料理長から一言 −− "本場の味とは???"


中国は、日本からとても近い国でありながら、一番遠い国ではないかと思います。日本の文化の多くはもとをたどれば中国の影響を強く受けていたものなのですが、現在の中国と日本では、人々の考え方や習慣が全然違います。トイレやお風呂の問題もあり、留学当初は驚きの連続でホームシックにかかっているヒマもありませんでした。

現在中国の経済は、まるで何かを取り戻そうとしているかのように、めまぐるしい勢いで発展し続け、都市は活気にあふれています。しかしそれに伴って物価もはね上がり、また中国は何をするにもお金が必要なので、中国人だけでなく、中国で暮らす外国人にとっても住みづらい環境になってきていることも確かです。そのうえ、貧富の格差も大きくなる一方で、富を求めて都市部に農民が流れ込み、治安の悪化につながっています。

中国人は皆「中国は人が多すぎるから」と口を揃えて言いますが、それだけではない、もっと複雑な問題を抱えていると思うのです。

制度は社会主義、経済は資本主義というかつてない道を歩んでいる中国。
その急速すぎる発展のなか、古いものと新しいものとが微妙なバランスを保ちながら、独自の道を歩んで行くのでしょう。

中国は、五千年の歴史と広大な国土を持つ国だけあって、いわゆる名所旧跡だけでなく、地方の風土、少数民族の文化や歴史など、見るべきものが多く、大変興味深いです。
中国旅行は移動がとても大変で、切符の手配など苦労することも多いのですが、最近は各地で空港が整備され、航空関係に力を入れているようなので、飛行機を利用されれば、少々高くはつきますが、かなり便利でしょう。(中国国内線でも、航空会社によってはサービスもよいし、飛行機そのものもきれいで、落ちる心配もあまりないようです。少なくとも私が乗った飛行機は無事でしたし、トラブルもありませんでした。)
今までなんとなく中国を敬遠されていた方も、この際思い切って足を踏み入れてみられてはいかがでしょうか。
病み付きになられる方、「もう二度と来ない!」と思われる方、様々でしょうが、何か思いがけない発見があるかもしれません。
来年7月には香港も返還されます。その頃はまた一段と活気づくことでしょう。
ぜひ一度、隣国中国を'味見'してみてください。


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