| |
最近は学問研究、あるいは学術研究の対象化のペースが極度に速くなっていて、ついこの間「オネエ言葉」という表現が使われ出したと思ったらもうオネエ言葉の研究書が出ている、といった具合である。この本は、様々な職業・性別・時代等々に応じて現れる固有の(と見える)表現を「役割語」という概念によって分析することで見えてくる日本語の姿を明らかにしたものであるが、古今東西の文学作品からマンガ、はては『スター・ウォーズ』から『ハリー・ポッター』まで題材にしてまさに縦横無尽に切りまくる、読み応えのある一冊となっている。日本語に興味はあるが難しそうで、と二の足を踏んでいる人もこの本の展開にはきっと引き込まれるだろう。日本語のみならず言語研究に興味のある人には是非読んでもらいたい。
なお、付言しておくと、国際連携機構国際教育研究センターの同僚である鄭惠先先生はこの分野の先端的な研究者でもある。この本を読んで引きつけられるところがあったら併せて鄭先生の授業も履修してみてほしい。 |