推薦者: 中村 重穂
所属: 国際連携機構国際教育研究センター
身分: 教員
研究分野: 日本語教育史、意味論
宗教を信じつつ宗教を超える
タイトル(書名):
はじめて読む聖書
著者:
田川建三ほか著
出版者:
新潮社
出版年:
2014
ISBN:
4106105829
北大所蔵:
推薦コメント
この本を推薦するのは、僕がキリスト教徒であるからでもなく、『聖書』にありがたみを感じているからでもない。どのような本にせよ、読み手の体験を通してその内面と響き合うものでなければそもそも本を読む意味はないということをこの本の中の第Ⅳ章「レヴィナスを通して読む『旧約聖書』」(内田樹)が慄然たる厳しさを持って教えてくれるからである。この本を手にした人は全部読まなくても良い(読めば読んだでそれなりに得るものはあろうけれども)が、上記の箇所だけはじっくりと読んで欲しい。その上で、関心があればレヴィナスの本に向かうこともお勧めする。わかりやすい本ではないが、人間について何かしら考えるきっかけとなると思う。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。