図書館情報システムの更新
1 はじめに
 図書館情報サービスの機能アップと利用者サービスの向上をめざし,平成11年3月に「図書館情報システム」を更新しました。導入したシステムは日本電気株式会社のLICSU−UX2です。  図書館情報システムの全体は下図のとおりです。このうち今回更新したのは,WWWサーバ,蔵書データベースサーバと,附属図書館本・分館および部局図書室に配置された図書業務端末100台と蔵書検索(OPAC)端末50台で構成されるクライアント/サーバシステムです。
 今回更新したシステムの新しい機能の中から,特に,研究室等のパソコンからWebで24時間利用できるOPACや文献複写申込など新たな利用者サービスについて以下に紹介します。



2 OPAC  
装いも一新したWWWブラウザ対応のOPACは,旧システムに比較して応答が格段によく検索結果の表示が早く,新たな機能も数多く取り入れました。
 検索画面は,比較的簡単に検索できる基本画面(下図)と検索条件を細かく指定できる拡張画面の2種類を設けました。利用の多い基本画面では,書名や著者名などを入力して検索ボタンをクリックするだけで,誰でも簡単に利用できるものとしました。検索語の入力例が画面下に表示されていますので,これを参照すれば容易に検索できます。
 拡張画面は,書名,著者名などの項目ごとに検索語を入力するものです。検索対象(図書と雑誌)と検索範囲(全学,部局等)は,基本画面,拡張画面のいずれでも指示できますが,拡張画面では,さらに分野,出版国,出版年,言語を指定することができます。また,拡張画面では検索語の一覧を表示した上で検索を行うことがでます。文字表からキリル文字等を入力することもできます。  今回のシステムでは,書名中の漢字などで検索できるようになりました。  なお,貸出中の場合,これらの画面から予約することができます。



3 図書館情報Webサービス
 今回新たに開始したサービスで,メニューは次の画面のとおりです。なお,利用対象者は学内の方のみです。



(1)貸出資料照会
   自分が今何を借りているかの状況が確認できます。
(2)予約資料照会
   自分が今何を予約しているかの状況が確認できます。
(3)学外への文献複写申込
   学内にない文献の複写依頼を申込むことができます。文献の到着はメール等でお知らせします。学内の札幌−函館キャンパス間でも利用できます。なお,学術雑誌目次情報データベース(SwetScan)の検索画面から直接,文献複写依頼を申込むこともできます。
(4)学外への図書借用申込
   学内にない図書の借用依頼を申込むことができます。図書の到着はメール等でお知らせします。学内の札幌−函館キャンパス間でも利用できます。
(5)学外への文献複写/図書借用申込の進捗状況照会
   学外への文献複写申込,図書借用申込の進捗状況を確認できます。
(6)図書購入依頼(教官用)
   図書の購入依頼をすることができます。また、依頼者のパソコン上にそのデータをテキスト形式で保存,活用することができます。
(7)図書購入依頼(教官用)の進捗状況照会
   依頼した図書の進捗状況(発注中、整理中、利用可等)を確認できます。
(8)図書購入依頼に伴う予算情報参照
   図書購入依頼に伴う予算の執行状況を確認できます。
(9)パスワード変更
   図書館情報Webサービスは,図書館に出向くことなく研究室のパソコンから,あるいは自宅のパソコンなど学外からも24時間利用できますが,このサービスを利用するには事前に登録が必要です。ただし,部局により利用条件等が異なる場合がありますので申請時にご確認ください。  なお,貸出中の資料の予約はOPAC検索画面から,事前登録なしで利用できます。ただし,予約は学内のパソコンからの利用のみで,学外からは利用できません。

4 学術雑誌目次速報データベース(SwetScan)
オランダのSwets社提供の学術雑誌約14,000タイトルを収録した目次情報データベースです。データ収録範囲は1998.4−Currentでデータ更新はほぼ毎日行われます。昨年7月からサービスを行ってきましたが,システム更新にあわせ機能アップしました。検索した論文をクリックすると,雑誌の学内所蔵状況を表示します。学内にない場合は,国内の所蔵状況を表示することもできます。さらに,学外へ文献複写申込みを行うことができます。

5 その他のサービス
 蔵書検索とは別のアプローチから蔵書データベースを見ることができます。
(1)新着図書案内
   最近2カ月間に利用可能となった図書の簡略な情報を日付順に見ることがでます。さらに,1カ月単位で1年前まで遡って見ることもできます。
(2)雑誌最新号案内
   雑誌の最新号を一覧表示できます。表示項目は,雑誌名,巻・号,発行年月,受入月日などです。
(3)AV資料等案内
   CD,マイクロフィルム,地図などの資料について一覧表示します。

6 業務システムの効率化
 利用者サービスの拡大が図る一方,業務においても新たな機能の追加や改善を行いました。なかでも目録業務とILL(図書館間相互貸借)は学術情報センターの新CAT/ILLシステム(目録所在情報サービス)に対応し,学術情報センターの目録システムと北大のシステムが,あたかも一つのシステムのように扱うことができるなど効率的なシステムとなりました。  その他,
(1)Webサービスで利用者から送られてきたデータがそのまま業務システムのデータ  に取り込まれる機能
(2)フロッピーディスク(FD)による図書受入機能
(3)FDによる雑誌受入機能の全学一本化
 などがあります。  端末システムは,すべてパソコンに代わり,1台で全ての業務を行うことも可能となりました。また,OPAC端末をすべての部局図書室に配置し,業務端末もほぼ職員1人当たり1台となるなどシステム環境の整備が進みました。

7 おわりに  今回の更新は,本館・分館および全学の部局図書室の協力のもと,システム管理部会,図書管理部会等々の6つの図書担当者連絡部会のメンバーを中心として行われました。よりよいシステム作りを目指し,更新のための仕様の作成から検証や導入の準備等まで様々な作業を行い,順調にシステムの更新を終えることができました。



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