附属図書館で開催した情報検索実習(歯学部)
 
  近年、学術情報が急速に電子ツールに移行し、いまやそれなしに研究文献を収集することは困難となりつつある。そのため歯学部図書室では、平成7年度より大学院一回生の必須科目「歯学研究概論」(年間2単位)の一環として「図書室の利用と文献検索」について講義を行っている。今年度は昼間コース46名(附属図書館で開催2回)・夜間コース7名(歯学部で開催2回)の合計53名を4つの班に分け、各班に対して1時限づつ講義と実習を行った。なお従来、歯学部の検索端末が3台しかなく全員が端末を触ることが出来ないという問題があった。このため今年度は、昼間コース46名2回分の講義は附属図書館参考室設置の9台の端末を借用して開講するということを試みた。
  さて、データベース・電子ジャーナルをはじめとする電子ツールの使い方であるが、対象を特定のツールに限定した上でそこから単にいくつかの情報を取り出すだけなら、さほど困難ではない。しかし研究目的でこれらを使う場合、手に入る限りのツールを駆使して情報を網羅的に収集する必要がある。だから、大学院生対象の情報検索実習を成功させるためには、特定の電子ツールを検索させるだけでは足りず、いかにして各種電子ツールの特性とその相互関係を理解させるかが鍵となる。このため今回の実習では、諸々の電子ツールを使いこなし文献を手に入れる方法を理解させるため、各電子ツールの所収データと検索法の違い及び各電子ツール間の相互関係の解説に重点をおいた。
  実習の内容は次のとおりであった。まずインタネットに存在する研究情報の概要と北大で利用できるデータベースや電子ジャーナルについての解説を行う。次に、医歯薬系データベースPubMedの検索結果を基に、北大蔵書検索システムを使って特定論文を探し出す。
 反省点としては、きちんとした医歯学系マニュアルを準備できなかった点(工業高専のマニュアルを流用)、内容が盛りだくさんになりすぎた点が挙げられる。また各回参加人数に大幅なばらつきがあったため、利用者ごとの理解度に差が出たと思われる。これらの点を来年度に向け修正し、より良いものを作りたいと考えている。


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