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20年以上まえに出たこの本を今頃推薦するのは実は大変恥ずかしい。というのは、出版されてから割合すぐに買い求めたのだけれど、最近まで“本棚の肥やし”にしてあって読んでいなかったからである。(言い訳すれば、昔、僕の恩師も「20年前に買った本がまだ読めないんだ」とぼやいていたので、同じようなことは案外あるのかもしれない。)
「英学」という表題はいかめしいが、要するに日本人が英語と接して以来、どのようにこの言語を勉強しようと工夫なり悪戦苦闘なりを重ねてきたかの歴史が描かれているものであり、具体的な教科書や参考書や辞書、果てはかなり怪しげな学習書までも例に挙げられているので、読み出すと面白くて結構一気に読めてしまった。
語学を実用的なものとしてだけでなく、歴史の中の一つの動きとして捉えてみたいと思う人には是非読んでほしいと思う。札幌農学校のことも少しだけ(248-252ページ)だが触れられている。 |