本は脳を育てる ~北大教職員による新入生への推薦図書~ 

推薦者 :  中村重穂      所属 :  国際連携機構国際教育研究センター      身分 :  教員      研究分野 :  日本語教育史、意味論
「研究者」になるための知的基礎体力をつけたい人に
タイトル(書名) これから研究を書くひとのためのガイドブック : ライティングの挑戦15週間
著者 佐渡島紗織, 吉野亜矢子著
出版者 ひつじ書房
出版年 2008
ISBN 4894763680
北大所蔵 北大所蔵1 
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推薦コメント

何年か前に、日本各地の大学で文章表現法関係の授業を担当している教員が集まって実践研修会をしたことがある。各人が自分の授業実践を発表し、ワークショップを通してよりよい授業のあり方を考えるというものだったが、そこで僕が言ったのは、文章表現法の授業をやるということが「自分が教わっていないことを教える”恐怖”」を伴う営為であるということだ。欧米の大学(院)に留学した人は別だろうが、僕自身の高校・大学時代には文章表現法やレポート作成法、論文執筆法は誰も教えてくれなかった。(僕の卒業した大学の教養科目の「文章表現法」は、1年間の総仕上げに短編小説を書く(!)というものだった。) それを、自分が大学教師になってから教えなければならなかったのは、それなりに勉強もしたが、その「実行性」と「実効性」について恐れと戸惑いの連続だった。その点、今の学生は幸せである。ここに推薦するような、文章を書く技術だけでなく、自立した「研究者」になるための訓練となるような本があるという有り難い時代になったのだ。授業で使うことを想定している本であるが、練習問題や要求するアクティビティの質は高い。研究者を目指す人は是非学部生のうちに読んで、練習して欲しい。

※推薦者のプロフィールは当時のものです。

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