アメリカに生まれて生きる、とは |
タイトル(書名) | : |
ボーン・トゥ・ラン : ブルース・スプリングスティーン自伝 |
著者 | : |
ブルース・スプリングスティーン著 ; 鈴木恵, 加賀山卓朗他訳 |
出版者 | : |
早川書房 |
出版年 | : |
2016 |
ISBN | : |
4152096403 |
北大所蔵 | : |
北大所蔵1 |
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推薦コメント |
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“ボス”と呼ばれるアメリカのロックンロール・ミュージシャン、ブルース・スプリングスティーンが7年をかけて執筆した自伝である。この本から彼の音楽に対する姿勢を窺えるのは当然だが、それ以上にアメリカ東海岸の労働者階級の家庭にアイルランド系、イタリア系、オランダ系という様々な血脈を受けて生まれ育ったスプリングスティーンが自分の出自を絶えず意識しながら音楽を作り演奏していく姿は、日本人のかなりの部分=日本(ヤマト)民族という出自を普段意識することのない存在には、強い印象を与えるであろう。彼の音楽が好きな人だけでなく、帰属意識(カタカナ言葉で言えばアイデンティティ)や、政治と音楽との関わり、あるいはアメリカショービジネスの現実といったことに関心がある人に広く薦めたい。
ちなみに、この本の標題にもなっている彼の曲“Born to run”を、―この本でもおそらくは仕方なく使っているけれども―「明日なき暴走」と日本語訳したのは、本当に大迷訳だとつくづく思う。 |