推薦者: 中村 重穂
所属: 国際連携機構国際教育研究センター
「承認」を切り口にして社会を考える
タイトル(書名):
承認-社会哲学と社会政策の対話-
著者:
田中拓道
出版者:
法政大学出版局
出版年:
2016
ISBN:
4588625292
北大所蔵:
推薦コメント
「承認」というと堅苦しい響きがあるが、要するに「認めてくれ!」ということである。ではなぜある人びとやある問題が社会の中で認められていないのか、どのようにすればその問題にアプローチできるのか、といったことに気鋭の研究者たちが正面から取り組んだ労作である。その際の基本的視角となっているのは現代ドイツの哲学者アクセル・ホネットの“承認の哲学”と、それに関するナンシー・フレイザーとの論争である。決して易しくはないが、ここからさらに各自の関心に応じて(芋づる式に!)読書の範囲を広げ問題を整理することができるだろう。よく言われる「哲学が何の役に立つのか?」という問いに対する一つの答えの可能性としても読むことができる。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。