推薦者: 中村 重穂
所属: 国際連携機構国際教育研究センター
映像芸術の極致!
タイトル(書名):
オルフェ(DVD,VHS)
著者:
ジャン・コクトー
出版者:
アイ・ヴィー・シー
出版年:
ISBN:
北大所蔵:
推薦コメント
フランスが生んだ万能の芸術家-その活動は詩、小説、音楽、絵画、舞台演出、映画に及ぶ拡がりを持つ-ジャン・コクトーの、まさに幻想・幻視芸術の粋を極めた作品である。この映画を高校生の時に初めてテレビで見たのだけれども、見終わって恥ずかしげもなく「ジャン・コクトーは天才だ!」と叫んでしまったことを覚えている。その後何回もこの映画を見てきたが、見るたびに上の感想は間違いなかったと感じている。
物語は、ギリシャ神話のオルフェウスとエウリュディケーの悲劇を下敷きにしているが、コクトーの奔放不羈な想像力によって、生と死、詩人(芸術家)の運命、愛の逆説などのテーマが見るものを引きつけて離さない不思議な映像効果のもとに描き出されていく。詩人オルフェの日常を描きながらどこか奇妙に暗さを秘めた現実=生の世界と、鏡の向こうに現れるこれまた奇妙な明るさをたたえた死の世界が幻想的に造形され、ジャン・マレー演じるオルフェは、死の国の天使ウルトビーズ(フランソワ・ペリエの、主役を喰う怪演が圧巻!)に導かれて死の国の王女(演じるマリア・カザレスも圧倒的な存在感)に逢い、死んだ妻・ユリディスを取り戻そうとする。その結末はここでは触れないが、是非ギリシャ神話のオルフェウスの物語(長いものではない)を読んだ上で見てもらえればと思う。さらに、北大図書館には『ジャン・コクトー全集』も入っていることを付け加えておく。
物語は、ギリシャ神話のオルフェウスとエウリュディケーの悲劇を下敷きにしているが、コクトーの奔放不羈な想像力によって、生と死、詩人(芸術家)の運命、愛の逆説などのテーマが見るものを引きつけて離さない不思議な映像効果のもとに描き出されていく。詩人オルフェの日常を描きながらどこか奇妙に暗さを秘めた現実=生の世界と、鏡の向こうに現れるこれまた奇妙な明るさをたたえた死の世界が幻想的に造形され、ジャン・マレー演じるオルフェは、死の国の天使ウルトビーズ(フランソワ・ペリエの、主役を喰う怪演が圧巻!)に導かれて死の国の王女(演じるマリア・カザレスも圧倒的な存在感)に逢い、死んだ妻・ユリディスを取り戻そうとする。その結末はここでは触れないが、是非ギリシャ神話のオルフェウスの物語(長いものではない)を読んだ上で見てもらえればと思う。さらに、北大図書館には『ジャン・コクトー全集』も入っていることを付け加えておく。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。