本は脳を育てる ~北大教職員による新入生への推薦図書~ 

推薦者 :  園田勝英      所属 :  言語文化部      身分 :       研究分野 : 
最良の英単語参考書
タイトル(書名) 英語語義イメージ辞典
著者 政村秀實著 ; Paulus Pimomo英文校閲
出版者 大修館書店
出版年 2002.5
ISBN 4469041602
北大所蔵 北大所蔵1 
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推薦コメント

永久記憶の英単語』、『ネイティブスピーカーの単語力』、『語源とイラストで一気に覚える英単語』、などなど。あの手この手の書名とともに売り出される英単語の参考書の数は、おそらく明治以来数百冊になるであろう。このように数ある英単語参考書の中で私が現在もっとも良いと思っているのがこの本である。約3,000の見出し語について、発音記号、定訳、原義、イメージ、解説、派生語関連語、日本語訳つきの例文が羅列されているだけの素っ気無い小型辞書の体裁をしているが、中身は大変濃く、面白く、読みやすく、そして正確である。

例として abet を見よう。定訳は「そそのかす」。原義欄は「餌(-bet)へ(a)」となっていて、語源的に「〜へ」という意味の a と「餌」という意味の bet から成り立っていることが、一目で分かるように工夫されている。これを補強するように、イメージ欄では「(甘い)餌でつる」、解説欄では「-bet は bait (餌)と音も似ている」と説明が続く。ここまで読むと読者の頭の中の「abet =そそのかす」という等式に「(甘い)餌 (bet, bait)」という豊かなイメージが加わるのである。さらに、派生語関連語欄、例文欄でこのイメージが膨らむのだが、ここでは省略する。

見出し語が3,000と少ないが、日本人が覚えにくいと感じる単語は大抵載っているし、項目ごとの出来不出来のばらつきも少ない。どの項目を読んでも何かしら発見があるはずだ。いつも使っている英々辞典や英和辞典で調べたついでに同じ単語をこの本で調べてみるとよい。普通の辞書とは一味違う解説に、なるほどと唸らされるであろう。そして、そのように唸ったとき、その単語はあなたの頭の中にさらに深く刻みつけられるのである。英単語の勉強法としてこれ以上のものはない。

※推薦者のプロフィールは当時のものです。

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