「本は脳を育てる」について
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本は脳を育てる ~北大教員による新入生への推薦図書~ 

文学・芸術との対話

JUNLE
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  1. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    「音楽」に対する屈折した思い 
    ピアニストのノート / ヴァレリー・アファナシエフ. - 講談社 , 2012     北大ではどこにある?
    著者のアファナシエフの演奏を学生時代に聴いたことがある。山田一雄指揮の東京都交響楽団定期演奏会でシューマンの「ピアノ協奏曲」だった。なぜそんな昔のことを覚えているかというと、その時初めて聴いたアファナシエフの演奏が非常に“奇妙”だったからである。「違和感」というのでもない、「斬新」というのでもない、ただ、「こんなふうにシューマンも弾けるんだ」という感覚を抱いたことを今でも覚えている。その後、彼のプロフィールなどを知る機会もあったが、この本を読んでみて昔聴いた演奏とどこか重なり合うような感覚を思い出すことができた。この本は、エッ...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-10-08     ぜひ読んでみてほしい

  2. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    運命の残酷さとは 
    ベルリン、愛の物語 : エメーとジャガー / エーリカ・フィッシャー. - 平凡社 , 1998     北大ではどこにある?
    これは、第二次世界大戦期のベルリンに生きた二人の女性同性愛者の運命の記録である。そして、彼女たちの1人はナチスの軍人の妻であり、もう1人は密かにナチスの目を逃れて暮らすユダヤ人だった。あとは本書を読んでいただく方がここに下手な推薦文を書くよりも遙かにその事実が持つ運命的な過酷さとそのような状況を生み出す戦争の本質を感じ取れると思う。彼女たち2人だけでなく、ナチス政権下のベルリンに潜伏するユダヤ人青年たちがどのようにして生き延びるかをそれこそ命がけで考え抜く場面を読んだときには胸が凍るような息苦しさを覚えたものである。

    この本...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-09-25     ぜひ読んでみてほしい

  3. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    物語はまだ終わらない。 
    水滸後伝 / 陳忱. - 平凡社 , 1966     北大ではどこにある?
    ここに推薦するのは、『水滸後伝』である。『水滸伝』ではない。まずその点を間違えないようにお願いしたい。『水滸伝』=本編を推薦していないのに『水滸後伝』=続編を推薦するのは無茶苦茶だという批判もあることは承知の上である。ましてや僕は、本編は横山光輝の漫画版で読んだ(だけな)ので、この推薦はなおさら無謀である。しかしそれでもなお推薦するには理由がある。一つには、大方の学生諸君は小説であれ漫画版であれ本編を読んでいる人は多いだろうと想像できること、二つには、続編という位置づけながらそれ自体でなかなか想像力に溢れた活劇として面白い、と...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-08-22     ぜひ読んでみてほしい

  4. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    現代アラブ文学への扉 
    バイナル・カスライン / ナギーブ・マフフーズ. - 河出書房新社 , 1988     北大ではどこにある?
    『千夜一夜物語』以外でアラブ文学を読んだという人は、おそらくごく少数だろう。現代アラブ文学と聞いてもおそらく作家名もイメージも思い浮かばないと思う。かく述べる僕自身も、自分がエジプトに赴任するまでそれらについては全く知らなかった。ここに挙げる『バイナル・カスライン』とその著者ナギーブ・マフフーズについてもエジプトに行ってから周囲の同僚や学生たちに教えられて知ったのだが、その当時既にこの本を含む「現代アラブ小説全集」は刊行されていた。マフフーズは、アラブ世界初のノーベル文学賞受賞者(1988年)であり、僕がカイロにいたときにはまだ存命し...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-05-23     名著

  5. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    「馬鹿ばかしさのまっただ中で犬死しないための方法」とは何か? 
    赤頭巾ちゃん気をつけて / 庄司薫. - 新潮社 , 2012     北大ではどこにある?
    この小説は、一時期多くの読者の心を捉え、近年また出版社を替えて文庫化されるほどに読み継がれてきた名作である。大学紛争(と言ってももう知識としてしか知らない学生ばかりだろうが)で1969年度の東大入試が中止になるという時代背景の中、東京都立日比谷高校3年生の「庄司薫」君の饒舌的で独白的な文体を軸に綴られたこの作品を高校時代に最初に読んだとき、僕は作者が本当に日比谷高校3年生ではないかと思ったほどである。著者の庄司氏と僕はちょうど20歳の年齢差があるが、僕自身―全盛期末期か凋落期かの違いはあれど―都立高校に在籍し卒業した者として主人公の「薫」君...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-05-15     ぜひ読んでみてほしい

  6. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    もう今はない旧制高校の青春とは 
    どくとるマンボウ青春記 / 北杜夫. - 新潮社 , 2000     北大ではどこにある?
    僕が大学時代に教えを受けた先生方の半数以上は、旧制高等学校の卒業生だった。旧制高校は、戦後は新制大学(の一部)になり、僕ら新制高校卒業世代は知識としてそういうものがあったという形でしか認識していないのだが、実際に旧制高校生活を送った先生方にはその後の人生のスタイル(というと安っぽく聞こえてしまうが)を決定するような大きな影響力のある教育機関だったらしい。最早体験的に知ることのできない、そうした旧制高校の魅力とそこで学生生活を送った著者自身の内面的な成長過程、そして、思わず笑いを誘う、あるいは人生の意味を真剣に考えさせるエピソードの数...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-05-15     名著

  7. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    長編の魅力ここにあり 
    チボー家の人々 / ロジェ・マルタン・デュ・ガール. - 白水社 ,      北大ではどこにある?
    実は僕は長編小説(特に日本の)を読むのは苦手である。登場人物が多くなるので関係を覚えきれない、というより覚えるのが面倒くさいという怠惰な精神のせいなのだが、その結果として山岡荘八『徳川家康』、中里介山『大菩薩峠』、塩野七生『ローマ人の物語』、埴谷雄高『死霊』と、挫折した作品は死屍累々である。その割に西洋文学の長編はなぜか日本文学ほど抵抗なくダンテ『神曲』、デュマ『モンテ・クリスト伯』、そしてこの『チボー家の人々』は結構夢中になって読めた。特に『チボー家の人々』は第一次大戦期のフランスという一種重苦しい時代を描きつつも主人公とな...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-05-13     名著

  8. 推薦者 : 河合剛  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    外国語を楽しみつつ学ぶため、まず小説を得意な言語で丸暗記してから、つづいて学習中の言語で読みなおそう 
    狼と香辛料 : Spice and wolf / 支倉 凍砂(著)、文倉 十(イラスト). - アスキー・メディアワークス 電撃文庫 , 2006-2011     北大ではどこにある?
    外国語を楽しみつつ学ぶ手段のひとつが、まず小説を得意な言語で丸暗記してから、つづいて学習中の言語で読みなおす方法だ。辞書を引く手間がないスピード感、文意を確実に理解できる安心感。

    私は「星の王子様」を英語で暗記し、フランス語で読んだ。

    「星の王子様」では短すぎる、かつ、最初に日本語で読みたい、という諸君に、やや長く、かつ好評な日本語が原作で英訳された作品を紹介しよう。

    漫画・アニメ化もされた、支倉 凍砂(著)、文倉 十(イラスト)の「狼と香辛料」spice and wolf である。賢狼ホロと行商人ロレンスの物語だ。中世ヨー...  [続きを読む]

    登録日 : 2016-02-21     学習に最適

  9. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    冒険記は面白い! 
    世界の測量-ガウスとフンボルトの物語- / ダニエル・ケールマン. - 三修社 , 2008     北大ではどこにある?
    この本は、近代ドイツの学術史に屹立する偉人、数学者のガウスと博物学者のフンボルトの知的探求の冒険を描いた作品である。第一章と第十四章でガウスとフンボルトは邂逅するが、それ以外の章は一章ごとにそれぞれの探求の人生が描かれる。異世界に新しい知識と発見を求めて踏み込んでいくことが(単純に)偉業だと考えられていた時代を現代の視点から振り返るどのように表せるか、ということが興味深く読み取れるだろう。

    勿論、小説なので虚実取り混ぜられており、ガウスが哲学者カントのところに非ユークリッド幾何学の発見を告げに行く部分などは完全なフィクシ...  [続きを読む]

    登録日 : 2015-08-01     ぜひ読んでみてほしい

  10. 推薦者 : 河合剛  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    waiting for the 2nd edition 
    The Billboard Illustrated Encyclopedia of Music: From Rock, Pop, Jazz, Blues and Hip Hop to Classical, Country, Folk, World and More / Paul du Noyer. - Watson-Guptill , 2003     北大ではどこにある?
    The author tackles an enormous challenge: to catalog music. What we should learn as scientists is how to broadly, fairly, and accessibly condense a vast swath of human endeavor. Carl Sagan did it for cosmology. This book attempts to do it for music. The book is out of print, but perhaps soon a 2nd edition might appear. When it does, find it, and learn how to compress large amounts of knowledge into manageable form.

    登録日 : 2015-03-03     ぜひ読んでみてほしい

  11. 推薦者 : 河合剛  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    jazz history, one year at a time 
    The chronicle of jazz / Mervyn Cooke. - Oxford University Press , 2013     北大ではどこにある?
    This book is relatively up-to-date (the revised edition was published in 2013). The book covers in chronological order the history of jazz up to the present time. A fair amount of images is included (unlike Ted Gioia's book, which is all text).

    登録日 : 2015-01-28     ぜひ読んでみてほしい

  12. 推薦者 : 河合剛  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    from seaweed to brass 
    Horns and Trumpets of the World: An Illustrated Guide / Jeremy Montagu. - Rowman & Littlefield Publishers , 2014     北大ではどこにある?
    Designers of electronic musical instruments, especially model-based synthesizers, might take a careful look at the detailed inventory of horns and trumpets in this book. The author includes measurements that help model the instrument electronically. We, as scientists, should marvel and be humbled at the sheer effort required in cataloguing a vast array of objects.

    登録日 : 2015-01-28     ぜひ読んでみてほしい

  13. 推薦者 : 河合剛  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    a guide book for a journey through jazz 
    The Jazz Standards: A Guide to the Repertoire / Ted Gioia. - Oxford University Press , 2012     北大ではどこにある?
    Award-winning Stanford University professor Ted Gioia (who also wrote ''The history of jazz'') explains the songs -- the standards -- of jazz. If you like the book, buy the Kindle version so that you can take it with you to live music events.

    登録日 : 2015-01-28     学習に最適

  14. 推薦者 : 寺沢重法  所属 : 文学研究科  身分 : 

    台湾映画の名作 
    悲情城市 (DVD) / 侯孝賢監督 ; 呉念眞, 朱天文脚本, トニー・レオンほか出演. - Imagica , 1989     北大ではどこにある?
    台湾における日本統治時代・敗戦・戦後初期の中華民国統治時代を舞台に、これらの時代を生きた一族を描いた作品。特に1947年に生じた二・二八事件の一部を描いた映画として有名です。台湾、植民地経験、弾圧、歴史的記憶などに関心のある人に特におすすめです。1989年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞グランプリ受賞作品。

    登録日 : 2014-10-13     名著

  15. 推薦者 : 寺沢重法  所属 : 文学研究科  身分 : 

    台湾の「日本語世代」「日本語人」の語り 
    台湾人生 (DVD) / 酒井充子. - 協映 , 2008     北大ではどこにある?
    戦前の日本統治時代に生まれ、日本統治時代の教育を受けたいわゆる「日本語世代」「日本語人」と言われる人々へのインタビューを収録したドキュメンタリー作品。「どのようなライフコースを歩んできたのか」「日本統治時代にどのような暮らしを送って何を考えてきたのか」「戦後どのような人生を歩んできたのか」など、興味深い話が収録されています。台湾、植民地経験に関心のある人のみならず、社会学・心理学・文化人類学などにおける質的研究・定性的研究に関心のある人にも大いに参考になる作品ではないかと思います。本作品をもとにしたルポルタージュも出版されてい...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-10-13     名著

  16. 推薦者 : 寺沢浩一  所属 : 医学部  身分 : 

    シャーロック・ホームズの観察 
    The complete illustrated Sherlock Holmes / Sir Arthur Conan Doyle. - Omega Books, England , 1986     北大ではどこにある?
    シャーロック・ホームズ全作品がStrand Magazine に掲載された時のSydney Paget らの手になるイラストとともに英語で収録されている。この中で推薦者の特に好んでいるのは、次の3つである。A Study in Scarlet, The Problem of Thor Bridge, and The Adventure of the Lion's Mane.目の前にある問題を解決するためには、知識も有益であるが、観察により推理して結論に至る場合もある。

    登録日 : 2014-08-26     ぜひ読んでみてほしい

  17. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    バッハを聴くために 
    J・S・バッハ / 礒山雅. - 講談社 ,      北大ではどこにある?
    私事から始めるので恐縮だが、僕の父親は、生前「バッハは何を聴いても同じに聞こえるから嫌いだ」と言っていた。まあ、ギターで「湯の町エレジー」(知らないだろうなぁ)を弾くような父親だったから、バッハにそれほど縁があったとは思えないが、幼少時の僕には結構このことばは刷り込みになってしまい、後年楽器を習うようになってからもバッハは聴くのを避けていたところがある。しかし、チェロを習うようになって「無伴奏チェロ組曲第一番」を自分で演奏してみたとき、一見単純に見える楽譜から実に調和に満ちた曲が立ち現れてくるのに驚き、いかに父親のことばがいい...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-06-21     名著

  18. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    死と美意識と 
    太陽と鉄 / 三島由紀夫. - 中央公論新社 , 1987     北大ではどこにある?
    この作品は三島の、精神と肉体の拮抗を軸とした自己認識過程の吐露であるとともに、己の死と向き合おうとする冷徹な美意識の自己表現の書でもある。この本に書かれた思索とその基盤をなす体験の延長線上で三島はあのような「自決」という仕方を選び取ったのであり、その死は三島の、死に対する美意識の自己完結的結晶であったのだ。「国(でも何でもいいが要するに他者)のために自分の生命を投げ出して死ぬ」ということを自分の真剣な問題として考えたいなら、この本は、その内容を肯定するにせよ否定/批判するにせよ、避けて通れない作品であり、今の時代にあらためて読...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-06-20     名著

  19. 推薦者 : 中村重穂  所属 : 国際連携機構国際教育研究センター  身分 : 

    偶像破壊の果てに聞こえるものは 
    ベートーヴェンとべートホーフェン-神話の終わり- / 石井 宏. - 七つ森書館 , 2013     北大ではどこにある?
    近年(だけの現象ではないのかもしれないが)、歴史上の人物像の見直しや新解釈の本が目白押しである(例えば、エヴァリスト・ガロアやレオナルド・ダ・ヴィンチ)。その中で、この本はベートーヴェンの名前の読み方が実は「べートホーフェン」である、というところから説き起こして、よく知られている(らしい)髪の毛を振り乱した眼光鋭い「ベートーヴェン」の肖像が実像とはずれていることに進み、あとはひたすらこれまで語られてきた「べートーヴェン」像を解体して実像を描き出そうとする。その書きぶりは、副題の「神話の終わり」どころかまさに「偶像破壊」といった勢いであ...  [続きを読む]

    登録日 : 2014-03-10     ぜひ読んでみてほしい

  20. 推薦者 : 河合剛  所属 : メディア・コミュニケーション研究院  身分 : 

    The insanely funny author is back! 
    Insane City / Dave Barry. - Putnam Adult , 2013     北大ではどこにある?
    Dave Barry is a Pulitzer-winning comical journalist -- or was -- in Miami, Florida. He hadn't written for some time. But he's back in 'Insane City'. Get some laughs and insights on American society.

    Also read 'Dave Barry Does Japan' -- a hilarious and warm-hearted account of Dave, Beth, and Robby traveling for 3 weeks in Japan when Toshiki Kaifu was prime minister. The times have changed and hopefully the Japanese youth are better at rock'n roll and the entire population has lightened up. Or not. Either way, it's a great way to look at yourselves.

    登録日 : 2013-04-12     ぜひ読んでみてほしい

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