推薦者: 中村 重穂
所属: 国際連携機構国際教育研究センター
身分: 教員
研究分野: 日本語教育史、意味論

モンゴルの魅力に近づくために

タイトル(書名):
草原の革命家たち : モンゴル独立への道
著者:
田中克彦著
出版者:
中央公論社
出版年:
1990
ISBN:
4121903447
北大所蔵:
北大所蔵 1 
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推薦コメント

この「本は脳を育てる」の過去の推薦文に何回か書いたことであるが、僕は1990年代にエジプトに赴任していた。だが、最初に赴任先候補地としてあげられたのは、実はモンゴルであった。それがどこかでどうにかこうにかなってエジプトに落ち着いた(?)のであるが、今でも時々、あのときモンゴルに行っていたらどうなっていただろうかと思うことがある。今は、モンゴルと言えば相撲の世界が思い浮かぶだろうが、多くの日本人の間でこの国の歴史と現在の姿は意外に知られていないと言ってよいだろう。この本は、モンゴルが中国、ソヴィエトという巨大な国に挟まれて―しかもここに日本が絡んでくる―いかなる苦難のもとに独立に至る道を獲得したかを、独立運動家たちに対する深い共感を込めて描いた本である。世界をより多面的に知る上で一読を勧めたい。

※推薦者のプロフィールは当時のものです。