哲学・思想 一つ上のジャンルへ
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- 推薦者 : 橋本雄 所属 : 文学研究科(日本史学講座) 身分 : 教員
仏教って、こんなに素晴らしいものなんだ。
仏教発見! / 西山厚著. - 講談社 , 2004
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本書は、仏教関連の一般書である。ご自身断っておられるように、本書は純粋に正統的な仏教書ではない、かもしれない。だが、長年、奈良国立博物館で研鑽を積んでこられた氏の、仏教やモノへの愛がギュッと詰まった〈啓蒙の書〉である。
ある日、私はこの本を電車のなかで読み始め、終盤近くでとうとう泣き出してしまった。新書を読んで泣いたり笑ったりなどという経験は、初めてのことである。読者に直接繙いて貰いたいので、ここに詳しくは書かないが、西山氏の手がけた「東大寺のすべて」展(奈良博・二〇〇二年)を、東大寺附属の幼稚園児たちに展示解説するくだり(... [続きを読む] |
登録日 : 2018-03-12
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
戦後日本の思想的骨格を掴む
日本の思想 / 丸山真男著. - 岩波書店 , 1961
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先日必要があって高校の倫理の用語集を見ていたら、丸山眞男が項目立てされて解説が書かれていたので少しびっくりした。同時にもうそういう時代になったのか(=丸山もそういう存在になったのか)とあらためて感じるものがあった。ということは、かなりの北大生が高校時代におそらくこの『日本の思想』を読んでいると思われるので、今更紹介するまでもないのかもしれないが、まだ読んでいない人のためにここに推薦しておきたい。
実は、僕自身はこの本を今読んでも率直に言って“程度の低い常識論”にしか読めない。しかし、裏を返せばそれは、今や常識論に思われるほ... [続きを読む] |
登録日 : 2017-10-04
基本書
- 推薦者 : 今井一郎 所属 : 水産科学研究院 身分 : 教員
ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ送る言葉
ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ : 15歳から始める生き残るための社会学 / 響堂雪乃著. - 白馬社 , 2017
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かつては「陰謀論」あるいは「都市伝説」と言われて一笑に付される様な一見荒唐無稽とも思える事項が,実は真実の場合がある。アメリカ同時多発テロ事件は,陰謀論の最たるものと言われて来た。しかし,死の床にあった元 CIA 局員、マルコム・ハワード氏は、ビル等の破壊に関する経歴や技術を持っていたことから、ニューヨークの世界貿易センタービルの破壊プロジェクトを CIA の幹部から強要されたとの内容を告白した。この事から,同時多発テロ事件は CIA の実行した,アメリカ政府による自作自演のテロである事がつい先日(2017年7月13日)判明した。この事件はアルカイダによる... [続きを読む] |
登録日 : 2017-08-09
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
哲学を体現した人の生涯
登録日 : 2017-08-07
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 橋本努 所属 : 経済学院 身分 : 教員
「幸福とは何か」「善く生きるとはどういうことか」を問う新しい教養の書
登録日 : 2017-08-04
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 : 教員
「知の巨人」たちはいかに思索したか
柳田国男と梅棹忠夫 : 自前の学問を求めて / 伊藤幹治著. - 岩波書店 , 2011
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先に竹内好の『日本とアジア』をこの「本は脳を育てる」に推薦したが、その中で竹内好がしばしば言及している一人が梅棹忠夫である。日本の知識人―という言い方を梅棹は嫌うだろうが―のアジア理解、文明観を問題にする上で避けて通れないと竹内は感じ取ったのだろう。その梅棹の知的営為を、先行する柳田国男のそれと対比的に考察し、そこに共通するものと相違するものを読み解こうとしたのが本書である。一つの学問を作り上げることの奥深さを知ることのできる好著として推薦したい。 |
登録日 : 2017-08-04
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 田畑伸一郎 所属 : スラブ・ユーラシア研究センター 身分 : 教員
フィンランドの歴史を深く理解するための好著
登録日 : 2017-06-03
学習に最適
- 推薦者 : 松田康子 所属 : 教育学研究院 身分 : 教員
すべての学び手に
ケアの本質 : 生きることの意味 / ミルトン・メイヤロフ著 ; 田村真, 向野宣之訳. - ゆみる出版 , 1987
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本書は、MILTON MAYEROFF著 On Caringの訳書です。対人援助職にとどまらず、すべてのケアの担い手にとって、ケアの営みにおいて常に立ち戻るべき本質が示されており、哲学書にしてはやさしい言葉で綴られている書物です。日本語も英語も一見すると、平易な言葉が並んでいるのですが、何度でも噛み締め味わうことができる論考です。高等教育機関において、「すべての学び手に」としてオススメしたい点は、メイヤロフが、ケアの対象を人のみならず、芸術、概念、理念というものにまで広げて考えているところです。メイヤロフは、ケアリングとは、ケアの受け手が他の誰かをケアできるよ... [続きを読む] |
登録日 : 2016-12-27
基本書
- 推薦者 : 野中雄司 所属 : 附属図書館 身分 : 職員
これから「どう生きるか」を改めて考えたいときに
君たちはどう生きるか / 吉野源三郎. - 岩波書店 , 1982
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この本は、軍国主義が勢力を強めつつあった昭和十二年に山本有三が少年少女向けに偏狭な国枠主義を越えた自由で豊かな文化のあることを伝えようとして編纂した『日本少国民文庫』シリーズ中の「倫理」を扱ったものです。私はこの少年少女向けの本を25歳を過ぎてから読みましたが、恥ずかしながら「勉強する意味」などハッとさせられる部分が多くあり感銘を受けました。読了後少し恥ずかしく思いつつ解説を読んでいると、なんとかの丸山眞男も大卒後東大法学部の助手になり研究者になった後に読み「私の魂をゆるがした」と記されており、驚いたのと同時にほっとしたことを覚... [続きを読む] |
登録日 : 2016-12-12
名著
- 推薦者 : 小林和也 所属 : 高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター 身分 : 職員
生き方について考えることをやめて何らかの実験を生きるには
登録日 : 2016-11-30
基本書
- 推薦者 : 小林和也 所属 : 高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター 身分 : 職員
ゾーンへの招待
登録日 : 2016-11-30
名著
- 推薦者 : 長堀紀子 所属 : 女性研究者支援室 身分 : 教員
関西弁のゾウの神様に教わる人生で大事なこと
登録日 : 2016-11-30
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 佐々木亨 所属 : 文学部 身分 : 教員
「修行とは矛盾に耐えること」とは、名言?、迷言?
赤めだか / 立川談春. - 扶桑社 , 2015
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私がこの本に出会ったのは、つい最近です。それは、このところ落語に興味を持ってきたことに関係しています。著者の立川談春は、5年前に亡くなった立川談志の弟子です。
談志は、名言、迷言、暴言の多い落語家でした。名言としては、「修行とは矛盾に耐えることである」、「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬という」など、短い文で人間の行為の本質を的確に捉えたものが多いです。この本には、その談志の弟子である談春の修業時代からの苦労話が、たくさん詰まっています。
私は、... [続きを読む] |
登録日 : 2016-11-27
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 戸田 聡 所属 : 文学研究科 身分 : 教員
いかに生きるか ―附属図書館企画「少年よ、学部を選べ」に寄せて―
『余の尊敬する人物』 他 / 矢内原忠雄 他. - 岩波書店 他 ,
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学内の知らせで、「少年よ、学部を選べ」という附属図書館企画があることを知ったが、この文章の主たる対象読者は既に学部を選んでしまっている学生諸君であるだろう。とすれば、今さら「学部を選べ!」と言われても「は?」といった応答しか返ってこないであろうことは必至である。むしろやはり、「生き方を選べ!」とか(ちと高圧的か?)、「いかに生きるか?」といった見出しで書くほうが、どのみち同じ内容だとしても、まだしも受け入れられやすいのではなかろうか。
などと書きはしたものの、自分の人生論をぶつことができるほど筆者(戸田)は老成している... [続きを読む] |
登録日 : 2016-11-25
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 敷田麻実 所属 : 高等教育推進機構 身分 : 教員
君は、「面白い研究」をつまらなくプレゼンできないはずだ
勝率2割の仕事論 : ヒットは「臆病」から生まれる / 岡康道. - 光文社 , 2016
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岡はクリエイティブディレクターであり、またコマーシャルを作成するプランナーの肩書きを持つ。大手の広告代理店に勤めた後、仲間と独立し「TUGBOAT(タグボート)」(広告代理店)の代表を努めている。その岡が本書で強調するのは、「仕事の勝率は2割でよい」ということではない。岡が、クライアントの要求を超えて、彼らが気づいていない隠れた意図を提案したり、メッセージ性の強い仕事をしていると、結果的に勝率は2割になってしまうということだ。
彼の仕事と研究者の仕事の共通点は、「人の金」を使って仕事をしていることである。彼らはクライアントの資金を... [続きを読む] |
登録日 : 2016-11-20
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 瀬名波栄潤 所属 : 文学部 身分 : 教員
男性性研究の古典
登録日 : 2016-11-14
名著
- 推薦者 : 橋本 努 所属 : 経済学研究科 身分 :
現代を代表する思想家のチャールズ・テイラーの最新書であり、英語の教材としても最適である。
登録日 : 2016-11-08
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
東北大震災以後の日本を世界史的規模で考える
3・11以後この絶望の国で : 死者の語りの地平から / 山形孝夫・西谷修. - ぷねうま舎 , 2014
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この本は、東北大震災で被災した宗教学者の山形孝夫氏と、現代思想のあり方を問い続けてきた哲学者の西谷修氏との対談である。表題を見ると、現代の日本を直接の対象としているようであるが、むしろ対談者のお二人の中心問題は、(制度的)キリスト教世界の成立とそれが世界に何をもたらしたかということにあり、その延長線上で、ある時点から道を踏み外し始めた世界と、「死者の口封じ」の道具と化してしまった宗教への危機感が語られる。東北大震災はその具体的な危機の露呈の現場として考察され、その危機的状況からのどのような救いの道があるかは、山形氏の”つぶやき... [続きを読む] |
登録日 : 2016-09-24
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
いつの時代にも共通する「悶々」
恋愛論 / スタンダール. - 岩波書店 ,
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スタンダールの『恋愛論』と言えば、「結晶作用」や「恋愛の四分類」であまりにも有名であるが、これらのことばだけが一人歩きしてしまっている観がなきにしもあらずである。この本は、周知のようにスタンダール自身がある女性との恋愛に悶々としていた経験を下敷きにして、当時のヨーロッパの知識人の12世紀から18世紀にわたる古典的教養を背景として書かれた人間観察の集成と言えるものである。そこに描かれる様々な恋愛事情の「悶々」は、21世紀日本の我々には分かりにくい部分や、今なら御法度になる部分を含んではいるものの恋愛という経験について今なお教えてくれると... [続きを読む] |
登録日 : 2016-09-24
名著
- 推薦者 : 中村重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター 身分 :
「男対女」の構図をいかに乗り越えるか
男子問題の時代?-錯綜するジェンダーと教育のポリティクス- / 多賀太. - 学文社 , 2016
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ジェンダー、あるいは男女平等/差別の問題が語られるときにほぼお決まりになっているパターンとして「男は支配する側、女は支配される側」あるいは「男は加害者、女は被害者」という言説がある。日本の社会のかなりの部分でそれは当てはまるのかもしれないが、僕はこの見方には強烈な反発を持っている。それは、“日本語教師”という「女性8割、男性2割」の業界で働いてきた経験から、女性が多数者側になれば「女性は加害者、男性は被害者」という事態も容易に出現することを知っているからである。そのような意味で日本のジェンダー研究はまだ色々なことを考え直さなければ... [続きを読む] |
登録日 : 2016-08-15
HOT TOPIC!(時事的なもの)
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