| 現代数学の雰囲気を体験しよう──文系学生でも読める現代数学の本 |
| タイトル（書名） | ： |
幾何の魔術 : 魔方陣から現代数学へ |
| 著者 | ： |
佐藤肇, 一樂重雄著 |
| 出版者 | ： |
日本評論社 |
| 出版年 | ： |
2002.8 |
| ISBN | ： |
4535783527 |
| 北大所蔵 | ： |
北大所蔵1 |
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推薦コメント |
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ある大学新入生は，大学の「化学」は物理のようで，大学の「物理」は数学のようで，大学の「数学」は哲学のようだと言った。これは高校時代に刷り込まれた各科目についてのイメージが，大学のレベル以上の現実の学問の姿からかけ離れていることを表している。現在の指導要領では，以前より内容・学習時間を3割削減した。その結果，たとえば高校の物理から数学的側面を排除して物理の姿を歪めることになった。
この本は，タイトルが一見怪しげで通俗的なレベルの本にみえるが，実は一流の数学者が現代数学の思考法のエッセンスをより多くの人々に伝えようとして真正面から書いたものである。高校数学しか知らない人が読めば，第2章の「有限アフィン幾何」のところで，確かに「数学」は哲学だという感想を持つかもしれない。しかし，それは哲学ではなくて，現代数学の本当の姿である。
私は，この本を教科書として，5年間に渡って一般教育演習「魔方陣と現代数学」という授業を行った。この授業では学生が講師となって分担した部分を講義するという輪講形式であったが，工学部などの理系の学生はもちろん，文学部，法学部，経済学部，教育学部などの学生が何人もこの授業に参加して，現代数学を楽しんだ。
この本をとりあえず第4章の「アフィン平面と魔方陣」まで読むことをお薦めする。目からうろこが落ちる経験をするに違いない。
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