「日本国」の主権者であるために |
タイトル(書名) | : |
新解説世界憲法集 |
著者 | : |
初宿正典, 辻村みよ子編 |
出版者 | : |
三省堂 |
出版年 | : |
2017 |
ISBN | : |
4385313091 |
北大所蔵 | : |
北大所蔵1 |
| |
クリックすると北大OPAC(蔵書検索)で該当図書を別窓で表示します。 |
| | |
推薦コメント |
| |
以前、『一般教育演習』を開講していた際に、授業中日本国憲法が定める国民の三大義務や憲法第25条の規定について学生に聞いてみたところ、みんな余りにも知らないので愕然としたことがある。大学受験科目が「公民」ではないと余り憲法を読む機会がないのではないかと推察されるが、これだけ憲法改正の動きが明らかになっている時代に日本国民なのに日本国憲法を(特に日常生活に関わりの深い条文を)きちんと読んでいないというのは悲しいことである。『ナルニア国物語』のディゴリー卿のセリフではないが「今の学校ではいったい何を教えているのかな?」という気分になる。
とは言え、こういった学生たちにいきなり日本国憲法を読めといっても法学部の学生でなければ恐らく退屈してしまうだろう。今回推薦するこの本は、日本をはじめとする世界主要国の憲法を収載し、それぞれの特徴を詳しくまとめている。これらを比較して読むことで、日本国憲法がどのような性格の憲法なのか、我々を取り巻く社会環境にどのように関わっているかについての理解が進むことと思う。日本国憲法のあり方をめぐる議論がこれだけ盛んになっている時代に、憲法を読んで自分なりの考え方を持つことは極めて大切なことである。一読を勧めたい。 |
|