推薦者: 中村 重穂
所属: 国際連携機構国際教育研究センター
大学の「勉強」は大変なのである!
タイトル(書名):
「知」の方法論-論文トレーニング-
著者:
岩崎美紀子
出版者:
岩波書店
出版年:
2008
ISBN:
400028049X
北大所蔵:
推薦コメント
この本を推薦するに当たっては苦い思い出から始めたい。高校時代の「倫理・社会」の授業で、「大学に行く目的は何か?」というテーマでグループ・ディスカッションをしたことがあった。僕のグループ5人の中で、「大学へは勉強しに行く」という意見を出したのは僕だけで、他の同級生は全員「大学へは遊びに行く」と答えたのである。グループ代表として結論を報告した同級生の、僕を小馬鹿にしたような目つきはいまだに目に浮かぶ。そんな高校だったから、卒業時、男子生徒20名中現役で大学に進学したのは2名だけだった(僕も浪人組)。
北大に進学してきた学生諸君の高校ではそこまでひどいことはなかっただろうけれども、ここ6年ほど「一般教育演習(フレッシュマンセミナー)」で日本語文章表現法の授業をやっていると、抽選で入ってきた学生=比較的学びたい欲求が強そうな学生でもほぼ毎年1人はドロップアウトしていく。おそらく大学での勉強がそれなりに大変であるということが分かっていないのだろう(他の事情もあるのかも知れないが)。
そこで、特に1年生の諸君には、この本を読んでほしい。最初は全部読もうと思わなくてもいいので、「第I部-1「考える」レベル」をまず読んでみてほしい。4ページに「考える」レベルという表があるので、自分がどのレベルにあるかを内省してみよう。レベル3だと思った人は、この本を読まなくても北大の先生方の授業を聞いていればきちんと勉強できる。レベル2だと思った人は、もし興味があれば読んでみるとよい。そして、レベル1または0だと思った人は、最後まで真剣に,それが難しくても第II部までは読んでおく必要がある。「大学は勉強するところだ」という当たり前のことを実践するためにどれだけのことが求められているのか、何をすればいいのかが具体的に分かるはずである。
北大に進学してきた学生諸君の高校ではそこまでひどいことはなかっただろうけれども、ここ6年ほど「一般教育演習(フレッシュマンセミナー)」で日本語文章表現法の授業をやっていると、抽選で入ってきた学生=比較的学びたい欲求が強そうな学生でもほぼ毎年1人はドロップアウトしていく。おそらく大学での勉強がそれなりに大変であるということが分かっていないのだろう(他の事情もあるのかも知れないが)。
そこで、特に1年生の諸君には、この本を読んでほしい。最初は全部読もうと思わなくてもいいので、「第I部-1「考える」レベル」をまず読んでみてほしい。4ページに「考える」レベルという表があるので、自分がどのレベルにあるかを内省してみよう。レベル3だと思った人は、この本を読まなくても北大の先生方の授業を聞いていればきちんと勉強できる。レベル2だと思った人は、もし興味があれば読んでみるとよい。そして、レベル1または0だと思った人は、最後まで真剣に,それが難しくても第II部までは読んでおく必要がある。「大学は勉強するところだ」という当たり前のことを実践するためにどれだけのことが求められているのか、何をすればいいのかが具体的に分かるはずである。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。