『聖書』成立のドラマに迫る |
タイトル(書名) | : |
聖書の起源 |
著者 | : |
山形孝夫 |
出版者 | : |
筑摩書房 |
出版年 | : |
2010 |
ISBN | : |
4480092692 |
北大所蔵 | : |
北大所蔵1 |
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推薦コメント |
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山形孝夫氏の本の中では、過去に『砂漠の修道院』をこの「本は脳を育てる」に推薦したことがある。あの本が砂漠の修道院に生きる修道士達の人間ドラマとして読めるとすれば、今回推薦する『聖書の起源』は、『聖書』という信仰の書が現実の一つの書物として成立していく過程に込められた(ナザレのイエスや福音書記者達の活動を含めた)様々な事象の展開としてのドラマと読めるだろう。要となるのは『聖書』を古代オリエント世界の神々との関係-ある意味ではパワーゲームと言い換えても良い-の中で形成されたものとして読み解こうとする意図であり、その中で、ナザレのイエスがいかにして「イエス・キリスト」となっていったのかが明らかにされていく。『聖書』の中の謎めいたたとえ話が持つ古代オリエント世界の奥行きが解き明かされる過程はきわめて興味深い。原著(講談社現代新書版)は30年以上前に刊行されたものであるが、今読んでも面白さは全く変わらない
興味を感じた読者は、さらに同じ著者の『治癒神イエスの誕生』や『聖母マリア崇拝の謎-「見えない宗教」の人類学-』(どちらも図書館にある)も読んでみてほしい。
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