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1990年代以降、日本中世史のなかで急速に研究が進んでいる分野に、室町時代史と対外関係史とがあります。ところが2000年代まで、それらはほとんど没交渉のまま存在してきたと言ってもいいでしょう。しかしながら、それぞれの分野が孤立したままの状態では、いずれ学問全体のバランスを失いかねません。何より、隣の果実と掛け合わせることでさらに豊かな成果を得られます。そこで、唐物(舶来品)文化や外交儀礼などの諸側面を通じて両者の接続を図ったのが本書です。扱う史資料は問題の性質上、文献(文字資料)だけとは限りません。絵画、書跡、染織、五山文学……。どんな「化学反応」が生まれるのか、その目で見ていただければ、と思います。 |