩師」と呼べる先生は3人いる。この推薦書の著者である山下秀雄先生もそのお一人で、講習会や研究会で多くのことを教えていただき、海外に教えに行っていたときにもいろいろと心配りをしていただいた。先生は、平成10年9月に交通事故で亡くなられ、その前日の夕刻に僕に宛てて出されたお手紙がこの世での最後の書簡となった。それは今も僕の手元にある。
本書は、山下先生が、日本語教師としての長年の経験と研究から、外国語としての日本語を見るための... [続きを読む] |
登録日 : 2014-07-12
基本書
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
人の振り見て我が振り直せ
カネを積まれても使いたくない日本語 / 内館牧子. - 朝日新聞出版 , 2013
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最近の出版業界は「脅迫産業」めいてきたところがあり、本の表題にやたらと「知らないと恥をかく~」だの「あなたもきっとだまされる」だの「~のウソ」だの「その○○は恥をかく」だの、これでもかとばかりに読者を不安がらせ(て買わせ)ようとするフレーズを入れるものが多い。こういった表題の本は、おおむね中身はたいしたことがないので買わないことにしているが、ここに挙げた内館氏の本は、その大仰な表題に似合わず、今使われている、あまり適切とは言えないことばづかいを丁寧に拾い上げて論評しており、まさに「人の振り見て我が振り直せ」で、自分の日本語の使... [続きを読む] |
登録日 : 2014-07-12
学習に最適
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
読み物として面白い文章読本
思考のための文章読本 / 長沼行太郎. - 筑摩書房 , 1998
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ここ何年か、「一般教育演習(フレッシュマンセミナー)」で日本語文章表現関係の授業を開講しており、その参考とするためにあれこれの文章読本を45冊ほど読んで、今46冊目を読んでいる。率直に言って授業の素材として役に立ったものはほとんどなく、推奨できるものは4、5冊程度である。そして、これらの推奨できる数少ない本も、どう言ってみても結局はハウツー本であり、面白さという点ではほとんど期待できない。その中にあって、長沼氏のこの本は唯一と言っていいほど読み物としての面白さがある文章読本である。この本を通して読者は、文章作成の根本にある「問い」を立てる... [続きを読む] |
登録日 : 2014-06-20
学習に最適
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
英語と格闘した日本人の足跡を辿る
日本英学のあけぼの-幕末・明治の英語学- / 惣郷正明. - 創拓社 , 1990
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20年以上まえに出たこの本を今頃推薦するのは実は大変恥ずかしい。というのは、出版されてから割合すぐに買い求めたのだけれど、最近まで“本棚の肥やし”にしてあって読んでいなかったからである。(言い訳すれば、昔、僕の恩師も「20年前に買った本がまだ読めないんだ」とぼやいていたので、同じようなことは案外あるのかもしれない。)
「英学」という表題はいかめしいが、要するに日本人が英語と接して以来、どのようにこの言語を勉強しようと工夫なり悪戦苦闘なりを重ねてきたかの歴史が描かれているものであり、具体的な教科書や参考書や辞書、果てはかなり怪しげ... [続きを読む] |
登録日 : 2012-11-15
名著
- 推薦者 : 河合剛 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
short talks about language and linguistics
登録日 : 2012-09-25
学習に最適
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