推薦者: 中村 重穂
所属: 国際連携機構国際教育研究センター
文学という営みを通してみた日本人像とは
タイトル(書名):
近代日本人の発想の諸形式
著者:
伊藤整
出版者:
1981
出版年:
岩波書店
ISBN:
4003109619
北大所蔵:
推薦コメント
標題となっている論文で、著者は、日本人の手によって行われた文学(創作と作品)を「逃避型と破滅型」、「上昇型と下降型」等いくつかの切り口から鋭く考察し、日本に於いてその文学的な風土がどのように形成されたかという問題に取り組んでいる。その過程で一つの鍵となるのは、創作の専門性とそれを体現する”文士”という存在である。そうした観点から見たとき、多くの人が常識的に(?)受け止めている「文豪」漱石と鴎外への批判は苛烈を極める。
20世紀末から日本哲学(史)の研究が徐々に隆盛の兆しを見せてきたが、哲学研究者とは別の(「異質」と言っても良いかもしれない)観点から日本人のものの考え方を明らかにしようとした伊藤整の努力の過程を今読み返すことにはそれなりの意味があると思う。
20世紀末から日本哲学(史)の研究が徐々に隆盛の兆しを見せてきたが、哲学研究者とは別の(「異質」と言っても良いかもしれない)観点から日本人のものの考え方を明らかにしようとした伊藤整の努力の過程を今読み返すことにはそれなりの意味があると思う。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。