歴史に分け入る/世界を知る
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- 推薦者 : 西昌樹 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
占領を知らない世代へ
占領下パリの思想家たち / 桜井哲夫. - 平凡社新書 , 2007
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ナチスドイツ占領下のパリで、知識人たちはどう生きていたか。サルトル、カミュ、バタイユ、フーコー、レヴィ=ストロース、サン=テグジュペリ...沖縄だけでなく、日本全土がアメリカに占領(進駐軍と言い換えていたが)された日々はついこの前である。戦争も占領も知らなければ、せめて本や映像で知ろうとしてほしい。フランスの現代史を知るには、海原峻「フランス現代史」(平凡社、名著)がおすすめ。それを読んで、この本の前段の桜井「[続きを読む] |
登録日 : 2007-02-20
基本書
- 推薦者 : 西昌樹 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
知らない歴史もある
ひめゆり忠臣蔵 増補新版 / 吉田司. - 太田出版 , 2000
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沖縄の「ひめゆり部隊」は知られている。しかし沖縄戦は沖縄の悲劇であり、沖縄の人々は軍国主義日本の被害者とだけ言って良いのだろうか。戦後占領し統治したアメリカに対して、復帰運動の中心になった教職員組合は戦前戦中はなにをしたのか(戦後アメリカの援助でアメリカ留学した人もいる)。そしてひめゆりはただ犠牲になった無辜の乙女たちだったのか。著者は人が隠し見たくないこと、忘れてしまいたいことを暴き出す。その主張に賛成できなくとも、歴史は一方からだけでなく、複眼で見なければならないことを痛感させられる。広島、長崎の原爆もなぜそこが選ばれたの... [続きを読む] |
登録日 : 2007-02-13
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 岸本晶孝 所属 : 理学研究科 身分 :
占領下日本と憲法
敗北を抱きしめて(上下) / ジョン・ダワー. - 岩波書店 , 2001,2004
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この国の憲法を「押し付けられたものだから」(を理由のひとつとして)改正しようとする動きがあります。近隣諸国との諍いをも厭わず戦死者の霊を慰めることに熱心な人たちですから、敗戦後の生活の塗炭の苦しみに加えて意に染まぬ憲法を押し付けられるという精神的苦痛を味わった当時の庶民への同情に突き動かされて発議したのかと思っていましたら、そうでもなさそうです。いかに歴史を学ばないひとでも、当時の人々のほとんどが解放感に包まれてこれを歓迎したことは知っているでしょう。それとも、その始祖たる時の首相吉田茂が天皇裕仁のまえで「臣茂」と名乗ること... [続きを読む] |
登録日 : 2007-01-17
名著
- 推薦者 : 川島真 所属 : 公共政策大学院 身分 :
東アジアの歴史認識問題と対処案を知る一書
登録日 : 2006-08-30
HOT TOPIC!(時事的なもの)
- 推薦者 : 川島真 所属 : 公共政策大学院 身分 :
戦後の日中関係を知る基本書
日中関係 : 戦後から新時代へ / 毛里和子. - 岩波書店(岩波新書) , 2006
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日中関係は、ますます難しい段階に入ってきました。しかし一方で、経済文化交流はきわめて盛んになり、学生諸君が将来にわたって中国と無関係でいるということは、ほとんどなくなってきています。日本と中国のかかわりの経緯と現状、そして将来についてコンパクトに知ることができる一書です。 |
登録日 : 2006-08-30
基本書
- 推薦者 : 岸本晶孝 所属 : 理学研究科 身分 :
歴史を通じて現在をみる
憲法で読むアメリカ史(上下) / 阿川尚之. - PHP研究所 , 2004
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アメリカは歴史の浅い国というひとがいますが、それは果たして真実でしょうか。アメリカは13の州が連合して1776年に独立し、今に有効な憲法を1788年に制定しました。(世界で現に通用している憲法のなかで最古だそうです。)日本でいえば江戸時代半ばに制定された法律が本質的な変更なく今も、民主主義とその制度を宣言する文書として機能し模範とされていることを想像してみてください。江戸幕府はせいぜい幾つかの「諸法度」のもとで成立していたのです。もちろん、この憲法にも「瑕瑾」がありました。奴隷制度を容認しているととれる条項があることです(しか... [続きを読む] |
登録日 : 2006-08-21
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 高井哲彦 所属 : 経済学研究科 身分 :
国境・領域を超越するユニークな世界交易史
ナマコの眼 / 鶴見良行著. - 筑摩書房 , 1990
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表題だけを見て、近頃流行の食べ物や生き物に関するエッセイだと勘違いすると、良い意味で大きく裏切られるはずだ。この本は、ちっぽけな食材(ナマコ)を切り口にしながら実は、アジア太平洋に生きる人間と交易の世界史を論じる、本格派の社会科学書だからだ。
国境・領域を越えて縦横無尽に駆け巡る構成の壮大さと、モノを軸に万物を網羅しようと試みる実証の緻密さは圧巻だ。この手法は、鶴見良行『カツオとかつお節の同時代史』(コモンズ)にも共通する。
しかも鶴見は、「歩きなが... [続きを読む] |
登録日 : 2006-04-20
- 推薦者 : 下澤楯夫 所属 : 電子科学研究所 身分 :
技術者によるアイヌ語地名の解読の大著
アイヌ語地名の研究 : 山田秀三著作集 / 山田秀三著. - 草風館 , 1982
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アイヌ語など聴いたこともない著者が、新設の化成工場長として登別へ赴任して以来、アイヌ語地名の研究でそれまでの誰よりも大きな足跡を残す。化学技術者としての基本、すなわち実証主義に徹していたからである。
気になるアイヌ語地名があると、現地へ足を運び、必ず地形を観察しスケッチに残し、現地の人々から地名の生活上での使われ方を学び、似た地名と比較し、共通点と差異を洗い出す。自分の調べた結果を持って、金田一春彦や知里真志保といった大家を、大学者とも知らずに訪ねる。
失われたと思われていることでも、意外なところにカケラは残ってい... [続きを読む] |
登録日 : 2006-02-23
名著
- 推薦者 : 蔵田伸雄 所属 : 文学研究科 身分 :
記憶を伝えていくために
登録日 : 2006-02-22
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 下澤楯夫 所属 : 電子科学研究所 身分 :
登録日 : 2006-02-22
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 下澤楯夫 所属 : 電子科学研究所 身分 :
日本の歴史をよみなおす / 網野善彦著. - 筑摩書房 , 2005.7
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高校の歴史教科書とは全く異なる視点で、様々な職能集団(庶民)の生活と意識の変遷を見る。独自性や独創性は、独りよがりのことではない。異なる視点からの知見に裏付けられたてこそ、多様な価値観を認め合うことができることを教えてくれる。 |
登録日 : 2006-02-22
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 加藤博文 所属 : 文学研究科 身分 :
モノにこめられた意味とメッセージ
先史時代の女性 : ジェンダー考古学事始め / マーガレット・エーレンバーグ著 ; 河合信和訳. - 河出書房新社 , 1997.5
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考古学という学問がある。人間の社会を人間が作りだす「モノ」、つまり物質文化資料を通して復元しようという学問である。博物館などに足を運んだことのある人ならば、古い年代順に土器や石器が並べられて、どのように太古の時代から現在まで私たちの歴史が移り変わってきたのかを見たことがるであろう。あの歴史の多く、文字のない時代、物質文化に基づく歴史の復元の多くは、考古学の資料によって復元されたものである。
しかし、考古学は単に容器や道具がどのくらい古いのか、何千年前なのかを単に推定するだけのものではない。またただ容器を形や装飾の違いから... [続きを読む] |
登録日 : 2006-02-22
学習に最適
- 推薦者 : 加藤博文 所属 : 文学研究科 身分 :
生きている自然に出会うための本
イニュニック : 生命 : アラスカの原野を旅する / 星野道夫[著]. - 新潮社 , 1993.12
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ヒトは、旅をすることに特徴をもつ動物「ホモ・モビリタス」であるという人がいる。確かに、見知らぬ土地を訪れて、これまで新たな出会いの中から未知のものに出会うことは大いに刺激的なことである。ヒトは自らが知らないということに気づくことに驚きとともに好奇心を刺激され、知りたいという新たな欲求を得るのである。
大学も新たな出会いと未知の領域を教えてくれる場所であるが、それ以上に無尽蔵の可能性を秘めた空間がフィールドである。私たちを旅立たせてくれるきっかけとなる本と出会えることは、さらに素敵なことである。
一冊の本を紹介したい... [続きを読む] |
登録日 : 2006-02-22
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 西昌樹 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
映像文化論関係
登録日 : 2006-02-21
名著
- 推薦者 : 寺田龍男 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
疲れた時、めげている時におすすめ
何でも見てやろう / 小田実著. - 河出書房新社 , 1969
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日本人がまだ自由に海外旅行をできなかった当時、英語が話せないにもかかわらずフルブライト奨学金の試験に合格して、米国をはじめ世界各地で体験したこと・考えたことをつづった名著。あふれんばかりのヴァイタリティで困難を乗り越え、さまざまな事象を鋭い観察眼で分析した著者に、今でも感心しています。
初めて読んだのは高校一年の時、地理の先生に薦められたのが理由でしたが、当時は著者の年齢(まだ20代)に近かったにもかかわらずさっぱりわかりませんでした。私自身が50に近くなった今、ますます面白くなってきた不思議な本でもあります。 |
登録日 : 2006-02-03
- 推薦者 : 寺田龍男 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
日本社会にもこんな時代があったのかと驚かされました
南北朝の動乱(日本の歴史 ; 9) / 佐藤進一著. - 中央公論新社 , 2005.1
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「忠臣は二君に仕えず」という倫理観がよく知られていますが、そうした考え方が徳川時代に定着する以前は、いわゆる「去就の自由」があり、武士の間で離合集散が激しかったことを実証的に解明した名著です。初版は1965年ですが、歴史の先生方の間では今なお名著の誉れが高いそうです。私の専門はドイツ語教育と中世ドイツ文学研究ですが、昔のヨーロッパにも同様の現象があり、作品や記録文書を読む時、佐藤先生の記述がいつもインスピレーションを与えてくれます。こうした共通の現象がありながら、その後ヨーロッパでは「出世の階段を登るたびに勤務先を変える」ようにな... [続きを読む] |
登録日 : 2006-02-03
名著
- 推薦者 : 池田清治 所属 : 法学研究科 身分 :
西欧文明の源流をたどる
十二世紀ルネサンス : 西欧世界へのアラビア文明の影響 / 伊東俊太郎著. - 岩波書店 , 1993.1
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西欧文明が事実上グローバル・スタンダードとして作用しつつある今日において、その相対化を図る意味からも、西欧文明の由来を探る作業は重要である。それはギリシャ文明に直線的にさかのぼるとイメージされがちだが、実際にはギリシャ文明はまずアラビア世界に伝えられ、そこからヨーロッパ世界にもたらされたものであること、そのため、西欧社会が実際にはアラビア文明に多くを負っていることを本書は教えてくれる。ここから導かれうる示唆は決して一様ではない。しかし、西欧文明に単純に反発するわけでもなく、洗脳されるわけでもないという透徹した態度が可能となろ... [続きを読む] |
登録日 : 2006-01-23
ぜひ読んでみてほしい
- 推薦者 : 加納邦光 所属 : メディア・コミュニケーション研究院 身分 :
登録日 : 2005-07-29
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