推薦者: 寺沢 重法
所属: 文学研究科
倫理観を高めれば世の中は良くなるのか?
タイトル(書名):
心でっかちな日本人
著者:
山岸俊男
出版者:
ちくま書房
出版年:
2010
ISBN:
4480426752
北大所蔵:
推薦コメント
著名な社会学者・社会心理学者の山岸俊男先生の著作。
「いじめが起こるのは、子供たちの心が荒んでいるからだ。だから道徳心や倫理観を育むのが大切だ」といったタイプの、社会問題の発生要因を人びとの心理に同定し、その心理を変容させることが社会問題の抑止につながるのは、本当なのか?という問題設定から始まる。おおよその結論をまとめてしまうと、「人々はそうしたいからそうしているのではなく、そうせざるを得ない状況があるからそうしているのである。そうせざるを得ない状況を変えれば人々の行動は変わるのではないか?」というところである。このような著者の主張を裏付けるにあたって、著者が行ってきた様々な社会実験、集団主義研究などが参照されている(集団主義的と言われる日本人被験者であっても、実験状況を変えることで個人主義的な行動をとる、など)。
※図書館注: 初版:日本経済新聞社版(2002年発行)も所蔵しています。
「いじめが起こるのは、子供たちの心が荒んでいるからだ。だから道徳心や倫理観を育むのが大切だ」といったタイプの、社会問題の発生要因を人びとの心理に同定し、その心理を変容させることが社会問題の抑止につながるのは、本当なのか?という問題設定から始まる。おおよその結論をまとめてしまうと、「人々はそうしたいからそうしているのではなく、そうせざるを得ない状況があるからそうしているのである。そうせざるを得ない状況を変えれば人々の行動は変わるのではないか?」というところである。このような著者の主張を裏付けるにあたって、著者が行ってきた様々な社会実験、集団主義研究などが参照されている(集団主義的と言われる日本人被験者であっても、実験状況を変えることで個人主義的な行動をとる、など)。
※図書館注: 初版:日本経済新聞社版(2002年発行)も所蔵しています。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。