推薦者: 清水 誠
所属: 文学研究科
未知の言語の全体像が手に取るようにわかる
タイトル(書名):
「言葉のしくみ」シリーズ
著者:
出版者:
白水社
出版年:
2005-
ISBN:
北大所蔵:
推薦コメント
世界の言語に興味があっても、具体的に学ぶとなると、尻込みしてしまうことが多いものです。白水社の「言葉のしくみ」シリーズは、まったく未知の外国語の構造がだれにでも無理なく理解でき、最後まで通読できる、という点をコンセプトとした、CDつきのまったく新しいタイプの言語学入門叢書です。難しい文法用語はいっさい使わず、扱うトピックを厳選して、腕利きの若い編集者が一人ですべての巻をまとめあげ、どれも均質で無理のない内容に仕上がっています。
これまで出版されたのは16言語で、「ドイツ語のしくみ」「フランス語のしくみ」「スペイン語のしくみ」「イタリア語のしくみ」「ロシア語のしくみ」「韓国語のしくみ」「インドネシア語のしくみ」「ベトナム語のしくみ」「チェコ語のしくみ」「フィンランド語のしくみ」「ノルウェー語のしくみ」「中国語のしくみ」「オランダ語のしくみ」「スワヒリ語のしくみ」「ポルトガル語のしくみ」「ラテン語にしくみ」です。ちなみに、私は「オランダ語のしくみ」を担当しています。今後、さらなる続巻の刊行が待たれるところです。
みなさんにぜひお勧めしたいのは、「複数の巻を読んでみる」ということです。本シリーズをもってすれば、意外にたやすいことです。たとえば、ヨーロッパの言語に興味がある人は、「ドイツ語のしくみ」「オランダ語のしくみ」「ノルウェー語のしくみ」の3冊に目を通してみてください。ゲルマン語という、英語を含む大きな言語グループのイメージがつかめて、英語の理解もまた格段に深まるはずです。アジア系の言語がなんとなく気になる人は、「中国語のしくみ」「韓国語のしくみ」「ベトナム語のしくみ」を読み比べることで、東アジアの言語文化の伝統に目を開かれることでしょう。類型論的な関心がある人は、「フィンランド語のしくみ」「インドネシア語のしくみ」「スワヒリ語のしくみ」をのぞいてみるのも良いでしょう。
本来、この世の言語には貴賎の区別はないはずです。ただ、人間という生き物には、とかく物事を単純化してステレオタイプ的な理解を快感としたがる癖があります。他方、予想を超えた多様な現実に直面して素朴に驚きを覚え、その中から自分なりの体系を発見して、世界をとらえ直していくというのも、人間に与えられた大きな喜びであり、大切な知的営みのひとつです。
本シリーズを図書館で手に取って、世界の言語とその話し手とその話し手が作り上げた言語文化の奥の深さを垣間見てください。
これまで出版されたのは16言語で、「ドイツ語のしくみ」「フランス語のしくみ」「スペイン語のしくみ」「イタリア語のしくみ」「ロシア語のしくみ」「韓国語のしくみ」「インドネシア語のしくみ」「ベトナム語のしくみ」「チェコ語のしくみ」「フィンランド語のしくみ」「ノルウェー語のしくみ」「中国語のしくみ」「オランダ語のしくみ」「スワヒリ語のしくみ」「ポルトガル語のしくみ」「ラテン語にしくみ」です。ちなみに、私は「オランダ語のしくみ」を担当しています。今後、さらなる続巻の刊行が待たれるところです。
みなさんにぜひお勧めしたいのは、「複数の巻を読んでみる」ということです。本シリーズをもってすれば、意外にたやすいことです。たとえば、ヨーロッパの言語に興味がある人は、「ドイツ語のしくみ」「オランダ語のしくみ」「ノルウェー語のしくみ」の3冊に目を通してみてください。ゲルマン語という、英語を含む大きな言語グループのイメージがつかめて、英語の理解もまた格段に深まるはずです。アジア系の言語がなんとなく気になる人は、「中国語のしくみ」「韓国語のしくみ」「ベトナム語のしくみ」を読み比べることで、東アジアの言語文化の伝統に目を開かれることでしょう。類型論的な関心がある人は、「フィンランド語のしくみ」「インドネシア語のしくみ」「スワヒリ語のしくみ」をのぞいてみるのも良いでしょう。
本来、この世の言語には貴賎の区別はないはずです。ただ、人間という生き物には、とかく物事を単純化してステレオタイプ的な理解を快感としたがる癖があります。他方、予想を超えた多様な現実に直面して素朴に驚きを覚え、その中から自分なりの体系を発見して、世界をとらえ直していくというのも、人間に与えられた大きな喜びであり、大切な知的営みのひとつです。
本シリーズを図書館で手に取って、世界の言語とその話し手とその話し手が作り上げた言語文化の奥の深さを垣間見てください。
※推薦者のプロフィールは当時のものです。