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大学を出たときが学びのピークで、それ以降は知識レベルが下がっていくだけという批判には三分の理を認めるが、それは学習や学びをなめてかかっている。本当は社会に出てからが学びの本番であり、答えのない問題を解くチャンスに日々恵まれる。学校を出たときが学力のピークだという考えは、教室でインプットした知識だけで社会が理解できるという誤解に基づいている。学びは重要である。大学では、膨大な資料を読み、それを知ったうえでの研究を求められる。そのため、知識を得ること、レクチャーされることが大学生活の中心となりがちである。しかし、本書を読めば、知るだけでは不十分だということがわかる。つまり、知識を積み重ねるだけでは、その先の「創造」がないのだ。しかし、ちょっとした意識転換で、新しい解決法や「うーん、その手があったのか」という創造的解決の快感を味わうことはできる。本書では、理解や学習の構造、学習者として学びをどう身につければよいかなど、学ぶことを学べる。 |