推薦者: 敷田 麻実
所属: 高等教育推進機構
身分: 教員
研究分野: 観光、地域再生
調査で「なぜ」と聞いてはいけない
タイトル(書名):
途上国の人々との話し方 : 国際協力メタファシリテーションの手法
著者:
和田信明, 中田豊一著
出版者:
みずのわ出版
出版年:
2010
ISBN:
4864260052
北大所蔵:
推薦コメント
本書の筆者である和田と中田は国際協力のベテランであり、アジアなどの途上国の現場で学んだこと、特に、相手の状態を理解する調査について、ていねいに解説している。相手を知ることの第一は観察であるが、その次は質問を介したコミュニケーションである。それは地域調査でのやり取りでも同じである。
彼らは「問題は何か」や「原因は何か」と相手に聞いてはいけないと述べる。例示された、医者は患者を前に「なんで熱があるのか?」と聞くのではなく、医者が聞くべきは「いつから熱が出たのか」という事実であるというアドバイスは、まったく当を得ている。考えを聞く質問では、質問者が喜ぶ答えが返ってくるだけに終わる。そうではなく、事実を問う質問法の重要性を説く。この事実を問う質問とは、「いつ、どこで、何、誰」を基本とし、「○○をしたことがあるか、○○を知っているか、○○があるか」がパターンである。
実は、事実を問う質問を仕事で駆使しなければならないのは、研究者だけではない。およそほとんどの仕事で、人を「相手」にする場面では、誰でもこの質問法のレッスンをする必要があるだろう。しかし「それがなぜ必要?」と聞いてはいけない。「何が学べるのか」と聞くことが重要である。
彼らは「問題は何か」や「原因は何か」と相手に聞いてはいけないと述べる。例示された、医者は患者を前に「なんで熱があるのか?」と聞くのではなく、医者が聞くべきは「いつから熱が出たのか」という事実であるというアドバイスは、まったく当を得ている。考えを聞く質問では、質問者が喜ぶ答えが返ってくるだけに終わる。そうではなく、事実を問う質問法の重要性を説く。この事実を問う質問とは、「いつ、どこで、何、誰」を基本とし、「○○をしたことがあるか、○○を知っているか、○○があるか」がパターンである。
実は、事実を問う質問を仕事で駆使しなければならないのは、研究者だけではない。およそほとんどの仕事で、人を「相手」にする場面では、誰でもこの質問法のレッスンをする必要があるだろう。しかし「それがなぜ必要?」と聞いてはいけない。「何が学べるのか」と聞くことが重要である。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。