推薦者: 天野 麻穂
所属: 大学力強化推進本部 URAステーション
身分: その他

科学者を目指したいけれど、不安や悩みが尽きない学生さんへ

タイトル(書名):
科学者の卵たちに贈る言葉 : 江上不二夫が伝えたかったこと
著者:
笠井 献一
出版者:
岩波書店
出版年:
2013年
ISBN:
4000296108
北大所蔵:
北大所蔵 1 
北大にある資料をOPAC(蔵書検索)で表示します。

推薦コメント

戦後日本の生命科学を牽引した一人である、江上不二夫先生にまつわるエピソードを、お弟子さんの笠井献一先生がエッセイとしてまとめた本です。

「研究」を「しごと」や「人生」に置き換えて読むこともできそうなので、科学者を目指す新入生はもちろん、どの道に進もうか、将来のことで悩んでいる大学院生や研究員の方にも、ぜひ薦めたい一冊です。

たとえば、世の中には「つまらない研究」なんて存在しない。本質的なものを見つけ出そう、という高い志をもっていれば、不可欠で立派な研究だから。大事なのは、自然を素直にみつめて、謙虚に接すること。

あるいは、「独創的研究」というスローガンこそ、独自性を失っていないだろうか。自分の仕事に、愛情と自信をもって自分のペースで進んでいくほうが、独創的研究にずっと近いのではないだろうか。

・・・などなど、示唆に富んだ内容です。

お昼休みにこまぎれに読んで、1週間ちょっとで読み終わるくらいの分量なのも、気軽で良いと思いますよ。

※推薦者のプロフィールは当時のものです。