数学界に革命をもたらした「不完全性定理」とは何か |
タイトル(書名) | : |
ゲーデルは何を証明したか-数学から超数学へ- |
著者 | : |
E.ナーゲル&J.R.ニューマン |
出版者 | : |
白揚社 |
出版年 | : |
1999 |
ISBN | : |
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北大所蔵 | : |
北大所蔵1 |
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推薦コメント |
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この本は、1968年に『数学から超数学へ : ゲーデルの証明』というタイトルで出された本の新装版である(原著は1958年!)。「ゲーデルの不完全性定理」というのを聞いたことがある人は、理数系でなければ必ずしも多くはないかもしれないが、「アインシュタインの相対性理論」や「ハイゼンベルクの不確定性原理」にも比するべき、数学に大転換を迫った原理である。この本は、その決して易しくはない「不完全性定理」をできる限りわかりやすく解きほぐして説明しようとするものであり、理数系の学生のみでなく論理学や数学的証明といったことに関心のある文系学生も努力すればなんとか理解できるようなレベルまでは引っ張り上げてくれるものである。この本を、大学院生時代に読んだときの経験から言うと、「リシャール数」という概念が出てくるあたりが文系の学生には最も分かりにくい一つの難所で、ここを粘り強く考えて読み通せばあとはそれなりになんとか最後までたどり着けるというのが、実際に読んで得た感想である。一度で分かろうとする必要はないのでゆっくり考えながら読んでいってもらえればと思う。この本を通して数学基礎論の奥行きと面白さが感じられたらさらに廣瀬健・横田一正『ゲーデルの世界』(海鳴社)なども読んでみることを勧めたい。 |
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