本は脳を育てる ~北大教職員による新入生への推薦図書~ 

推薦者 :  小泉格      所属 :  総合博物館      身分 :       研究分野 : 
タイトル(書名) 気候変動論 (岩波講座地球惑星科学 ; 11)
著者 住明正 [ほか]著
出版者 岩波書店
出版年 1996.9
ISBN 4000107313
北大所蔵 北大所蔵1 
クリックすると北大OPAC(蔵書検索)で該当図書を別窓で表示します。

推薦コメント

地球の表層環境を形成している「気候システム」は,大気,海洋,雪氷,土壌,植生などの様々なサブシステムから構成される総合的なシステムであるので,気候システムんの変動をよく理解するためには,様々なサブシステム間の相互作用とフィ−ドバックによる気候システム全体の変動を理解することが必要になる。また,気候システムの変動には,様々な時間スケ−ルの現象が含まれており,それらが相互に関連しあっている。

 この本では,気候システムの変動を時間スケ−ルの短い変動から長い変動までエルニ−ニョが,気候システムの変動として最大限度に近 い変動の振幅を持っており,全地球的な気圏での影響力を及ぼすこと。また,モンスーンは大陸と海洋という地球に固有のサブシステムによる駆動される現象であることを述べている。

 第3章「数十年から数百年の気候変動をきめる海洋」では,気候システムの中核的なサブシステムである海洋の変動を述べている。海洋は,水惑星「地球」表面の7割を占めており,そのサブシステム内部での変動が気候システム全体のペ−スメ−カ−となっている。

 第4章「第四紀の気候変動」では,まだ十分に理解されていない氷期-間氷期サイクルに伴うデ−タとモデルの両面から気候システムにおける変動機構の検討がなされている。

 第5章「地質時代の気候変動」では,過去6億年間を通じての気候変動が様々な地質学的デ−タを集大成して,解説されている。

 第6章「気候および気候変動の数理モデル」では,気候システムの変動全体を理解するための理論的枠組みを述べている。
 変動のメカニズムを理解することが最も大事なことである。

※推薦者のプロフィールは当時のものです。

Copyright(C) Hokkaido University Library. All rights reserved.
著作権・リンクについて  お問い合わせ

北海道大学附属図書館
北海道大学附属図書館北図書館