医学部図書館の24時間開館について

 
  医学研究科・医学部図書館の24時間開館は、2001101日からの試行に引き続き、200241日より本格稼動を開始いたしました。

  当館の“自動入退館システム”による無人開館(医学部・附属病院の関係機関の所属者に限定)は、199259日より土曜日閉庁に対する処置として開始されました。このことは「楡蔭」No.84(1992)にシステムの内容、構成図と共に、概略が紹介されております。また、当時の医学部図書委員長大里外誉郎先生が、「医学のあゆみ」Vol.164.No.8(1993.2.20)pp615-617で「医学部図書館の無人化管理システムの問題点」として報告されています。この中で「無人の管理システムで開館する場合、図書・機器・建物の管理が主要な問題である。図書館無人管理システムの成否は、利用者のモラルいかんにかかっているのである。」と指摘され、最後に「…、年間を通して多数の利用者に24時間開館を可能にすることが、筆者らの目標である。」と結んでおられました。

  以来、十年余りの時を経て、医学教育をとりまく環境の変化が著しく、全国医科系大学図書館の多くが利用時間、利用者範囲などサービスの拡大に取り組んでおります。
  当、医学部図書館も同様で、現実に学内での医学生物系の研究センターとして機能し、医学部はもとより他学部の方々にも広く利用されています。これらの状況を踏まえて、また利用者の強い要望もあり、当初土曜日9時から1430分までであった無人開館を19971月より17時まで延長し、19994月には通常の有人開館を22時まで延長しました。そして、2001101日より無人開館を夜間・日曜日・祝日にまで拡大した「24時間開館」を試行し、管理・運用上の問題点を調査してきました。この間、医学部学生の24時間の利用希望が非常に強く、これらも併せて実現する方策を考えてまいりました。以上のような過程を経て昨年度末、医学部教授会、事務当局のご尽力で入退管理システムの更新(大和電設工業製 入退管理システム Ver.5.0)が実現しました。今回の主要な変更点は、主装置と管理装置の更新であり、玄間ドア、館内の電機配線、照明装置など関連するシステムには全く変更がなく、いわば入退管理システム自体のバージョンアップというべきものです。この新管理システムの(旧システム比較時の)特長は以下のような点です。

1.入退館の利用者カードは、従来の“専用カード”を廃止し、教職員は“図書館利用証”、大学院生、学部学生は“学生証”を使用す    る。
2. 希望者のみ、個々に24時間利用できる「特別利用申請」を受付け、登録する。
3.利用者登録数に制限が無くなったため、大学院生以上の利用であったものが、学部学生への利用対象の拡大が可能となった。
4.入退履歴、日報、月報など管理面での性能が向上した。

  新入退館システムで運用を開始して3ヶ月弱ですが、2002621日現在の24時間開館の利用概要を紹介します。以下は、全登録者数760人の身分別内訳(左図)と、無人開館時の身分別利用状況(右図)を表したものです。登録者数に比べて実際の利用では学部学生の割合が多く、全利用者数639人中428人(67%)を占めています。

 


*

 時間帯別の利用実態は、平日は22時から翌日1時・2時台までが多く、土・日・祝日は9時から19時台までが多く、このことは予想していたところです。しかし、早朝6時から8時台の利用が多いのは予想外のことでした。
当初最も懸念していた飲酒・喫煙・宿泊の形跡は全く見られず、学部学生(現在は56年目のみ)のマナーの良さがうかがえ、今後の4年目以下の学部学生への利用拡大にも不安材料は少ないものと考えています。

この24時間利用は、医学研究科・医学部およびその附属施設の教職員・学生、遺伝子病制御研究所などの関係機関に所属する者のみが可能です。これ以外の他学部の方々は、月曜日から金曜日の9時から22時までの時間帯でのご利用をお願いします。


◆次の記事へ移る
◆前の記事へ戻る
◆目次へ戻る